続いて、刺激を加える方向が 「筋筋膜」 に沿っていて、「自動介助運動」 で行うテクニックです。
「系統別・治療手技の展開」では、筋肉エネルギーテクニックがこれにあてはまります。
筋肉エネルギーテクニックの基本的な考え方は、徒手的テクニックの使い分け4「関節面への自動介助運動」でお話しした内容と同じです。
それ以外のテクニックとして、PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation:固有受容性神経筋促通法)や、日本で考案された操体法なども含まれるでしょう。
このカテゴリーのテクニックで大切なのは、患者さんが力を入れて行う運動を、セラピストはしっかりコントロールしておくということです。
これだけなら「関節面への自動介助運動」と同じになりますが、ここではとくに動きを誘導することがポイントです。
また、異常を起こしている、もしくは関与している部位に、きちんと力が入っているかをモニターしておく必要もあります
テクニックのかたちだけ覚えて、ただ漫然と行っても効果のムラは大きくなります。
これは、あらゆるテクニックに共通することですね
そして、異常を起こしている部位を把握するのは触診です。
耳にタコかもしれませんが、大切だと思っているところなので何度も書きます。
まず、「まわりと比べて、かたさが強くなっているところはどこか?」 という意識で触診し、「どこか」を明らかにします。
続いてその 「かたさ」 が、 「どの範囲で」 「どの深さの」 「どの方向に」 存在するかを調べ、「解剖学的に何であるのか」 を判断します。
そして、テクニック実施中は可能な限り、その部位をモニターしてリリースしていくかをチェックします。
テクニック実施中の、患者さんのコントロールや組織質感の変化については 「等尺性収縮後リラクゼーションを触診で感じよう!その1」 のシリーズが参考になります。
以上の点さえ押さえて技術の練習を重ねれば、このカテゴリーのテクニックの習得はスムーズだと思います
さて前回、テクニックという 「木」 の幹は 「押す」 「引く」 「まわす」 であり、その先はすべて枝葉だとお話ししました。
だからといって『 枝葉の、こまごましたテクニックなんて覚える必要はない』 などという、とんでもないことを言いたいのでありません
幹しかない木は異様ですし、枝ぶりの良さは木には大切なので枝葉も必要です。
だから、さまざまなテクニックを学ぶ価値はあります。
私自身もそうしてきましたし、苦労してテクニックを考案・整備された先輩たちへも敬意も払っています。
ただ、学ぶ側の立場に立つと、ひとつのテクニックを1から10まで勉強して、また次のテクニックを1から10まで勉強するでは、効率が悪く余計な時間がかかってしまいます
時間がかかれば、その先にいる患者さんは、良くなるはずの機会を逃してしまうかもしれません。
これは、セラピストにとっても患者さんにとっても不幸なことです
そのようにならないよう、少しまとめておく必要があると思っています。
どれほどの独自性があったとしても、手技療法なら手で触れて身体を操作するという点では同じなので、少なくても半分は他のテクニックとの共通性があるはずです。
ということは、共通性のある1から5まで基礎としてみっちり押さえておけば、他のテクニックを学ぶときは、残りの5から10を覚えれば済むということになります
そうすることで、小手先の違いに目を奪われず、考案者が主張するオリジナルな視点を素早く吸収でき、本質的なところをより深く学ぶことができるのではないでしょうか。
また、共通性のある基礎を整備することによって、他のテクニックとの関連性を感覚的に理解しやすくなり、テクニックどうしがバラバラにならず、連続性を持ったものとなります
さらに、共通する基礎を整備することによって、たとえば私たちが2年かかって習得したことを、後進の人たちは頑張れば1年で習得できるようになるかもしれません
可能・不可能はともかく、こうなるように努力することは、私たちの代の責任だと思います。
そして、後進の人たちは1年早く習得したものを、さらに進歩させるか、あるいは1年で学んだことを半年で学べるようにする。
これが後進の方々の責任です。
こうしてバトンをまわして、次々とつなげていけたらステキですよね
それに伴って、より多くの患者さんの力になることができます。
このようなところが、木の幹と枝葉を分けた理由です。
というわけで、今の私がつくりたいのは、前回お話しした手技療法に適した 「押す」 「引く」 「まわす」 の身体操作を整備することです。
掛け算なら 「九九」 の表にあたるものをつくれたらなぁ、と思っています。
でも基本的なところほど難しく、考えてはボツに、考えてはボツにを繰り返しています
手技療法の寺子屋「ASTRセミナー」「手技療法の基礎講座セミナー」のお知らせ
●9/26(日) 18:30~ 2時間セミナー 『手技療法に役立つ身体の使い方Ⅱ』
