東アジア歴史文化研究会

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう
歴史の書き換えはすでに始まっている

日本人の生き方、祈り方 日本人は「祈り」と「天命追求型」の民族

2023-12-11 | 日本の素晴らしい文化
■1.神社は「願う」場所ではなく「祈る」場所 お正月に神社に初詣に行った人も多いと思うが、何をお祈りしただろうか。筆者は昔から神社で個人的なお願いをするのは、よくないのではないかと考えていた。 たとえばたまにしか合わない相手が、あなたに会うたびに「あれをしてください」「これを頼みます」とお願いするばかりだったら、神様だって「いい加減にしてくれよ」と思うだろう。 それよりは会うたびに「お陰様で . . . 本文を読む

聖徳太子は仏教の言葉で日本古来の理想を語った 日本人の持つ平等感、自然との一体感、子孫への思いやりは、太子が残した日本の「根っこ」(伊勢雅臣)

2023-10-17 | 日本の素晴らしい文化
■1.聖徳太子は仏教の言葉で日本古来の思想を語った 「当時権力をにぎっていた蘇我氏や聖徳太子が、新しい政治体制をつくろうとする中で仏教の受容を進めた」というのが、山川出版社の『中学歴史 日本と世界』(R4発行)の記述です。 これはこれで間違いではありませんが、国際日本文化研究センター名誉教授・梅原猛氏の3500枚もの大作『聖徳太子』を読むと、歴史の表面をさっと撫でただけの皮相な説明であると感じ . . . 本文を読む

聖徳太子 本当は何がすごいのか?(東北大学名誉教授 田中英道)

2023-06-08 | 日本の素晴らしい文化
重要な7世紀の思想、精神の問題をお話ししたいと思います。聖徳太子がなぜ聖徳なのか、聖なる、あるいは徳が高い人なのかということです。 『十七条憲法』を彼が作ったことは皆さんもご存知だと思います。第一条に有名な「和を貴べ」という言葉を使っています。 現代というのは弁証法、対立を作り出す。これは西洋からきた論理です。否定、肯定を組み合わせ、議論をするということが近代以降の議論の方法、考え方です。 . . . 本文を読む

行基 ~ 民による瑞穂の国づくり(伊勢雅臣) 行基は各地での大規模な水田開拓事業を通じて、民すなわち大御宝が国を支えあう姿を実現した。

2023-06-07 | 日本の素晴らしい文化
■1.「利根川の東遷」「淀川の西遷」利根川は群馬県から東に流れ、銚子のあたりで太平洋に注ぎます。しかし、江戸時代以前は、江戸湾(東京湾)に流れ込んでおり、ひとたび洪水を起こすと頻繁に水路が変わり、流域は度重なる水害に襲われていました。これでは安心して住むこともできず、田畑の耕作もできません。そこで江戸時代初期に60年もかけて現在の水路に変更されたのです。この「利根川東遷事業」によって、江戸市中も安 . . . 本文を読む

世界に遺された縄文人の足跡 南太平洋のバヌアツ、南米エクアドルなど、世界各地で縄文土器が発見されている(国際派日本人養成講座)

2023-01-09 | 日本の素晴らしい文化
若狭三方縄文博物館で展示されているユリ遺跡の丸木舟https://www.town.fukui-wakasa.lg.jp/soshiki/wakasamikatajomonhakubutsukan/gyomuannai/955.html■1.縄文人は元祖「国際派日本人」!? 澤田健一氏の『古代文明と縄文人』という著書から、内容をご紹介しますが、澤田氏は「はじめに」で、こう慎重な前置きを述べていま . . . 本文を読む

聖徳太子が築いた日本の骨格 現代の日本の国家的危機は、聖徳太子が築いた骨格を崩しているところから生じている。(国際派日本人養成講座)

2022-12-06 | 日本の素晴らしい文化
■1.聖徳太子が直面した国家的危機 まず、当時の危機とは、以下のようなものでした。  (1)豪族間の争いによる国内の混乱 当時の日本は国家と言っても、豪族の連合国家でした。その中で天皇家の力が衰え、蘇我氏や物部氏などの有力豪族が権勢を伸ばし、互いに勢力争いをしていました。それにより国政が非常に乱れました。  (2)仏教導入か、否かの対立 大陸の先進文明として仏教を受容 . . . 本文を読む

聖徳太子は仏教の言葉で日本古来の理想を語った 日本人の持つ平等感、自然との一体感、子孫への思いやりは、太子が残した日本の「根っこ」。(国際派日本人養成講座)

2022-12-05 | 日本の素晴らしい文化
■1.聖徳太子は仏教の言葉で日本古来の思想を語った 「当時権力をにぎっていた蘇我氏や聖徳太子が、新しい政治体制をつくろうとする中で仏教の受容を進めた」というのが、山川出版社の『中学歴史 日本と世界』(R4発行)の記述です。 これはこれで間違いではありませんが、国際日本文化研究センター名誉教授・梅原猛氏の3500枚もの大作『聖徳太子』を読むと、歴史の表面をさっと撫でただけの皮相な説明であると感じ . . . 本文を読む

〈官製エネルギー危機〉 核融合は手の届く所にある 設計、材料、制御…主要な課題に解決の見通し 何としても日本の手でやり遂げ新たな基幹産業に

2022-09-21 | 日本の素晴らしい文化
2022.9/19 三菱重工が公開した核融合実験炉ITER用の世界最大級となるトロイダル磁場コイル初号機(手前)=。2020年1月、兵庫県明石市 たゆまぬ技術開発により、太陽のエネルギーを再現する「核融合」は今や夢物語などではなく、手の届く技術になった。設計、材料、制御などの主要な課題はすでに解決の見通しが立っている。 いま国際協力で、「核融合実験炉(ITER=イーター)」の建設がフランスで . . . 本文を読む

