「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

桐朋学園大学でタツヤ君の体操指導を

2008年03月24日 | 指圧の活動
  3月20日の春分の日、タツヤ君の体操(チャレンジ・ナンバと名づけました)の指導をお願いするために、京王線の仙川駅に近い桐朋学園大学に2人で向かいました。この日は、長谷川智先生(大学講師)のレッスンが予定されていました。

  タツヤ君は、電車が大好きで、都内近郊の路線や駅の名は全部覚えています。出発は東武東上線・ふじみ野駅からなので、いろいろな電車に乗れるこの日を指折り数えていたようです。
  私といえば、よその大事なお子さんを預かるのですから少し緊張していて、いつになく朝早くから目が覚めていました。まして身体が不自由な彼です。トイレの心配、食事上の注意をはじめ、さまざまな確認をした上で出かけました。

  あいにく冷たい雨の1日でしたが、何のトラブルもなく予定どおり現地に到着しました。この日、大学では月に1度の「ナンバ祭り」です。
  早めに着いたので、ナンバ演奏会で女子学生のピアノ独奏を聞くことができました。マイクを通さない生の音色には、すっかり酔いしれてしまいました。
  なかなかみごとな演奏で、「さすが桐朋学園の学生!」と感心しました。おそらく小さい頃からピアノ一筋だったのでしょう。全身全霊をこめた表現は圧巻で、心からの拍手を送りました。
  やがて世界に羽ばたく若者が、頑張っている姿には感動を覚えます。しかもとてもチャーミングで素敵なピアニストでした。生の音色だけでなく、息遣いや身体の使い方などの臨場感を身近に肌で感じられ、大変参考になりました。

  この日は約2カ月振りのレッスンです。先生から新たな動きの指導をいただき、前進の手応えは十分です。それにつけても、「動き」の専門家の着眼点には脱帽です。私も気が付いていながら、そのまま見過ごしていた部分に対して、次々と新たな指導をいただきました。ただ、ただ、「さ・す・が!」―― 感服しました。同時に、まだまだ勉強しなくては、と改めて思い知らされたのでした。

  また、驚いたのはタツヤ君の「歩き」です。昨年暮、クラシックのコンサートに皆で渋谷まで出かけたときは、まだまだ歩くのが大変で気遣いながらの道中でした。電車でも座っている人からすぐに席を譲られたのですが、今回は違っていました。
  ためしに優先席の前に立ってみたのですが、立ち姿に以前はなかった安定感がでていたので、いちども席を譲られることがありませんでした。嬉しい様な、残念なような、複雑な思いでした。

  雑踏の中でも、以前のように振り返られることがありません。ずいぶん変わったものだと改めて感心しました。
  彼も家族から離れて長時間を過ごしたせいか、少し疲れたようでしたが、私の目には自立への第一歩のように映り、この先もずっと見守っていきたいと思いました。昼食も周りの人が驚くほどたくさん食べていました。さすが成長期です。
  また他の参加者や先生がたとも、臆することなく明るくハキハキと話をしていました。身体状態の好転が、精神面にも反映されているのでしょうか。

  午後の講座は、前半だけ参加して中座することにしました。電車が混まないうちに帰らないと、長い道中、席を譲ってはもらえないでしょうから――?
  いつもは、“お母さんは、何時に、何処に迎えにくるの”と何度も何度も確認する彼ですが、この日は、1回聞いてきただけでした。途中池袋のデパートに寄って、弟のユー君にお土産を買って帰ろうと言うと、嬉しそうに大きくうなずき、買い物も楽むことができました。
  冷たい雨が、降り続く長い1日でしたが、大変勉強になりました。彼を連れて来て、本当によかったと思いました。

 「タツヤ君、また明日から頑張ろうネ!」
 「うん! よろしくお願いします」
  元気な返事が返ってきました。

  夕食後、台所の片付けになかなか立てないくらい疲れた1日でした。こんなことぐらいでヘトヘトになるなんて――。この日は早めに寝て、リフレッシュを心がけました。

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