南極の氷河が、底の方に流れ込む温度の高い海水で温められて水になっていく仕組みを突き止めたと、北海道大などの研究チームが8月24日、科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版で発表した。
南極・昭和基地近くにある白瀬氷河での観測データを用いた。
チームによると、南極には地球上の氷の約9割があり、全てが水になると海面が約60メートル上がるとされる。
平野北海道大助教は「大量の真水が海水に流れ込むと、海の循環にも影響が出て、気候変動にもつながる」としている。
氷河は海に近い先端ほど次第に薄くなり、一部は海に浮いている。
この部分の氷が薄くなると、氷河をせき止める力が弱まって海に流れ出やすくなる。
白瀬氷河付近の海は厚い氷に閉ざされるなどしており観測が難しかったが、チームは南極観測船「しらせ」を用いて2017年1~2月に周辺の31点で水温や塩分などを観測することに成功。
また、氷河の先端部分に機器を設置して氷の厚さなどを調べた。
その結果、0度程度と比較的温度の高い海水が氷河の先端の下に流れ込んで、氷河は底の方から氷になっていることが分かった。
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