石油元売各社の2月最終週から1週間の仕切価格は、各社が指標としている原油コストが続伸していることから、各社とも全油種・前週比1.5円値上げを通知している。値上げは2週連続となり、累計値上げ幅は2.0円となった。先週までの原油価格は、新型コロナウイルスによる世界経済への影響を懸念する見方から軟化傾向が続いていたが、OPECプラスの追加減産や米国の経済指標が好調なことが下支えとなり、さらに米国の株価上昇にあわせて反発。急激な円安が進んだことで石油元売各社が指標としている原油コストを押し上げた。
今週の原油価格は、新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済の減速が強く懸念されていることで下落。さらに世界的な株価急落のあおりを受けて油価の下げ幅が拡大している。足下の為替は円高に振れていることで、現時点での原油コストは2円近く下落しており、来週は値下げとなる可能性がある。他方で来週はOPEC総会を控えており、ロシアを含めた追加減産など合意内容によっては油価が反転する可能性があり、仕切価格はしばらくジグザグ改定となる可能性がある。
石油通信社