kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

映画『ブリューゲルの動く絵』を観て

2011-12-23 23:21:55 | ヨーロッパ映画

11-90.ブリューゲルの動く絵
■原題:The Mill And The Cross
■製作年・国:2011年、ポーランド・スウェーデン
■上映時間:96分
■字幕:小野郁子
■料金:1,700円
■鑑賞日:12月23日、ユーロスペース

 

□監督・製作・脚本・撮影監督・音楽:レフ・マイェフスキ
□脚本:マイケル・フランシス・ギブソン
□撮影監督:アダム・シコラ
□衣装デザイン:ドロタ・ロクエプロ
□美術:カタジーナ・ソバンスカ、マルセル・スラヴィンスキ
□編集:エリオット・エムス、ノルベルト・ルジク
□音楽:ヨゼフ・スカルェク
◆ルトガー・ハウアー(ピーテル・ブリューゲル)
◆シャーロット・ランプリング(聖母マリア)
◆マイケル・ヨーク(ニクラース・ヨンゲリンク)
【この映画について】
闇に光を与えたキリストを葬ることは再び闇に支配を許すこと。しかし、人間は愚行を繰り返す一方で、何度でも立ち上がり、図々しいほどの逞しさで歴史を作ってきた。16世紀フランドル絵画の巨匠ブリューゲルの「十字架を担うキリスト」は、処刑地ゴルゴダの丘へ向かうキリストの道行を当時のアントワープを舞台にして描き出したユニークな傑作。その作品世界に入り込んで普遍的な人間の営みを活写してみせたのは、『バスキア』で原案・脚本を手がけたポーランドの鬼才レフ・マイェフスキ。デジタル技術を駆使した斬新で大胆な映像表現とダイナミックなサウンドに圧倒される。
出演は「ザ・ライト エクソシストの真実」「ホーボー・ウィズ・ショットガン」のルトガー・ハウアー、「わたしを離さないで」「スイミング・プール」のシャーロット・ランプリング。
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
16世紀のフランドルの夜が明け、農村の一日が始まる。若夫婦は仔牛を売りに出かけ、岩山の風車守りの家族は風車を回し小麦を挽く。だが、のどかな村の様子とはうらはらに、支配者は異端者を無惨に迫害していた。
アートコレクターのニクラース・ヨンゲリンクは画家ピーテル・ブリューゲルに、このあり様を表現できるかと問いかける。それに応えブリューゲルが風車の回転をとめると、すべての光景がぴたりと動きをとめた。するとフランドルの風景の中にキリストや聖母マリアらが過去から舞い戻り、聖書の「十字架を担うキリスト」の物語が始まるのだった……。

ブリューゲルの「十字架を担うキリスト」は、十字架を背負いゴルゴダに向かうキリストの受難の物語を、1564年のフランドルを舞台にして描き出した傑作。映画では数百人がひしめきあうこの絵画から、十数人にスポットが当てられ、彼らの当時の生活の様子と聖書の物語が絡み合いながら繰り広げられてゆく。
ブリューゲルが描いたこの絵の中のほぼ中央で十字架を背負っているのがキリストであるが、眼を凝らしてみないとこれがキリストであるとは分からない。そもそもこの映画には、この絵を分析した美術批評家マイケル・フランシス・ギブソン著「The Mill And The Cross」が原作となっている。
ギブソンはマイェフスキの作品に深く関心を寄せていて、彼に自著の「The Mill...」を贈ったのがこの映画化の始まりだったそうだ。マイェフスキはたぐいまれな想像力を発揮し、まるで一枚の絵画が動いているかのような絵画と映像の融合をCGを駆使して見事にスクリーンに投影した。

この映画はストーリーを楽しむと言うより、邦題にあるように「動く絵」そのものを観賞した人たちが如何にして楽しむかでしょうね。ここには主人公が雄弁にセリフで語るシーンは僅かで、無言のシーンが続きますが「ツリー・オブ・ライフ」で感じたような”苦痛”ありませんでした。
この画から当時のフランドル地方の苦しい生活が垣間見えるようで、そこにキリストの苦難を掛け合わせた解釈は我々日本人には理解するのが難しいですが、この映画の良い所は映像でそうした点を超越したことだと勝手に思いました。

