スポーツ庁は10月7日、体育の日を前に、2017年度体力・運動能力調査の結果を公表した。
体カテストの結果を点数化した合計点は、70代は男女ともに調査開始以降の最高を更新し、高齢者の体力の充実ぶりが目立った。
一方、女性の運動実施率は中学生から40代にかけて低迷し、課題が浮上した。
同庁は「高齢者が健康を強く意識し、ウォーキングなどの運動を実施する機運が高まっている」と分析。
若い女性の運動離れの要因は「はっきりしたことは分からないが、働く世代については社会進出が進み時間がなくなったことなどが考えられる」とした。
2017年5~10月、6~79歳の男女6万4648人を調査。
握力や上体起こし、長座体前屈など各項目の体力テストや運動習慣に関するアンケートを行った。
65歳以上は6項目を点数化し60点満点で結果をまとめた。
上体起こしや6分間歩行は男女ともほとんどの年齢で上昇。
75~79歳の男性は36・28点、女性は4年連続の過去最高となる36・03点で、いずれも約20年の間に6点程度伸びた。
70~74歳の男女に加え、65~69歳の女性もこれまでの記録を更新。
65~69歳の男性も2番目に高かった。
6~19歳の男女は体力がピークだったとされる1985年度ごろに比べると、中高生男子の50メートル走を除き低水準だが、ここ数年は男女ともおおむね上昇傾向か横ばいとなった。
子育て世代の30~40代の男女は伸び悩んだ。
一方、各年代の運動習慣の状況を、現在の形式で調査を始めた1998年度と比較する分析も実施。
「週1日以上運動する」とした人は、男性はほぼ全ての年代で増加した一方、中学生から40代までの女性は減少し、特に19歳女性は46%から34%に大きく落ち込んだ。
同庁は女性が気軽に運動できる環境づくりを進める方針。
幼児期に外遊びの頻度が高かった小学生ほど、運動習慣が身に付き体カテストの合計点が高い傾向かあり、幼児期の運動の重要性が改めて確認された。
運動不足は糖尿病や心臓血管系の病気といった健康問題を引き起こす。
高齢者の体力状況は好調に推移しており、医療費の抑制効果も期待できる。
一方、女性の運動実施率が低迷したのは、社会進出が進んだことに加え、もともと男子より運動しない傾向にあり、近年の娯楽や趣味の多様化の影響を大きく受けた可能性がある。
企業なども巻き込み対策を進めるとともに、幼児期から体を動かす仕掛けをつくり改善につなげていくことが必要だ。
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