興味をお持ちの方は下記リンクをクリックなさって下さい。
くつぬぎ手技治療院「手技療法の寺子屋」
「系統別・治療手技の展開」では、筋肉エネルギーテクニックがこれにあてはまります。
筋肉エネルギーテクニックの基本的な考え方は、徒手的テクニックの使い分け4「関節面への自動介助運動」でお話しした内容と同じです。
それ以外のテクニックとして、PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation:固有受容性神経筋促通法)や、日本で考案された操体法なども含まれるでしょう。
このカテゴリーのテクニックで大切なのは、患者さんが力を入れて行う運動を、セラピストはしっかりコントロールしておくということです。
これだけなら「関節面への自動介助運動」と同じになりますが、ここではとくに動きを誘導することがポイントです。
また、異常を起こしている、もしくは関与している部位に、きちんと力が入っているかをモニターしておく必要もあります
テクニックのかたちだけ覚えて、ただ漫然と行っても効果のムラは大きくなります。
これは、あらゆるテクニックに共通することですね
そして、異常を起こしている部位を把握するのは触診です。
耳にタコかもしれませんが、大切だと思っているところなので何度も書きます。
まず、「まわりと比べて、かたさが強くなっているところはどこか?」 という意識で触診し、「どこか」を明らかにします。
続いてその 「かたさ」 が、 「どの範囲で」 「どの深さの」 「どの方向に」 存在するかを調べ、「解剖学的に何であるのか」 を判断します。
そして、テクニック実施中は可能な限り、その部位をモニターしてリリースしていくかをチェックします。
テクニック実施中の、患者さんのコントロールや組織質感の変化については 「等尺性収縮後リラクゼーションを触診で感じよう!その1」 のシリーズが参考になります。
以上の点さえ押さえて技術の練習を重ねれば、このカテゴリーのテクニックの習得はスムーズだと思います
さて前回、テクニックという 「木」 の幹は 「押す」 「引く」 「まわす」 であり、その先はすべて枝葉だとお話ししました。
だからといって『 枝葉の、こまごましたテクニックなんて覚える必要はない』 などという、とんでもないことを言いたいのでありません
幹しかない木は異様ですし、枝ぶりの良さは木には大切なので枝葉も必要です。
だから、さまざまなテクニックを学ぶ価値はあります。
私自身もそうしてきましたし、苦労してテクニックを考案・整備された先輩たちへも敬意も払っています。
ただ、学ぶ側の立場に立つと、ひとつのテクニックを1から10まで勉強して、また次のテクニックを1から10まで勉強するでは、効率が悪く余計な時間がかかってしまいます
時間がかかれば、その先にいる患者さんは、良くなるはずの機会を逃してしまうかもしれません。
これは、セラピストにとっても患者さんにとっても不幸なことです
そのようにならないよう、少しまとめておく必要があると思っています。
どれほどの独自性があったとしても、手技療法なら手で触れて身体を操作するという点では同じなので、少なくても半分は他のテクニックとの共通性があるはずです。
ということは、共通性のある1から5まで基礎としてみっちり押さえておけば、他のテクニックを学ぶときは、残りの5から10を覚えれば済むということになります
そうすることで、小手先の違いに目を奪われず、考案者が主張するオリジナルな視点を素早く吸収でき、本質的なところをより深く学ぶことができるのではないでしょうか。
また、共通性のある基礎を整備することによって、他のテクニックとの関連性を感覚的に理解しやすくなり、テクニックどうしがバラバラにならず、連続性を持ったものとなります
さらに、共通する基礎を整備することによって、たとえば私たちが2年かかって習得したことを、後進の人たちは頑張れば1年で習得できるようになるかもしれません
可能・不可能はともかく、こうなるように努力することは、私たちの代の責任だと思います。
そして、後進の人たちは1年早く習得したものを、さらに進歩させるか、あるいは1年で学んだことを半年で学べるようにする。
これが後進の方々の責任です。
こうしてバトンをまわして、次々とつなげていけたらステキですよね
それに伴って、より多くの患者さんの力になることができます。
このようなところが、木の幹と枝葉を分けた理由です。
というわけで、今の私がつくりたいのは、前回お話しした手技療法に適した 「押す」 「引く」 「まわす」 の身体操作を整備することです。
掛け算なら 「九九」 の表にあたるものをつくれたらなぁ、と思っています。
でも基本的なところほど難しく、考えてはボツに、考えてはボツにを繰り返しています
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