『映画』 ジャンルのランキング
コメント   トラックバック (11)   この記事についてブログを書く
« 映画『源氏物語 千年の謎』... | トップ | 映画『ホーボー・ウィズ・シ... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ヨーロッパ映画」カテゴリの最新記事

11 トラックバック

十字架のシンメトリー レフ・マイフェスキ 『ブリューゲルの動く絵』 (SGA屋物語紹介所)
2012年最初に観た映画。しょっぱなからずいぶん風変わりな作品を観てしまいました
3★ブリューゲルの動く絵 (レザボアCATs)
’11年、ポーランド、スウェーデン 原題:the Mill and the Cross 監督・脚本: レフ・マイェフスキ 撮影: レフ・マイェフスキ、アダム・シコラ 音楽: ヨゼフ・スカルツェク キャスト: ルトガー・ハウアー、シャーロット・ランプリング、マイケル・ヨーク   ...
映画「ブリューゲルの動く絵」 (弐代目・青い日記帳 )
映画「ブリューゲルの動く絵」(原題:The mill and the cross)を観て来ました。 映画『ブリューゲルの動く絵』公式サイト http://www.bruegel-ugokue.com/ タイトルにある「動く絵」というコトバがもたらすワクワク感とは裏腹に、鑑賞後様々な事柄(とりわけ人...
3★ブリューゲルの動く絵 (レザボアCATs)
’11年、ポーランド、スウェーデン 原題:the Mill and the Cross 監督・脚本: レフ・マイェフスキ 撮影: レフ・マイェフスキ、アダム・シコラ 音楽: ヨゼフ・スカルツェク キャスト: ルトガー・ハウアー、シャーロット・ランプリング、マイケル・ヨーク   ...
ブリューゲルの動く絵 (映画とライトノベルな日常自販機)
★★★“その発想は無かったっていう映像表現にびっくりです” 映画は農民の牧歌的な暮らしの傍らで、スペインの傭兵がプロテスタントを異端者として次々に処刑していく様子が描かれています。 そして、その様子を屈辱的と怒りを抱きながら見届けるヨンゲリング、絵に様々...
ブリューゲルの動く絵 (愛猫レオンとシネマな毎日)
ブリューゲルは16世紀の画家で、「バベルの塔」や「十字架を担うキリスト」の 絵が有名です。 美術好きなので、見て来ました。 う~ん・・・どう書いたらいいんだろう・・・・ 映画の試みとしては、面白いと思ったけど 見てて、面白いとは思わなかった...
3Dよりも立体視できる美しさ。レフ・マイェフスキ監督、ルトガー・ハウアー主演『ブリューゲルの動く絵』 (映画雑記・COLOR of CINEMA)
16世紀フランドル絵画の巨匠ブリューゲルの傑作「十字架を担うキリスト」をポーランドの鬼才レフ・マイェフスキ監督が再現『ブリューゲルの動く絵』。出演はルトガー・ハウアー、シャーロット・ランプリング、マイ
『ブリューゲルの動く絵』(2011) (【徒然なるままに・・・】)
かなり期待して見ていたんですが・・・・・・度々睡魔に襲われました。。。 16世紀フランドルの巨匠ピーテル・フランドルの作品「十字架を担うキリスト」を題材にした群像劇、ということで良いのかな。絵の中には100人以上の人が描きこまれているようですが、その中の...
*『ブリューゲルの動く絵』* ※ネタバレ有 (~青いそよ風が吹く街角~)
2011年:ポーランド+スウェーデン映画、レヒ・マジュースキー監督、ルトガー・ハウアー、シャーロット・ランプリング、マイケル・ヨーク出演。
ブリューゲルの動く絵 (映画的・絵画的・音楽的)
 『ブリューゲルの動く絵』をDVDで見ました。 (1)本作については、本ブログのタイトルに「絵画的」と標榜しておきながら、都合がつかなくて見逃してしまい、ズット気になっていたところ(注1)、そのDVDが昨年12月に出され、TSUTAYAでもレンタル開始となったので、早速....
『ブリューゲルの動く絵』をユーロスペース2で観て、てめえふざけんじゃねえこの野郎ふじき★ (ふじき78の死屍累々映画日記)
五つ星評価で【★歴史の副読本ビデオじゃないっつーの】 むちゃくちゃつまらん。 基本的に話はない。 ブリューゲルの絵の中に入り込んで、 当時の日常生活を垣間見るだけと ...