昨年末の原油価格の急落は、石油という資源が宿命的に国際情勢を抱え込み、その複雑さや不透明さが増していることを改めて認識させた。エネルギー関係のビジネス現場で長い海外勤務をした経験を活かして、石油の国際情勢を独自の視点で分析するエネルギーアナリストの岩瀬昇氏に聞いた。
石油通信社
石油通信社
石油連盟の月岡隆会長は、22日の定例記者会見で21日夜に北海道胆振中東部で発生した最大震度6弱の地震について触れ、「まずは負傷された方にお見舞い申し上げたい。製油所や油槽所は大きな被害がなく、通常出荷中だが、一時的ではあるもののSSに行列ができた」と説明し、「安倍首相は1月末の施政方針演説で今後3年間で国土強靭化に集中的に取り組み、SS8000ヵ所への自家発電機設置に言及したことを我々石油業界はしっかりと受け止めていかなければならない。製油所や油槽所でも自家発電機の設置と耐震・液状化対策などの強靭化を進めており、安定供給に万全を期す取り組みを進めているところだ」と語った。さらに石油業界の災害時対応について「我々は、災害時においても平時と変わらぬ供給体制を構築することを目指しており、訓練などを重ねて課題を見出し対応していく。他方で全石連との満タン+灯油1缶運動が消費者の皆さんに浸透していれば、災害時のSSの行列は緩和されるはずだ。石連ではこうした活動を進めるとともに、SNSを通じて在庫状況など無用な混乱を避けるための情報発信の準備を進めているところだ。防災の取り組みは避けて通れない」と強調した。
石油通信社
石油通信社
本紙推計による2月上旬(10日現在)の石油元売販売動向によると、灯油は引き続き暖冬傾向で販売が伸び悩んでいるほか、ガソリン、軽油、A重油とも低調なスタートとなった。このうち灯油は前年同期比76%と1年で最も寒い時期にもかかわらず、極めて低調な出足となった。今年は暖冬傾向が続き、北海道を除き寒さが長続きせず、特に西日本では本格的な需要が訪れないままシーズンを終える可能性が強まっている。これに好調だった前年の反動も加わり、2月上旬の灯油販売は大幅な落ち込みとなった。
石油通信社
石油通信社