今年の前半は新型コロナウイルスの猛威で、全てがあっという間に終わってしまった印象があります。毎日が経験のない時間感覚でした。何もせずにその間の6か月がなくなったようで、なんとも不思議です。
そんな中、コロナ騒ぎの最中ながらとても嬉しい出来事がありました。スタッフとして頑張ってきた加納慎一が、今年3月に独立開業したのです。国家試験合格後のおよそ4年間を、自分の技術を磨く期間として、練習生として当治療院に通っていました。
もちろん私は月謝など受け取ったことはありません。基本指圧を正しく伝えることができる若き指圧師に頑張ってもらいたい、ただその一念でした。彼もまたその後5年余を、治療院のスタッフとして勤めました。考えると足かけ9年、その彼が独立したのは私も胸に迫るものがあります。
振り返ると彼との出会いは2009年秋、私が日本指圧専門学校の講師をしたとき、聴講生として参加していたのです。「僕が目指すのはこれだ!」と思ったらしく授業後、私に「川越へ行ってもいいですか」と声をかけてきました。
半年後の2010年3月に指圧学校を卒業、国家試験の免許を取得した後さっそく訪ねてきました。彼の状況を考え、練習の時間的な工夫をしました。双方の状況を話し合った結果、私の治療院で勉強することになりました。
技術修得への道は週4回、アルバイトを終えて治療院に来て私の仕事が終わるまで雑用と少しのアドバイスを受けながら自主練習。最後に少し一緒に練習することと、研究会の練習会に参加することでした。
この挑戦は、2010年5月18日にスタートしましたが、途中からスタッフとして患者さんの指圧に携わり、今年3月に独立開業するまで続きました。
私としても何よりも嬉しい独立・巣立ちですが、なんとコロナ騒ぎの真っ只中になってしまいました。ところが彼曰く、「これ以上悪くなることはないから」。たいしたものだと思いました、この覚悟に心からエールを送ります。
「加納指圧治療院」は、西武鉄道新宿線の新所沢駅から徒歩6分で、広い公園に面して環境がよく、彼らしいこだわりのある治療院です。行った患者さんからは、好評価を受けていることをお伝えします。
皆さま、お近くにお越しのさいはぜひお立ち寄りください。