韓国の反日はビョウキである。
このため日本中が嫌韓、悪韓、呆韓論に溢れて、まっとうに相手をしたくない雰囲気に満ちている。
しかし実際に韓国へ行って、ホテルは当然だろうが、町の中、地下鉄の中、下町のレストラン等々で、反日を肌で感じることは殆どない。日本にやってくる韓国人観光客をみても、燃えるような反日を表明する韓国人がいたら、お目にかかりたいほど。
ホンネは日本が羨ましくて仕方がないし、まさに日本はおとぎの国のようなイメージを持っている人が多い。
ところが集団になると、ヒステリー症状に陥るのだ。
日本大使館前、慰安婦像の前で当番をしていたテント村の女子学生に『日本から取材に来た』と言っても、「それが何か?」ってさらりと笑顔だった。
さらに評者の目撃したのは、ソウルでは毎週末に文在寅糾弾集会が、韓国の保守団体主催で開催されており、数万人から十万人が集まっている。メディアが一行も伝えないから知らない人が多いだろう(ただしコロナ禍を口実に、文政権は『五人以上の集会を禁止』としたため、現段階では集会もデモも行われていない)
反日というビョウキになぜ韓国は罹患したか? しかもその反日病原菌がまだなくならないのは何故か?
著者の崔三然氏が言う。
朝鮮半島は「重篤な混沌状態に陥っている。否、破滅寸前とも言える。国を失った悲劇は教訓として生かされず、李朝末期の混沌を彷彿とさせる各様各色の朝鮮半島の個疾的病弊は、李朝の亡霊に囚われたかの如くにその呪縛から抜けきれずにいる」
なぜこうなったか。
「北朝鮮の赤化統一戦略が、成功裏に進行中である理由は一つしかない。韓国がこれまた混沌状態であるからである。(中略)決定的な役割を果たしたのが、金大中、盧武鉉という二人の大統領である。彼らは、北と内通して韓国を北に併呑させるべく暗躍した民族の背倫児である」と激越な批判が最初から飛び出す。
「朝鮮半島は日本で言う封建時代を経験していない。日本の今日の発展の基礎には、封建制による国づくりの成果が大きい。それに反し、朝鮮半島では中央集権で一貫してきた。結果、不正腐敗が蔓延し、金権万能の社会風潮が猖獗を極めるのであるが、これでは、国民は政府を信用しないし、統治者に対する尊敬の念も湧かない」(88p)。
韓国では儒教の影響で「公」の概念より、父母への「孝行」が優先する。
ゆえに「横軸の協調よりは、縦軸の厳格な位階秩序が協調される」。
したがって「集団ヒステリーを起こしてそれに安住する中でエネルギーを発揮したり、その時どきの機会に便乗し衝撃的に行動したりする習性、原則より都合の良い自己判断優先主義、自分の未熟さや欠陥を素直に認めず他人に責任転嫁したがる習性、局面によって特定の人格を必要とする多重人格」となる。(89p)
韓国の反日病理を、理論的に分かりやすく説明しているが、この本の著者はれっきとした韓国人であり、しかも戦前は日本軍将校で、日本の武士道精神も持ち主である。昨年、92歳の天寿をまっとうされたが、直前まで「日本人は誇りを失うな、韓国人は誇りを取り戻せ」と呼びかけ、日本中を講演で飛び歩いていた。
さて本書には、もう一つ大事なことが書かれている。
池萬元氏が編者として作成された『五一八事件分析最終報告書』では、光州事件は北から600名以上の特殊軍団が送り込まれ、金大中と組んで、政府転覆を狙った陰謀だったことだ(115p)。
この重要な指摘は12年にわたっての分析、追跡調査。そして暴動写真に写った人物の写真照合で確定的になったのだ。しかも北からの工作員661名の写真照合の結果、もっと驚くべき事態が判明した。うち50名は偽装脱北者で、韓国で大学教授などの要職に就いているというではないか。まさにトロイの木馬。
だから著者は警告する。タリバン樹立のアフガンをみよ。
「もし韓国から米軍が去れば、政権は三日と持たないゾ」と。