臨床は視診からはじまります。
場合によって、カーテンやドアの向こうから聞こえてくる足音を聞くことからということもありますが、ふつうは見ることからでしょう。
患者さんが入って来て、歩き方、立ち方、あいさつの仕方、座り方、問診中にお話しされるときの姿勢、身振り手振りなどの動きからそれとなく観察し、おおよその見当をつけて可動域検査などに入っていきます。
そのときみなさんは、どのようにして目を使っていますか?
どのような動きが理想なのか?観察する上での具体的なポイントなどは学校やセミナーで教わったり、テキストにも紹介されていたりします。
けれども、自分自身の目の使い方を学ぶ機会は、あまりないのではないでしょうか。
今回のテーマは、身体をみるときの「目」の使い方です。
異常な緊張や動きを見つけるための目の使い方、と言ってもよいでしょう。
とはいっても、これが正しいということではなく方法のひとつです。
ですからはじめは参考程度に試みて、しっくり来るようなら取り入れるようにしてみて下さい。
まず、身体をみるときは一点を見つめないようにします。
肩を診るときは肩だけ、腰を診るときに腰だけを見るのではないということです。
そのような見方をすると、その部分しか見えず、他の部位とのつながりを視覚的に捉えにくくなります。
野球でバッターボックスに入ったとき、ピッチャーの持つボールをジーッと見るでしょうか。
格闘技の試合のとき、相手の拳を凝視するでしょうか。
相手の目を見るという方法も教わることがありますが、これもにらむようにみるのではないはずです。
相手の全体をぼんやりと見ながら、相手の目など身体の一部に視点を落としておくように見る。
このような使い方をするのではないかと思います。
球技や格闘技をされる方、いかがでしょうか?
身体を診るときも同じようにします。
基本は、上下や左右の端を同時に見ながら、そのまん中に視点を落とすような感じです。
左右の肩を見ながら、のど元あたりに視点を落とす。
頭頂部と骨盤を同時に見ながら、胸椎あたりに視点を落とす、そのような感じです。
視点を「落とす」と書きましたが、あくまでイメージです。
「ただそこにある」という感じ。
「添える」「置く」そんなイメージでも構いません。
視線で「押す」のではなく、そっと「触れる」感じです。
難しく感じるなら「にらむ」の反対の見方と言ってもよいでしょう。
刺すように見るのではないのですね。
あるいは相手を通り越して、その後ろ側を見ているという感じでもよいかもしれません。
自分にとって馴染みやすいイメージを使うようにしてください。
このような目の使い方をすると、全体がより見やすく、また異常な部位や動きを見つけやすいように感じます。
見つけやすいというより、違和感を持ちやすくなるという感じでしょうか?
だからといって、目の使い方を変えただけで急に異常な部位がわかるようになる、というわけではありません。
もともと感覚が鋭ければ、さほど身体のことを勉強しなくても、ピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。
でもそうでない場合は、理想的な動きを学んでおく必要があるでしょう。
その動きが頭の中でイメージできているから、それから大きく外れた動きを見たとき違和感を持てるのだろうと思います。
もしくはとにかく場数を踏むことで、何となく平均的な動かし方を感覚的に覚えていく場合もあるでしょう。
スポーツや武道などは、感覚的に覚え込むまで練習し、場数を重ねて身につけるということが多いかもしれません。
ただ、まったく経験のないうちから、このような見方をする必要はありません。
触診でも慣れないうちは、目標をしっかり見ながら練習するようにしましょう。
ある程度、臨床に慣れて余裕が出てきた方で、これまで目の使い方を意識などしたことがなかったという方、ものは試しと思って練習してみてはいかがでしょう。
はじめのうちは、ピンと来にくいかもしれません。
でも根気よく続けていれば、ある日これまで解けなかった問題が突然わかるような感じで、「何だかこのへんが気になるなぁ」という感じでみえるようになっていきます。
もしも、なかなかこの目の使い方が上手くいかないようなら、次回ご紹介する方法で練習してみてください。
次回は11月29日(土)更新です。
場合によって、カーテンやドアの向こうから聞こえてくる足音を聞くことからということもありますが、ふつうは見ることからでしょう。
患者さんが入って来て、歩き方、立ち方、あいさつの仕方、座り方、問診中にお話しされるときの姿勢、身振り手振りなどの動きからそれとなく観察し、おおよその見当をつけて可動域検査などに入っていきます。
そのときみなさんは、どのようにして目を使っていますか?
