― 歌・種・記・文 ― (うたたね きぶん)

日々の中で感じたことを書き留めた自分のための雑記帳。
記憶を鮮明にさせてくれる画像や思いが大事な宝物になっています。

壊れたブロック塀脇の不思議な植物

2015-04-13 | 植物 に関するお話

急に気温が下がり、4月だというのにミゾレが降った 8日(水)。
先日は 桜が一気に咲くほど暖かかったのに、
また 真冬に逆戻りしたような寒さで、
横浜では平年より 6. 3度も低い 2. 8度だったとか!
2月中旬並みの気温に、コートとマフラーが必要なほどで、
薬局の店頭には 再びホカロンが置かれたそうでした。
その後も雨が続き 気分もジメジメ!
そんな折の 昨日の晴天。
「晴れやかな春~!」 と思ったのも束の間、
今日はまたまた冷たく強めの雨が降り続き 明日も雨 という予報!
気分も ドンヨリ~ してきそうにはなるけれど
草木たちには 勢いづく雨 になるのかもしれないから... 我慢 しましょ






今回の話題は 変な植物。
  〔 自然は変わったものを作る名人ね! 〕
時々 そう思わされることがあるんですが、 この植物も しかり。
見つけたのは数年前のことでしたが、
今年、〔 花が咲いている~! 〕 と気付いたのは 3月でした。
         その植物の名前は ルスクス
庭に続く道の傍らの 壊れたブロック塀の隅に ずっと前からあった この子。
1年を通 して 花が咲いている というようにも見えず、
放っぽらかされ 栄養が行き届かず 色艶も 成長も 良くなくて
<オーラ> のようなものを感 じることもなかったため
<何の変哲もない ただの葉っぱ> という印象 しか受けていませんでしたが、
よく知れば 勝手に生えてくるような植物でもないような …!?
けれども 誰かが植えた と思えるような場所でもないのが不思議 に思えました。

 
ブロック塀の一角 にひっそりとたたずむ姿は 一見 「榊?」 と思うくらいの目立たなさ!

そんな存在であった この子を <変わった植物>だと認識 したきっかけは、
ある夏の終わりの 庭掃除の後片づけの際のことでした。
いつも、このブロック塀のあたりは
刈った草をビニール袋に詰めて ゴミの日に出すまで置いておく場所。
夏場は しばらく乾燥させて量を減らし、まとめやすくなったところで捨てることも多いため
一時的ながら 小山 が出来る場所でも あるんです。
そんな作業中 何気なく目にとまった葉に ???  そして 注目!

         初めて目にした時は 風で舞った小さな雑草の花びら、あるいは
         葉っぱの切れ端が、葉の上に散らばっている? なんて風に見えていました。
         さらに そこに虫が止まっているように見えたものもありました。
         花びらなどなら 動かなくてもそれほど不思議には思わないのだけれど
         しばらく作業 した後に見ても まだ止まっている虫。
         強めの風が吹いて葉が大きく揺れても まったく動 じないことに違和感を感 じ、
         確認 したくなって 近づいてよく見たら 生き物ではありませんでした。
         葉っぱから生えている と気付いた時は驚いて 突然変異かと思いましたが、
         眺める位置を変えて見ようとしたら 視野が広がって、あっちのも こっちのも
         そうだと分かった!  何かが引っ掛かっている というわけでもなかったんです。
           〔 不思議な植物ね~! 〕  それが この子との出合いでした。


普通 気になることは調べると思うのだけれど、
  〔 なぜ調べなかったんだろう!? 〕 と思ったら、
私にとっては大事件が起き、それどころではなくなっていた ... からでした。
                             (事件の詳細については こちら で ご覧ください。)
その後も たま~に目がいくことはありながら
花が咲いているのには気づかぬまま、
忙しかったり 他に話題があったりして そこまで気が回らず、
見過ごしにしてきてしまった というのが実感。
ところが今回、やっと 花の時期に遭遇することができました。
花も 花の付きかたも、とても変わっているこの <ルスクス> という植物。
ちっちゃな花なので 覗き込むように見ないと ほんと ゴミのようですが
<かざぐるま> みたいな このおチビちゃんが可愛くて、今回は ガン見 してしまいました。
しかも、さらに観察すれば 葉の上だけでなく裏側にも付いている不思議!
赤い実が生っているのまで見つけることが出来ました。


赤い実は 葉の上にも下にもありましたが、実の付きかたは 違うように見えました。

         すべての葉がそうなっていれば もう少しわかりやすいんでしょうが、
         普通の葉っぱにしか見えないものもあるから ちゃんと見ないとわかりづらい。
         生物は 何か理由があって進化、あるいは 退化するもの。
         この子たちには いったい 何があったというんでしょうかね~!?



