水素や電化、日本主導での技術開発目指す 経産省、次世代航空機社会実装計画を策定

経済産業省はこのほど、「次世代航空機開発プロジェクト」に関する研究開発・社会実装計画をとりまとめた。
新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）のグリーンイノベーション基金事業（次世代航空機の開発＝上限210億8千万円）を見据えて策定されたもので、新型コロナウイルス感染拡大の影響を最も受けた業種のひとつである航空業界では、2024年にようやくコロナ前の需要が戻るとみられている。ただし、コロナ後はハブ空港とローカル空港を結ぶような航空路線だけでなく、目的地間を結ぶ需要が増すとの見方もある。こうしたことから近距離便のグリーンイノベーションもターゲットのひとつとなる。
航空機のカーボンニュートラル対応については、国際民間航空機関（ICAO）や国際運送協会（IATA）の温室効果ガス低減に関する国際的な合意目標が存在し、SAF（持続可能な航空燃料）と合わせ、さらなる機体軽量化・エンジン効率化・電動化・水素航空機の開発などを組み合わせた野心的なイノベーションが必要になる。近距離便は水素や電化、長距離便は合成燃料などで対応するのが現実的といわれているが、こうした見方を覆すような技術革新が進むのかも注目だ。
なお、ジェット燃料油の代替燃料については、航空用途以外も含めて、「CO2 等を用いた燃料製造技術開発」プロジェクトにおいて取り扱うことになっている。

石油通信社

８月以降も段階的な協調減産緩和継続で合意 ＯＰＥＣ＋、毎月▲40万ＢＤ、来年９月まで

OPECプラスは18日、8月以降の協調減産について、毎月40万BDずつ緩和することで合意した。
OPECプラスの協調減産を巡っては、サウジアラビアとUAEとの間で減産終了時期と基準生産量を巡って対立。本来は7月1日に合意に至るはずだったが、度々の協議延期で暗礁に乗り上げていた。この間も調整が進められていたが、18日に急きょ合意に至った。

石油通信社

８月のガソリン内需はコロナ前の95％程度に 石油連盟会長、東京など緊急事態宣言発令で

石油連盟の杉森務会長は、16日の定例記者会見でこの先の原油価格（ドバイ原油）について、「70ドル台で推移するだろう」との認識を示したほか、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されるなど、全国で新型コロナウイルスの新規感染者が増加している状況をふまえ、「（ENEOSとして）7月のガソリン内需は前年比101％（前々年比95％）、お盆を含めた8月のは前年比100％を超えるが、前々年比では95％程度で推移するのではないか」との見解を示した。
なお、記者会見の冒頭、杉森会長は静岡県熱海市をはじめとする全国各地で豪雨による被害が発生していることに触れ、「お亡くなりになられた方々のご冥福と、被災された方々にお見舞いを申し上げたい」と述べ、「今回の災害で石油製品の供給に支障が出なったが、引き続き安定供給に努めていきたい」とあらためて語った。

石油通信社

ガソリンは前年比99％、前々年比93％ ７月上旬販売動向、経済回復未だ途上

本紙推計による石油元売会社の7月上旬（10日時点）の石油製品販売動向によると、ガソリンは前年同期比99％と前年を下回る出足となっている。前々年比では93％とみられる。
7月上旬のガソリン販売は、今年、前年とも新型コロナウイルスによる需要への影響を受けているが、前年は感染第1波（4月後半～6月前半）と第2波（7月後半～9月前半）の端境期に当たり、経済活動が再開されたことでガソリン需要も回復基調にあった。当時は冬場まで感染が落ち着くという楽観的な見方も多く、国内の人の動きが活発化していたが、7月後半になると新規感染者が再び拡大し、日本経済は本格的なコロナ禍に向かうことになった。
日本経済はコロナ禍に陥り1年以上が経過したが、繁忙期を除いたガソリン需要は前年の水準を超えることが少なく、未だ経済回復の途上にあることがわかる。

石油通信社

７週ぶりに値下げ、市況是正の猶予は１週間 元売週仕切、油価反発で来週は値上げ通知も

石油元売各社の7月第3週から1週間の仕切価格は、原油コストが一時的に反落したことで7週ぶりの値下げ通知となるほか、改定幅は▲0.5～▲1.0円で7週ぶりに対応が分かれた。
先週から今週にかけての原油価格は、欧州など一部地域での新型コロナウイルス感染再拡大の影響で反落する局面があったことや、一時的な円安が重なったことで下落している。感染再拡大の要因は、デルタ株の影響で、世界的な新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中でも新規感染者が拡大する兆候が見られるが、重症者は減少傾向にあり、石油需要が大幅に落ち込んだ昨年のような状況には陥らない見通し。足下の油価は反発しており、来週は再び値上げとなる可能性がある。

石油通信社