対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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定石知らずの棋聖?

2007-03-01 23:55:55 | 雑談
「プロは定石を知らない」とはよく聞く。
知らなくても正確に打てば、それが定石に合致してしまうというわけ。

程度の差はあると思うのだが、山下棋聖の場合それが顕著なようで、28日の朝日新聞夕刊によると、定石の一手一手を対局の度に読んでいるそうだ。
最近タイトル戦で不利とされる変化に踏み込んだのも、案外読みに任せて踏み入ってみたら、思わぬ森の中に迷い込んでいただけという面もあったのかも?

これは素人目には、エライ時間の無駄に感じられる。
しかしそれでも勝てるのだから、やはり国内では地力が違うと感心してしまうが。

ところがこれが早碁や世界戦に弱い要因と目されているとなると、話は一転する。
持時間が3時間と少ない上、中韓の棋士は定石の研究を中盤近くまでしているらしい。
ましてや地力も良い勝負(?)なのだから、これでは勝ちづらかろう。

勝っていれば特に文句も言われることもないのだろうが、何かを曲げないためには信念と背景がいる。
最早「日本のタイトル」ではその背景と成り得ない以上、山下棋聖がもし今のスタンスを貫き通すならば、いち早い世界戦の実績が必要に思われる。
逆に言えばノビしろがあるとも言えるが、早碁で勝負出来る時間は棋士人生の中でも限られた時期だけ。
あまり意固地になっても、仕方ない気もするが…。

昔大平プロと坂田プロのタイトル戦で、坂田プロが大平プロの考慮中に週刊誌を読み始め、大平プロが
「よそ見をしながら打たれてしまった」
と嘆いたことがあった。
ハッキリ言ってバッドマナーだが、これが大坂田がやると
「さすが貫禄が違う」
という感想も出てくるのだから不思議。

結局プロの世界では何でも、「勝てものがエライんだ」に帰着するという側面があることは否めないだろう。