「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

脊椎側弯症38度の男児、基本指圧で改善にチャレンジ ③

2021年05月19日 | 指圧の活動

 5月1日、ダウン症の11歳男児に対し、脊椎側弯症の指圧治療第3回目を施療しました。彼の状況を少し落ち着いて観察できるようになり、やっと全体像の把握ができるようになりました。
 来院し、駐車場から支えられて治療室で横になるまでの様子を動画で撮って、繰り返し見ました。すると、コミュニケーションが上手く取れないと思っていたのは、自分の勘違いではないかと気づいた箇所があったのです。
 動画を見ていると、彼の行動はそれなりに意味のある動きだと分かってきました。私が、彼の表情や動きを理解できなかっただけかも知れません。言葉ではうまく言い表せませんが、どう見ても体では色々なことを表現していると思えてきたのです。お父さんの言葉が、「委ねていますね」と私の耳に響いてきます。

 基本指圧で「圧す順番・圧点」などは、彼の状況に合わせて変える。受け手の姿勢も臨機応変に整え、1点でも多く効率の良い圧が入ることのみに集中して行こうと決めました。
 この日、治療を終えて帰りぎわに、彼が私と視線を合わせてくれました。しかも2回もです。お母さんがそれを見ていたようです。「信頼を持つと、そうします」と話していました。
 今回の治療でいちばん問題だと思ったのが、圧し手と受け手、お父さんとお母さんの四者それぞれが一生懸命なのですが、皆の気持ちがなぜか1つになり切れていなかった。彼の行動に振り回されて、治療の方向性が明確になっていなかったように感じます。目標は、脊椎側弯症を改善することなのです。だがなぜか治療がうまく進まないので、実際に悩んでしまいます。

 大きな原因の1つは、両親の治療に対する意見の相違だと感じました。今まで受けてきた治療師の施術の影響でしょうか? 1回目・2回目の私の状況把握が甘かったこともあると思います。
 整形外科では「治らない」と言われている脊椎側弯症です。その改善を基本指圧で目指すためには、これらを整理することと、ご家族に納得してもらうことが大事だと思います。特に子供の治療は、成功する大前提に皆が、同じ気持ちで心を1つにして改善に向かうべきです。

 改めて指圧治療の出発点に立ち返っていきたい。心を1つにして、何も考えずにシッカリ圧したいと思いました。

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