「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

「大学校」と「大学」の違い

2010年08月24日 | 雑感

 先日、若い女性看護師さんが治療所に見えました。  

 
この看護師さんは看護師養成の学校を卒業して、現在看護師として勤務していらっしゃいます。彼女のお話ですと、卒業した学校は厚生労働省所管なので大学卒業とは認められない。文部科学省所管の学校なら大学卒業になるので、そちらの大学に入学(編入)し直して、必要な単位だけを取得して大学卒業の資格を取りたい、という意向だったようです。

 ところが「必要な単位だけをとる」という方法が、以前には可能だったのですが、いまはできなくなってしまった。しかし1年生から全部の単位を取り直すのには、時間がなさすぎるのでこまっている、ということでした。

 卒業した学校は厚労省所管ということですから、おそらく「国立看護大学校」ではないでしょうか、そのほかには思い当りません。文科省所管以外はたしか学校教育法の大学ではないので、「大学」とは呼べない。だから大学校と称しているのでしょう。
 文科省所管の国公私立の看護系大学は数多くあります。ここを卒業すると、たとえ国立看護大学校よりうんと学力が低い学校でも、「大学卒業」ということになるんですね。

 これは「防衛大学校」の立場と似ているのでしょう。
 防衛大学校は防衛省の施設等機関で、やはり学校教育法第1条に定められている大学ではありません。よって呼称も、略称として防大、防衛大を使うのは差し支えないのですが、防衛大学は使えません。防衛大学校と言わなければならないのです。

 入校すると防衛省職員となり、勉学が「課業」ですから給料(学生手当)も支給されます。したがって、入学試験ではなく、「採用試験」が正式な呼称になっているようです。

 しかし卒業すると独立行政法人大学評価・学位授与機構から「学士」が授与されます。おそらく国立看護大学校もそんな方法があるのではないでしょうか。

 この日、彼女とともに防衛医科大学校の学生さんが来ました。この大学校も、システムはおそらく防衛大と同じに考えたらいいのでしょうか?
 しかも防衛大の偏差値が60前後といわれているのに対し、防衛医大は、70前後で、東京大学理科三類(いわゆる東大医学部)に匹敵、または準ずる難易度といわれ、学力のたいへん高い学校です。また全寮制で医師国家試験の合格率が高く、全国1位になることもあるのです。
 この「医師の卵さん」も、とてもしっかりした方で、きっといいお医者さんになって人のために尽くして下さるだろうと考えています。

 いずれにしても、戦後教育体系が戦前と比べて簡素化されたと思っていたのですが、まだまだ複雑な部分があるのですね。もっと簡素化できないものでしょうか。

 大学校についてひとこと書いてみますと、「金沢職人大学校」「名古屋建築技能大学校」「専門学校日産横浜自動車大学校」「千秋庵製菓短期大学校」「車検大学校」など、都道府県、市町村、株式会社などが設置しているものが無数にあります。
 そのほか商工会議所による設置(小樽観光大学校など)、宗教団体による設置(創価信濃大学校など)、個人による設置(北海道セールス大学校など)、とても数えられるものではありません。

 しかしこれらは、いずれも学校教育法に定められた大学ではないのです。何とも紛らわしい話だと思いませんか。

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