自分の部屋の窓を閉じてカーテンを締め、扉に鍵をかける。その中でなら、よほどひどく法に触れる事でも無ければ、何をやっていても他人に文句を言われることはありません。同様に家の中全体でもそうでしょう。ただ、塀で囲った庭の中だと、時々垣間見える姿が噂になるかも知れませんし、外から丸見えのところでやっていれば、あるいは通報されることがあるかもしれません。公共の場である公園や駅の構内だったら完全にアウトでしょうね。
つまり、プラットフォームを作ると言うことはそういうことです。マイクロソフトが欧州委員会を始め、各国の公正取引委員会と戦ってきた経緯はここにあります。そして、アップルの作り出したiPhone OSも「公に影響力がある場」として認められたわけですから、今回の報道はある意味喜ぶべき事かも知れません。
FT:アップルのGoogle締め出し規約、規制当局が調査へ engadget
アップルのGoogle 狙い撃ち規約、あるいは「※ただし競争相手除く」条項が衆人の予想どおりに展開しています。iOS アプリが広告配信目的でデータを収集することは認めるものの、「モバイル端末やOS、開発環境を開発または提供しているアップル以外の企業、およびその提携相手」は除外するというなかなかに露骨なルールでしたが、米国では当然ながら規制当局の興味を引いたようです。
現時点ではまだ噂段階ですが、調査自体はまず行われる模様。大まかな経緯としては、iOS(iPhone OS)上での広告における情報収集について、アップルは非常に寛大な措置をとりました。ただし、同じように携帯電話用OSを作っているGoogleは除く、としか取れないような、露骨な条項を含んだ規約だったのです。
「自分の家なんだから好き勝ってやりたい」というのは、誰しもが思うことでしょうが。人を招きすぎるとそうも行かなくなりますよね。
これまでもアップルの対外的な姿勢については批判が出ていましたが、iOSを軸にした展開を考えていく以上、今後も同じような問題は避けて通れなくなるでしょう。
アップルはもう、マイナーではない。そのことについて、ことさら思い知らされるのが「規制、調査」の報道というのは、なんというか皮肉ですね。