今月(12月)の「退職者の会」の日帰り散歩は、紅葉狩りで新座市の平林寺へ。コロナ禍での感染増加で東京都の3週間の自粛要請で人出が少ない感じで、人が集まる所はそれなりの感染症対策をされていた。
私は、平林寺へは8年ぶりである。(2012.12.02 新座駅~野火止用水~平林寺を散策の参照を)
コース的には、ほぼ同じコースである。新座駅から平林寺に向かって行く。途中、若宮八幡神社に立ち寄る、神職がいない神社で神社格は村社である。武蔵国橘樹(タチバナ)郡管沢村(現:横浜市鶴見区管沢町)の農民によりこの地を開発、管沢新田と名付けられた。神社そのものは合祀により若宮八幡神社として創建された。境内には狛犬があったが、この狛犬、チョと変わっていて一見雑な狛犬と思われたが小さい子どもが引付を起こすのではと思うような異様な狛犬であった。同じ境内に「源泉水道発祥の地」の碑があった。1949年に新座市で初めて水道が引かれた記念碑であろう。
神社から平林寺に向かうが、新座を散策していて気が付いた点が二つあった。一つは、急速な都市化の中で島のように取り残された農地で作付けされている、市民農園ではなく営農しているのだ。「残地農業」というか「都市農業」というか、市場に最も近いから成り立つのかもしれない。この辺は、JR武蔵野線の開通により影響を受けた地域であり、開通する前は東武東上線志木駅へのバスが交通機関だったのだろう。
二つ目の気が付いた点は、うどん店が多い事である。埼玉県内の市町村には美味しいうどん店が点在しているが、歩いていて多いのには驚いた「武蔵野うどん」ここに有りである。埼玉県は、うどんの原材料である小麦生産量は全国6位、うどんの生産額が全国一である。香川県に次ぐ第二のうどん県でもある。
そんなことを感じながら歩いていると、平林寺西側の野火止緑道に出る。
野火止緑道は、承応4年(1655)に川越藩主の松平伊豆守信綱が野火止台地の新田開拓のための飲料水・生活用水のため当時整備されていた玉川上水からの分水し野火止に引水されました。総延長24Kmで現在の小平市から野火止を通り新河岸川にいたるものです。新座市では水路沿いに遊歩道を整備し自然と親しむ憩いの散歩道となっています。なお、現在は分水されていません。
平林寺正面に向かって参拝料500円を支払い参拝する。
臨済宗妙心寺派の古刹である平林寺は、南北朝時代に岩槻(現:さいたま市岩槻区)で創建(永和元年・1375年)、寛文3年(1663)に川越藩主・松平伊豆守信綱の遺志により現在地に移された。明治期には禅修行の専門道場を開設している。敷地は広大で東京ドーム約9個分で昭和43年(1968)に雑木林としては唯一、国指定天然記念物に指定されている。
境内は、散策順路が明示され約2Km、45分~90分のコースとなっている。
私達のような紅葉狩りの人はいたが、例年に比べると少ないのだろう。紅葉は11月中旬~11月末頃が見ごろなのかと思う紅葉であった。年々気候変動で予定を組むのが難しい。
でもコロナ禍ではあるが今年も紅葉を楽しめた。
境内には、野火止用水である平林寺掘があった、高い場所に堀があったのでどういう水路になっているか不思議である。
苔むした大きい墓石が並んでいる所が、松平信綱公一族の墓所である荘厳な感じを受ける。
※下段の墓石は、松平伊豆守信綱 夫妻の墓。夫妻の墓石の大きさが同じでであった。
その他、離れた所には碑・墓石がありました。
〇島原・天草の一揆供養塔
大反乱を松平公信綱が収めたことに由来する供養塔。
〇見性院宝篋印塔
武田信玄の二女見性院の供養塔、どなたがこの場所に祀ったか不明
〇夏目漱石の小説「草枕」に登場する熊本小天(おあま)温泉の美人「那美」のモデルとされる前田卓(つな)の墓石
〇安土桃山時代の武将で、豊臣家御奉行の一人増田長盛の墓石。
〇玉川上水・野火止用水の開削で知られる川越藩士の安松金右衛門の墓石。
〇電力業界で活躍した実業家(明治~昭和)で「電力王」、「電力の鬼」とも言われた松永安左衛門の墓石
などがあった。
順路通り歩いていくと野火止塚という小さい山があった説明板によると、塚の役割は定かではないようだが、野火の見張台であったとする説が有力である。平野各所にあったようで、野火止の地名はこれからきたのか?。ちなみに新座の地名は天平宝字2年(758)武蔵国に新羅郡が設置され、その後、新座郡(にいくらごおり)に改称されました。明治期に入り市町村制により村の合併、町村合併により古い地名の新座郡(にいくらごおり)から名をとり新座(にいざ)とした。
昼食となり、平林寺前のうどん店にて食事を。満席で待っていると壁に12月いっぱいで閉店の案内が、コロナ禍で飲食業・観光業などは大変である。
平林寺の前の通りに、「睡足軒の森」という施設がありました、休業日で中にはいれませんでしたが、このあたりは高崎藩の飛び地のあった所で、近代になって電力王と言われた松永安左衛門の所有地となった場所です。(建物は国登録有形文化財となっています)
また、「野火止緑地総合公園 野鳥の森」は、雑木林の公園で、散策しながらバードウォッチチングできる、自然に親しむことができる公園です。
他にも寄る予定の神社はあったが、帰ることにし野火止緑道を通って新座駅に。
【その他のPhoto】