Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

プリントゴッコも終焉

2008-06-09 21:44:37 | Thinkings

 私の友人には、変わり者が多い。

 「類は友を呼ぶ」ですって?確かにそうだ、今更否定とかはしません。まあでも、どこに普通を置くかによっても色々話が違ってきますからね。そのあたりは・・・まあ、そんなことはどうでもいいことです。

 その中の一人に、大変多趣味、というか節操のないヤツがいまして、ある日突然電話をかけてきてこう言いました。

「アナログカメラっていいよね」

 なんでも、「デジタル方向へ突っ走っていたら、一周して戻ってきた」らしく、アンティークスレスレのカメラをヤフオクで落として写真を撮る日々だったとか。そして、ことあるごとにスローライフと主張し、アナログな暮らしを手放しで礼賛しておりました。もっとも、当時の彼は仕事が激烈に忙しく、半ば夢というか希望を語っていたようではありましたが。

 そんな「アナログに戻ってきた」そのときの彼がこのニュースを知ったとしたら、多分残念がるのではないでしょうか。

プリントゴッコ、6月30日に販売終了--PCやプリンタ普及の波に押され CNET Japan

 理想科学工業は5月30日、プリントゴッコ本体の販売終了を発表した。プリントゴッコの発売は1977年。以来31年販売され、年賀状印刷や布印刷などに利用されてきたが、1990年代後半からPCやインクジェットプリンターが家庭へ普及し始めるなど需要が著しく減少していたという。

 プリンタが普及する中も、家庭での印刷目的に使われていたプリントゴッコ。手書きの原稿がそのまま使え、布にも印刷できる、特殊インクが使えるというメリットから根強く販売が続けられていましたが、発売後31年をもってその姿を消すことになりました。

 実は、私はプリントゴッコを使った経験がないのですよ。小学校就学前の時、一度だけ家で使われているのをみたことがありまして、そのときの「光る」「インクをモリモリ盛る」という印象が、私のプリントゴッコの全てでした。そんな古い記憶しかないのですから、販売終了の報を聞いて、逆に「まだ売っていたのか」と驚きました。

 というわけで、プリントゴッコの原理を全く知らなかった私は、この機会にWikipediaで調べてみたのですが・・・

プリントゴッコ Wikipedia

 シルクスクリーン印刷を手軽に行えるようにしたもの、ということで、原理を知ると意外におもしろいのではないかと思えてくるのが不思議。そうそう印刷なんてしませんが、Tシャツとかの布製品に直接印刷できるという、プリンタにはできない部分は大きな魅力ですね。・・・販売終了ですが。

 プリントゴッコは確かに過去の製品ですが、今でも通用する味を持った実用品だと言えます。対してプリンタの方は、熱転写やドットインパクト、黎明期のインクジェットなど、プリントゴッコに並ぶような製品寿命を持つ製品は(一般向けには)皆無と言っていいでしょう。

 長く使われる製品には愛される理由があります。そのような製品がまた一つ市場から消えていくというのは、時代の流れと一言で片付けるには少し寂しいですね。