   調べてみると、<ルスクス> には 3種あるようで、
     ◆ ルスクス・アクレアツス (ナギイカダ/Ruscus aculeatus)
         ・ 樹高は 20~100cm。 乾燥 した森の林縁などに生える。
         ・ 葉状茎は卵形で硬く、先端に鋭い があり、枝には多数の縦溝がある。
         ・ 葉状枝の厚みは 0.5~1mm、長さは 3cm程度。
         ・ 葉状枝は先端にも付き、付け根で 30~90度ねじれ、
           軸に対して斜め あるいは横向き(地面に対して垂直)になる。
         ・ 花序は葉状茎の上面のみに付く。
         ・ 雌雄異株。
         ・ 早春に 葉状枝の真ん中に小さな緑白色の花を咲かせる。
         ・ 果実は液果で、晩秋に赤く熟す。
     ◆ ルスクス・ヒポグロッスム (Ruscus hypoglossum)
         ・ 葉状茎は柔らかく、先端はとげ状にならない。
         ・ 花序は葉状茎の上面のみに付く。
     ◆ ルスクス・ヒポフィルム (Ruscus hypophyllum)  ← (我が家付近のはこれ)
         ・ 樹高は 10~70cm。
         ・ 葉状茎の長さは 5~9cm。 柔らかく、先端はとげ状にならない。
         ・ 通常 花序 の直径は7~8mm。 葉状茎の上か下、いずれか 一方に付く
         ・ 圧倒的に多いのは上面だが、なにもつかないものもある反面、
           まれに 上下両面に花をつけるものもある。
         ・ 雌雄同株。
         ・ 花は<雄花>と<雌花>に分かれ、どちらも直径1cmくらい。
         ・ 6枚の花被片があり、外側の3枚は大きい。
         ・ <雄 しべ>は 長さ 2~3mm で 合着 して <雄 しべ筒>(筒状)になる。
         ・ <雌花>は<雄 しべ筒>の先端から柱頭を覗かせるが、花粉は出さない。
         ・ <雄花>は<雄 しべ筒>の先端から花粉を出す。
         ・ <雄花>にも<雌 しべ>はあるが、長さ 1mmほどで <雄 しべ筒>に隠れている。
         ・ <雌花>は上面、<雄花>は下面に咲く (?)



つい昨日まで、
ブロック塀のところにあるのは ルスクス・ヒポフィルム だけだと思っていたんですが …
   何ということでしょう!
その中に紛れていた ルスクス・アクレアツス まで見つけてしまいました。

         追加写真を撮っている最中、枯れ草を退けようとして手を入れたら チクッ!
         何かに刺されました。  一瞬 蜂 かと思いましたが 何も飛び出して来ない!
         よくよく見ると 違う葉がありました。
           〔 あれっ、これってまさか … 、 違う種類 じゃないわよねぇ!? 〕
         <ルスクス> を調べていたので <ルスクス・アクレアツス> の写真も見ていました。
         半信半疑でよく見ると、そこには先端に鋭い棘のある葉がありました。
           〔 わ~っ、もう間違いないじゃん! 〕
         残念ながら 花はひとつもありませんでしたが、痕跡と思われるものは残っていました。
         それにしても、 これはもう 誰かが植えた という以外には考えられなくなりました。



<ルスクス・ヒポフィルム> の中に埋まっていた <ルスクス・アクレアツス>

この葉の先端 には 鋭い棘 があり、触れると かなり痛い!

<ルスクス・ヒポフィルム> とは違って、葉の上面の中央ではない位置に 花序が付くようです。


上記で書いたように、
初めに見つけた ルスクス・ヒポフィルム という植物。
花は 葉の中心部に咲きますが、
実は この葉 (正確には 葉のように見えるもの)
本当は 葉ではなく (茎) なんだそうです。
     … そう言われてもねぇ。
枝や茎が扁平になったものを 葉状枝 (葉状茎) といい、その上に花が付く。
ちなみに、本物の葉 は 退化!  葉状枝の根本にある鱗片 だそうです。


葉の中央を通る太い葉脈から出ているような 葉。  葉から小さな葉が出ているようで 不思議!

花が終わった後なんで しょうか?   葉先は尖がっているように見えるけれど 柔らかい。

花? それとも 萼?   葉の付け根から出ている 小さなかざぐるま が 可愛らしい!

開花時の変化が楽 しく、 亀さんが茎を押さえ込んでいるように見えるものなど 個性もあり!

同じように見えるけど、これは 雄花?



<ルスカス> は、その様子がイカダに見えるから <イカダバルスカス> とも
言われるそうで、原産地は 地中海沿岸。
地下茎の伸長によって繁殖する ユリ科の多年草。
常緑低木でもあるため、八丈島などで 収穫後の日持ち性に優れる(3ヶ月程度)
切葉品目 として栽培され、生け花などの添葉として需要が大きいそうです。
日本には 水木科の <ハナイカダ> という植物もあります。

         名前の由来は 「筏に人が乗った姿」 からきているそうですが、
         葉を筏、花を人 と見立てるなんて 風情を感 じるわね~!


<葉に花咲く植物> として <ハナイカダ> は知っていましたが
  〔 それ以外は知らなかった~! 〕  
そう思い込んでいた私でしたが、
今回 以前いただいた花束の中に この葉があったことを思い出していました。

         <ルスクス>を調べていたら たまたま書き込みに目がいきました。
         花瓶に入れておいた花束の花が枯れ、この葉だけが残ったため
         コップに入れておいたら 1年以上も枯れずにいて 花まで咲いた。
         そのため 土に植えてみたら、枯れてしまった と …!
           〔 あ――っ! 〕  思わず声が出ました。
         私も まったく 同じ経験を したことが あったからです。
           〔 あの葉っぱが そうだったのかぁ! 〕
         以前 ブログの片隅に書いたような気が したんですが、
         けっきょく確認はできませんでした。


こうなると、

もう少しいい環境で ちゃんと育ててみたくなってきちゃうな~!

でも、枯らしたら もったいないから そっと見守っていくのがよさそうです。


                          ※ なお、今回 関連歌の掲載がないことにつきましては
                                                 こちら で ご覧ください。)



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