日本船主協会は26日、「2050年GHG(温室効果ガス)ネットゼロへの挑戦」を発表し、アンモニアを燃料とする外航船を中心とした建造を進めるとともに、こうした方針を掲げることで、今後、パリ協定をふまえてIMO(国際海事機関)が示す目標に向けた動きをリードするなど、世界の海運業界を牽引する取り組みを加速させることにした。
まずは2050年GHGネットゼロを達成するために、電動船や蓄電池などを含めた様々な分析を行った結果、「カーボンリサイクルメタン(CRメタン)」「水素」「アンモニア」の3つを「有力視される新燃料」とし、「LNG(液化天然ガス)からカーボンリサイクルメタンに移行するシナリオ」と、「水素・アンモニア燃料拡大シナリオ」の2つのシナリオを想定。このうち水素は短距離輸送向けとし、長距離輸送にはアンモニア燃料が最も有力な燃料と想定。日本の船会社が所有する外航船は2240隻(外国船籍を含む)だが、毎年約100隻ずつアンモニア燃料船などに置き換える必要があり、毎年約1兆円の建造費が必要になると試算。インフラを含めると、2050年までに数百兆円規模の投資が必要になると試算した。
日本船主協会の池田潤一郎会長(商船三井会長)は、「2050年まで待ったなしの状況にある」と2050年GHGネットゼロ達成に向けて意気込みを示した。
石油通信社