「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

日本古来の「鼻緒のある履物」、その素晴らしさを考え直しましょう

2015年05月31日 | 分類なし

 指圧を勉強して40数年になります。その上で経験的に言えることは、足指の第2指が萎えると、足の機能に不具合が出ることが多いということです。2、3の例を挙げてみます。

 ▲ ケース1
 市民ランナーのMさんは若い時から走ることが大好きで、何度も優秀な成績を挙げてきました。去年9月にはシドニー(オーストラリア)で行われた大会で、外国人に交じってシニアの部で見事1位になりました。快挙です。ところが帰国後、11月に別の大会に出ようとしたところ、後右内踝の痛みで走ることができなくなってしまいました。整形外科を受診しレントゲン検査を受けましたが、骨に異常はないということで、その外科で装具を注文し、それを使って走っていました。

しかし今年になっても痛みが改善しないので、指圧を取り入れることを考えたのです。基本指圧は、必ず全身圧すことで効果を上げます。Mさんの主訴は、右足首の下側の痛みでしが、右足指の第2指と第2中足骨の部分が萎えていました。その部分が上手く使えていないのです。右足首外側の痛みが足指の介助運動を紹介し、ご自宅では、布草履を履いてもらうことにしました。やっと今は走ることができるので、数ヵ月使えなかった筋力を強化しながら、以前のように納得できる走りを目指しています。

 ▲ ケース2
 教師を定年して2年、家庭菜園にハマっていたご婦人のHさん。指圧は月1回受けに来ていました。4月、右足首に痛みが走り「何もやってないのに」と納得できない様子で来院。なんと、彼女も第2指が浮いたような形になっていて、爪の色も気になります。
このケースは、1回の指圧治療で改善しましたが、ご自分で布草履を使ってみたいと、楽しみにされていました。自宅で布草履を履いてもらえば、足指はシッカリしますので、ぜひお試し下さい。

 ▲ ケース3
 Yさんは仕事のできる女性、いわゆるキャリアです。いつもスーツできちっと決めてスキがないようにみえます。しかし高いヒールの靴を履いているので足がかわいそうだ、と少々気になっていました。彼女は常に神経を使う仕事で、いつも首肩のコリに悩まされていました。この日は、不思議そうに、「左脚下腿外側から膝、大腿部辺りまで痺れるのです」と。なんと‼ 左足指第2指と第2指部分の足背部が萎えていました。痺れはやっかいなモノが多いのですが、全身指圧が終わって立った瞬間の彼女の顔が全てを物語っていました。長年指圧を受けて手入れが万全なのでしょうか、回復力が違うと思いました。1回でなんと、治ってしまいました。

 足の第1指と第2指の間に鼻緒を入れると、この2本の足指主導で歩くようになります。これは実は大事なことです。
以前、ヨーロッパ旅行をした時、旅行中を着物で通したことがあります。石畳の中世ヨーロッパの素敵な街々を巡るツアーは良かったのですが、参加者の方々が困ったのが石畳の街を歩く困難さです。足が疲れて、痛くて往生していました。その時ほど鼻緒の履物の有り難さを感じたことはありません。その間、まったく足の痛みは出ませんでした。

 機会があれば、鼻緒がある履物で歩けるといいですね。足の第1指と第2指がバランスよく使えていると、あとの3本の指は付いてくればいいのです。現状、靴を履いて生活するのが当たり前で、結果、じっと立っていられない子が多いと聞きました。靴の生活では、第1指が頑張っていて、外反母趾が多いのです。その分第2指はサボっている形になっているということです。

 一生自分の足で歩けるように、足が硬くならないように…、鼻緒の履物など時々いかがですか? 


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