爺の社会科見学

年金生活12年目に突入。好きな地理と写真を生かした、一味違ったブログを目指して。

平和祈念展示資料館の「引揚げ展」

2019-09-01 20:52:36 | 日記

興味ある企画のときは見学をと思いながら、なかなか機会がなく「引揚げ展」ということで訪れた。私の年代になると父や母が戦争に対する苦労があり、父は南方戦線から復員、義理の両親は満州から引揚げして来た。多くは語らないが、義両親は長男を亡くし遺骨と共に「引揚げ船」で帰ってきたとのことである(現地で埋葬が多かったようだ)。戦時中・戦後の話を聞こうにも今は親はいない・・・

こうした資料展示は、物言わぬ人々の訴えを知る唯一の機会である。


新宿駅より徒歩にて「平和祈念展示資料館」(新宿住友ビル33階)に向かう。都庁を通り過ぎるが、初めての都庁を見上げる。一度、住友ビルには来たことがあるが初めて来たような感じである。このビルも年数が経っているのか大規模改修中であった。

平和祈念展示資料館は、兵士、戦後強制抑留者および海外からの引揚者について取り上げた施設です。とは言っても、招集令状・軍服・日誌・慰問袋等が展示されています。戦争が終わった後の、苦しいつらい体験をした方の持参した実物資料、グラフィック、映像、ジオラマが展示されていた。


引き揚げは各地からで、台湾、満州、サハリン島南部、朝鮮、南洋群島にわたる。植民地は第一次世界大戦後から始まり第二次世界大戦後までである。多くは先の大戦による。
敗戦時、軍人・民間人およそ660万人以上が海外に在住し、引き揚げてきた者は1964年末までに560万人にのぼったが、残留日本人の数がどの程度なのか実態は不明のようだ。引き揚げとは、日本の植民地や占領地での生活基盤のある日本人が日本本土に戻されることを「引き揚げ」と言い、兵士などは復員・復員者と言うらしい。

※左の上から、乗船許可証・戦争犯罪に関する無罪証明書、検疫済証明書・引揚者カード、引揚証明書・帰還証明書、右は引揚者カード。招集令状(赤紙)は見たことがあるが、この種の証明書は初めてである。

※戦線拡大と引き揚げ事業は比例しているのがわかる。


遺品・持ち帰り品・統計資料が戦い以外の悲惨さを語っていた。私たちは、忘れてはならない出来事である。

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