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「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

ダウン症の H ちゃん、「指圧で脊椎側弯症が完治」と医師も認める

2016年01月21日 | 指圧の活動

 Hちゃん(女性・16歳)はダウン症です。2年前の春、整形外科で脊椎側弯症との診断を受け、ダウン症の日本における第一人者である主治医から、「指圧でなんとかできないか?」 と相談を受けました。私は数人ではありますが、以前から指圧で側弯症の改善や完治をした経験があります。しかも彼女は、まだ(当時)中学3年生です。側弯症は原因が解らず、小学生後半から成長が終わるまで(18歳くらいまで)進行していく可能性が強い病気です。整形外科では「一生治らない」と言われ、プラスチック製の装具(コルセット)を使うか、ひどくなれば外科手術をしなければならないのです。
 手術は背中や脇を切開して、椎骨を金属棒やネジ、フック、ワイヤーなどを組み合わせて矯正して止める大掛かりなものです。お母さんは、本人にとって苦しいコルセット装着に納得できず、もちろん手術はいや、「なんとか方法はないものか?」 と、医師に相談して私のもとに話がきました。私は、即座に「まだ15歳。何とかしてあげたい」と思い、申し出を受けることにしました。彼女の側弯症の角度は27度です。都内在住なので、川越までお母さんが運転しての来院です。

 初診時、圧し始めて私は、自分がウッカリしていたことに気がつきました。ダウン症の患者さんに多いと思いますが、異常なほどに緊張感が強く、身体を圧されると力が入り、体が硬くなってしまいます。彼女もそうでした。圧すこと自体が大変で、ほとんどのところが圧せない状態から始まってしまいました。指圧治療で「圧せない」となると最悪です。
 
少しずつ慣れてもらうまでかなりの時間を要しました。地道に、少しでも多く圧せるように…。必死にそのことだけを考えて、工夫しながら圧すので大変苦労しました。思うように圧せない苦労はありましたが、彼女独特の可愛さが救いで、指圧治療を続けることができたと思います。はじめは1ヵ月に2回の治療でした。その後、彼女が受験生なので、治療は受験が終わってから、 ということで小休止にしました。
 
 
高校に進学した去年の春から指圧を再開。この時点で側弯症の角度は17度に改善していることが整形外科のレントゲン検査で確認されました。子供は、大人と違い身体が改善の方向に向くと、病状がそれほど進まないことはよくあることです。また新しい学校は通学が遠路なのでそれだけでも疲れますから、指圧は月に1回ぐらいのペースで治療しました。それでも一回一回良くなって行くのが感じられましたが、昨年暮の1221日に、レントゲン検査で完治していることが確認されました。
 
レントゲン写真で見ますと、彼女の緊張感が最後まで取れなかったため、治療上大事な部分である鼠蹊部、第5腰椎と第4腰椎間が僅かな歪みが残っていたのですが、これが圧した感覚と同じなのがとても興味深かった。心身障害児総合医療療育センターの整形外科T医師が、「指圧で良くなった」と認めてくれたことを、私はもちろん皆で心から喜び合いました。
 
最後まで圧させてくれなかった鼠蹊部抜きの指圧治療 、これも私にとって初めての経験でした! 勉強になりました。 

 ところで去年の9月から、側弯症70度の方(女子)を指圧しています。「70度」というのはどんな状態なのか? 経験がない角度なので緊張して待ちました。なるほど、これは少々時間がかかる、と初診時に思いながら始めています。整形外科では、手術を勧められても仕方がないのです。彼女も、この暮の(1225)レントゲン検査で、「経過観察」 になりました。ご両親は、とにかく、手術を阻止したいと思い、来院されています。また報告します。

 写真が縦並びで見にくいかと思いますが、ご容赦ください。上から 順に、4枚を説明します。
① 2013年8月1日のレントゲン写真。立位27度です。
② コルセットを装着し11度に矯正。頸部が無残に曲がる。
③ 全身指圧を2週ごとに受けて半年経過。
④ 立位なので、これぐらいの歪みは問題ないと診断された。圧せなかった第4腰椎と、第5
 腰椎の間に少し歪みが残った。
【お断り】 医師からレントゲン写真のコピーをいただいたのですが、1・2枚目は写真が

転しているようなので左右が逆になっていますがご了承ください。また、写真を横に並べよ
うとしたのですがうまくできず、縦長に並べてしまいました。お見苦しいと思いますがよろし
くお願いします。









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