対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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新刊棋書情報「依田流 並べるだけで強くなる古碁名局集」

2008-06-25 21:30:55 | 棋書
依田ファンのための古碁名局集」といったところの
MYCOMの新刊「依田流 並べるだけで強くなる古碁名局集」。

構成は内藤由起子氏。
同じコンビで出版したフローラル出版の
勝負の極意
の古碁版と考えれば、当たらずとも遠からずだと思う。

依田プロの言ったことをそのまま文章に起こした感じで、
10譜以上を裂いて解説している局もあれば、
4譜程度の局もあったりとバラバラ。
全体としてはヨセに関しての解説はほどんどなく、
大体が中盤の頭に関するもの。
一応全局、総譜が2譜にわけて収められている。

時代は道策から呉清源まで。
「道策生涯の一局」「耳赤の一局」「院社対抗戦」「鎌倉十番碁」など、
著名どころもセレクトされている。
「丈得」の碁がないのは、「泰然知得」を考慮したものか。
流石に面白そうな棋譜が選ばれているが、
棋譜そのものの目新しさはそれほどなく、
コレクター向けとはいえない。
やはり依田プロの解説が目玉といえる。

しかし
「従来の解説にない独自の解釈もいれた」
とあるその解説は、変化図も少なく読者に伝えようという工夫は全くしていない。
依田プロの「感覚」だけを開帳していて、私には消化不良。
従来の古碁を扱った本と同じようなものを期待すると、
ガッカリするだろう。

挿入されているエッセイも、面白いけれど字が大きいし、
「神の声が聞こえる」
などぶっとんだところも少なくない。

「考えるな、感じろ(並べろ)」
というのが、この本の基本コンセプト。
そこに賛成できるかどうかで、本書の評価はわかれると思う。