「ヨーロッパの庭園」と「日本の庭園」の根本的違い(田中英道 東北大学名誉教授)

2022-09-08 | 日本の素晴らしい文化
私は、日本文化の根底は神道の自然信仰にあると考えています。「やまとごころ」とよんでいるのですが、端的にいえば、神道が人々の生き方や道徳をまとめているといってもいいと思うのです。それは、自然の豊かさ、温和については、自然に任せればいいという思想です。自然を何とか工作しようとか、撃退しようなどということは考えず、自然の持つ力の大きさを考えざるを得ない、学ばざるを得ないということがあるわけです。これは、 . . . 本文を読む

縄文人のこころ ~ 日本人の「三つ子の魂」(伊勢雅臣) 人類学、宗教学など、様々なアプローチから明かされつつある縄文人の精神は、現代日本人の原型

2022-08-28 | 日本の素晴らしい文化
■1.「自然と共生してきた日本文化の原点、日本人の原像」 2021年、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産に登録されました。 当時、産経新聞は評価されたポイントをこう紹介しています。 なかでも評価されたのは縄文文化の高い独自性である。世界では、農耕・牧畜が始まって、移動生活から定住生活に移ることが多い。 ところが日本では、稲作が伝わる前に縄文人は狩猟や採集生活をしながら定住していた。豊 . . . 本文を読む

「お陰様」と「おもてなし」 そこから生まれる清き明るい心持ちが幸福への近道であることを、我々のご先祖様たちは知っていた(国際派日本人養成講座)

2022-08-22 | 日本の素晴らしい文化
■1.「おもてなし」と「サービス」の違い 山村明義氏の近著『日本人はなぜ外国人に「神道」を説明できないのか』[3]で、日本のおもてなしと欧米のサービスとの違いをこう述べている。 欧米のキリスト教社会の「サービス」は、「私」と「あなた」、つまり個人と個人の関係をハッキリさせた上での「行為」です。 一方、「おもてなし」は、「私」が「あなた」に「成りかわる」ことによって相手への好意を表す日本独自の「 . . . 本文を読む

最澄の仏教再生〜日本人の生命観に根ざした日本人のための仏教へ 最澄は日本人の自然観、人間観に根ざして、インド仏教を日本人のための仏教に再生した(国際派日本人養成講座)

2022-08-15 | 日本の素晴らしい文化
琵琶湖から見た比叡山 ■1.奈良の大仏は、生きとし生けるものすべてを救うため 昨年、奈良の大仏を参拝した時のことです。巨大な大仏のまさに「お膝元」に聖武天皇の大仏造立の詔(みことのり)が掲示されており、その中に、心惹かれる言葉がありました。原文と現代語を掲げると次のようになります。 誠に三宝の威霊に頼り、乾坤(けんこん)相泰(あいやすら)かに万代の福業を修めて動植咸(ことごと)く栄えんことを . . . 本文を読む

『日本の美学』執行草舟著(実業之日本社) ウクライナ戦争を横目に、本書を読むとものごとの本質がみえてきた 愛と憎しみの大地で「神は死んだ」。日本の武士道も死に絶えようとしている

2022-07-03 | 日本の素晴らしい文化
おりからロシア v ウクライナ戦争の原稿を評者(宮崎)は書いていた。キリスト教が分裂し、東ローマ帝国が崩壊した後、ヴィザンツの東方正教会の教えはポスポラス海峡を越えて、アナトリア半島から北東へ向かい、アルメニア、グルジア、ウクライナからロシアへ達した。 他方、ポーランドはカソリックであり、その昔、ポーランド領だったウクライナの西側はカソリックが強い。憎しみがうずまくウクライナのカソリックvs東部 . . . 本文を読む

『教科書で教えない世界神話の中の『古事記』『日本書紀』入門』鎌田東二著(ビジネス社) 『古事記』はスペクタクル映画、『日本書紀』は神話のアーカイブ 西洋の神話と日本の神話を比較。根っこが違う

2022-06-25 | 日本の素晴らしい文化
著者は宗教思想家として知られ、サブカルにも詳しい学者だ。 氏の縁戚にあたる鎌田純一氏は『先代旧事本記』の研究家だったという。血筋は争えないものなのか、著者の鎌田東二(京都大学名誉教授)は世界の神話比較を通じて、日本の神話との類似、その発想の根源にある人間の営み、夢の具象化、英知の凝固を読む込んでいく。 従来の古事記、日本書紀研究は主として文献学、語句の意味、神々の体系化、当時の編者たちの政治的 . . . 本文を読む

「人民の本当の幸福の姿」を実現した村落共同体 米国初代領事ハリスが賛嘆した「人民の本当の幸福の姿」を実現したのは、高度な自治と助け合いの村落共同体だった(国際派日本人養成講座)

2022-06-07 | 日本の素晴らしい文化
■1.米国初代領事ハリスのみた農民の暮らし 渡辺京二氏の名著『逝きし世の面影』を読むと、幕末から明治初年のかけて来日した欧米人たちが、我々の先人たちの暮らしを見て驚いている様に、我々がかえって驚かされてしまいます。たとえば幕末、米国の初代駐日領事として伊豆下田に領事館を構えたタウンゼント・ハリスは、その地の住民が貧しく、生活するだけで精一杯だと述べた後、こう記しています。 それでも人々は楽しく . . . 本文を読む