どのような動きが理想なのか?観察する上での具体的なポイントなどは学校やセミナーで教わったり、テキストにも紹介されていたりします。
けれども、自分自身の目の使い方を学ぶ機会は、あまりないのではないでしょうか。
今回のテーマは、身体をみるときの「目」の使い方です。
異常な緊張や動きを見つけるための目の使い方、と言ってもよいでしょう。
とはいっても、これが正しいということではなく方法のひとつです。
ですからはじめは参考程度に試みて、しっくり来るようなら取り入れるようにしてみて下さい。
まず、身体をみるときは一点を見つめないようにします。
肩を診るときは肩だけ、腰を診るときに腰だけを見るのではないということです。
そのような見方をすると、その部分しか見えず、他の部位とのつながりを視覚的に捉えにくくなります。
野球でバッターボックスに入ったとき、ピッチャーの持つボールをジーッと見るでしょうか。
格闘技の試合のとき、相手の拳を凝視するでしょうか。
相手の目を見るという方法も教わることがありますが、これもにらむようにみるのではないはずです。
相手の全体をぼんやりと見ながら、相手の目など身体の一部に視点を落としておくように見る。
このような使い方をするのではないかと思います。
球技や格闘技をされる方、いかがでしょうか?
身体を診るときも同じようにします。
基本は、上下や左右の端を同時に見ながら、そのまん中に視点を落とすような感じです。
左右の肩を見ながら、のど元あたりに視点を落とす。
頭頂部と骨盤を同時に見ながら、胸椎あたりに視点を落とす、そのような感じです。
視点を「落とす」と書きましたが、あくまでイメージです。
「ただそこにある」という感じ。
「添える」「置く」そんなイメージでも構いません。
視線で「押す」のではなく、そっと「触れる」感じです。
難しく感じるなら「にらむ」の反対の見方と言ってもよいでしょう。
刺すように見るのではないのですね。
あるいは相手を通り越して、その後ろ側を見ているという感じでもよいかもしれません。
自分にとって馴染みやすいイメージを使うようにしてください。
このような目の使い方をすると、全体がより見やすく、また異常な部位や動きを見つけやすいように感じます。
見つけやすいというより、違和感を持ちやすくなるという感じでしょうか?
だからといって、目の使い方を変えただけで急に異常な部位がわかるようになる、というわけではありません。
もともと感覚が鋭ければ、さほど身体のことを勉強しなくても、ピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。
でもそうでない場合は、理想的な動きを学んでおく必要があるでしょう。
その動きが頭の中でイメージできているから、それから大きく外れた動きを見たとき違和感を持てるのだろうと思います。
もしくはとにかく場数を踏むことで、何となく平均的な動かし方を感覚的に覚えていく場合もあるでしょう。
スポーツや武道などは、感覚的に覚え込むまで練習し、場数を重ねて身につけるということが多いかもしれません。
ただ、まったく経験のないうちから、このような見方をする必要はありません。
触診でも慣れないうちは、目標をしっかり見ながら練習するようにしましょう。
ある程度、臨床に慣れて余裕が出てきた方で、これまで目の使い方を意識などしたことがなかったという方、ものは試しと思って練習してみてはいかがでしょう。
はじめのうちは、ピンと来にくいかもしれません。
でも根気よく続けていれば、ある日これまで解けなかった問題が突然わかるような感じで、「何だかこのへんが気になるなぁ」という感じでみえるようになっていきます。
もしも、なかなかこの目の使い方が上手くいかないようなら、次回ご紹介する方法で練習してみてください。
次回は11月29日(土)更新です。
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