大英雄チンギスハーンは、日本では「蒼き狼」となった。日本人のイメージは、井上靖の同題名の小説でうっかり定着した観があるが、これでは正確なチンギスハーン像が伝わらないと宮脇さんは言う。
ましてチンギスハーン=義経説という噴飯ものの珍説が意外とひろく広まっている。
関連して現代作家の司馬遼太郎、浅田次郎、北方謙三らの諸作が、歴史考証という視点からみて真実とは、巨大に乖離した創作であり、一種の印象操 . . . 本文を読む
内蒙古省の省都フフホトへ、評者(宮崎)はかれこれ三、四回ほど行っている。
同省の北は満州里、ハイラルからノモンハンの現場、西はパオトウからオルダス、さらに南の「チンギスハーン御陵」まで歩いているが、飛行機や汽車の乗換がフフホトのことが多いからだ。
数年前に行ったときに市内のホリディインに宿泊したが、その裏側がイスラム街だった。フフホトといえば、チベット仏教の僧院が建ち並び、日本と縁の深いお寺も . . . 本文を読む
6月28日、つまり米中首脳会談の直前に人民日報系の『環球時報』は書いた。
「ポンペオ米国務長官は『クレージー』だ。かれが世界を混沌とさせた元凶である。ポンペオが世界平和を脅かす存在であり、国務長官ふぜいで世界政治を混乱させている。かれがタカ派のなかのタカ派だ」云々と。このコメントはすぐさまCCTVに跳ね返った。
ほかにも中国のメディアは総合して、「トランプ政権内の一部の対中タカ派がトランプ政権 . . . 本文を読む
2019.06.29 (土)
安岡正篤氏は首相まで務めた宮沢喜一氏を「ヨコの学問はできてもタテの学問がなっていない」と評した。安岡氏は、真の教養ある日本人は欧米の事情のみならず日本の文化文明、歴史を修めなければならないと言っているのである。
その意味で近年読んだ本の中でとりわけ重要だと感ずるのが白鳥庫吉博士の書いた日本史である。当欄でも以前に少し触れたことがあるが、大正3(1914)年に開設さ . . . 本文を読む
2019.6.28
トランプ氏(左)は、安倍首相の悲願成就に協力したのか(AP)
ドナルド・トランプ米大統領が、「日米同盟の根幹」に関わる衝撃発言を放った。米テレビのインタビューで、日米安全保障条約に基づく防衛義務は一方的だとの強い不満を表明したのだ。米ブルームバーグ通信が直前、トランプ氏が「日米安保条約の破棄」に言及したと報じていただけに、この発言は深刻といえる。大阪で28日から開催されるG2 . . . 本文を読む
「われわれが押しつけた、あの憲法を日本はまだ守っているのか」と押しつけた憲法草案を起草したアメリカ人責任者その人が、日本人ジャーナリストのインタビューに答え驚いたそうな。さもありなん、押しつけた側は、あれは一時的占領基本原則のつもりだったのだから。
昨今の政界は改憲議論がやや遠のき、小手先の加憲論とか、国民投票の方法など枝葉の議論に時間を空費してきた。歴史原則にたち還ると、占領側が被占領国の基本 . . . 本文を読む
2019.6.25
野党を厳しく批判した三原氏 野党を厳しく批判した三原氏
自民党の三原じゅん子参院議員(54)による、大迫力の反対討論が話題となっている。野党4会派は24日、安倍晋三首相への問責決議案を参院に提出した。三原氏は本会議で、自民・公明与党を代表して反対討論に立ち、野党の姿勢を一刀両断したのだ。女優時代を彷彿(ほうふつ)させるドスの利いた演説の影響もあり、決議案は反対多数で否決された . . . 本文を読む
私は先の大戦の最後の年の昭和20年の元日の夜明けから、対日占領が終わった1年前にマッカーサー元帥が罷免され離日するまで、昭和天皇のご動静を、『週刊新潮』に昭和49年5月から50週にわたって連載した。
天皇を囲んでいた皇族、政府・軍幹部、侍従、身のまわりをお世話する内舎人(うどねり)、祭祀を介添えする掌典(しょうてん)、巫女の内掌典など160人以上に、克明なインタビューを行ったものだった。
. . . 本文を読む
2019.6.24
「米国は、外国当局が資金を洗浄し汚職を隠すための避難所ではない」
FBI(連邦捜査局)のデビッド・ボウディッチ副長官は昨年11月1日、ワシントンDCで行われた記者会見でこう語った。
米司法省は、国家安全保障局(NSA)に属する弁護士やFBIなどとの合作で、外国の腐敗勢力から米国に送金された資金を捜索、没収し、被疑者を捜査し起訴する「クレプトクラシー・アセット・リカバリー・ . . . 本文を読む
二日前にトランプ大統領がフロリダで来年の選挙に向けて選挙運動を行ったところ二万人の参加者を集める大集会となった。おまけにこの第一回の選挙運動で二千五百万ドルの献金が集まったと言う。
トランプに比較して民主党側は三か月前から選挙運動をしているにも拘らず献金額は人気トップのバイデンが千六百万ドル、二番目のサンダースは千五百万ドル、残りは千万ドル以下である。集会にしても数千人も集まればよい方でトラン . . . 本文を読む
2019.6.21
「利益奪取と権力闘争で、死ぬか生きるかの戦いをしている」
中国共産党のある高級幹部が、米ハーバード大学を訪れた際にこう吐露したことを、同大学のシニアフェロー、ウィリアム・オーバーホルト博士が昨年末、英BBCの番組で明かした。
オーバーホルト氏は著書『中国・次の超大国』(サイマル出版会)で、1995年にアジア太平洋賞特別賞を受賞するなど長年のチャイナ・ウオッチャーとして知ら . . . 本文を読む
2019.6.20
香港人は今、不退転の決意で「自由」と「民主」「法の支配」を取り戻すべく、独裁的な共産党権力と戦っている。並行して「お金」のことも心配している。銀行に預けている、なけなしの預金を引き出すことができるのか? 口座の解約はできるのか? 香港ドルを米ドルに換えることができるのか? 各自がそれを試しながら、SNSで情報を発信している。
ある香港人は、大規模デモが発生した直後、「香港ド . . . 本文を読む
2019.6.19
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は12日、地元テレビ局のインタビューで、共産党独裁の中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「『逃亡犯条例』改正案を撤回しない」ことを明らかにし、「自由」と「民主」「法の支配」を死守しようとする学生らによるデモを「組織的な暴動行為」と非難した。しかし、15日午後には、「審議を無期限延期する」と述べるなど二転三転している。
なぜか?
「 . . . 本文を読む
2019.6.18
香港の学生らによる、「自由」と「民主」「法の支配」を守る、決死の戦いが続いている。民主派団体は16日、「共産党独裁」の中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回と、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官の辞任を求めて、主催者発表で「200万人近く」(警察発表33万8000人)が参加する、過去最大のデモを香港中心部で実施した。「一国二制度」が形骸化しかねない危 . . . 本文を読む
2019.6.20
文大統領はどんな顔をしてG20に来るのか(ロイター)
予想される日本政府による韓国への対抗策
安倍晋三首相が重大決断を下した。来週、大阪で開催されるG20(20カ国・地域)首脳会合に合わせた、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との日韓首脳会談を見送る方針を固めたのだ。いわゆる「元徴用工」の異常判決をめぐり、日本政府は日韓請求権・経済協力協定に基づき「仲裁委員会」の設置を求めて . . . 本文を読む