Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ハンドルを捨て、ネットに出よう!(嫌です)

2005-06-27 21:51:31 | Weblog
 まーた、なんかおかしな事を偉いさんが言っているようです。

 実名でのネット活用促す 総務省「悪の温床」化防止

 総務省は27日、自殺サイトなど「有害情報の温床」ともいわれるインターネットを健全に利用するために、ネットが持つ匿名性を排除し、実名でのネット利用を促す取り組みに着手する方針を固めた。匿名性が低いとされるブログ(日記風サイト)やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)を小中学校の教育で活用するよう求め、文部科学省などと具体策を詰める。
 今週初めに発表する総務省の「情報フロンティア研究会」の最終報告書に盛り込む。
 国内のネット人口は増加する一方だが、匿名性が高いために自殺サイトの増殖や爆弾の作製方法がネットに公開されるなど、犯罪につながる有害情報があふれている。総務省はそうしたマイナス面を排除し、ネットを経済社会の発展につなげていくためには、実名でのネット使用を推進し、信頼性を高めることが不可欠と判断した。


 要するに、「身元が割れないから自分勝手に情報を垂れ流すのだから、実名で使って健全なネット社会にしよう」と言う訳なのですが、悪い言い方をすれば、

「身元が割れてるから、ネット社会でも世間体とかリアルに気にして、波風立てないようにやっていこうよ」

と言うことになるですかね。
 例えば、匿名性の低いとされているブログやSNSにしろ、普通は実名は使わないわけですよ。いくら「飾らずに」とは言え、結局リアルな世界とネットワークの世界というのは一線が引かれており、その一線がネットワークの世界を成長させてきたと言えなくも無いわけです。
 例えば2chがあれほどまでに巨大化したのも匿名性のためですし、Blogがここまでの広がりを見せたのも、一線を越えない匿名性があるからでしょう。情報が全て開示されるならば、誰も日記をネットワークに載せようなんて・・・そんな人は一握りのはずです。

 匿名性は、私たちに「ネットの中の誰か」という割と気楽な役柄をプレゼントしてくれました。これは「リアルな世界の自分や周りの環境」から「ネットの中の自分」を切り分けるという事を可能にしました。全然違う世界だから、周りに悩みを打ち明けられる。新しい表現の場を見つけられる。そして、人の悩みを聞いてあげられる。そういう事例はどうなるんでしょうかね?

 まだインターネットというのは若い技術です。そして、若い技術というのは、とりわけ年寄りから攻撃されるきらいがあります。ゲームの例を見てください。他の要因があったとしても、真っ先に疑われるのはゲームです。そして、次の矛先はインターネットに向かったというわけです。

 確かに自殺サークルや爆弾の作り方は被害を出したかも知れません。しかし、「何で自殺に走るのか」「何で爆弾を作らねばならなかったのか」という点に関しては無視ですか?そして、先に書いたとおり、インターネットによって救われた人たちの存在もまた、無視なのですか?

 私は、このBlogが匿名であるから書いています。自分は臆病ですから。
 匿名であることによって、私は表現の場を得ているのです。



 ・・・匿名って言うけど、週刊誌とか本にしたって、一般の読者にしてみれば匿名と一緒なんですよね。子供に悪影響を及ぼすって言ったら、不倫やら風俗情報やら慰謝料やら裏社会やら、そういう情報を垂れ流している週刊誌やワイドショーを取り締まるのが先のような気がしません?だって、インターネットよりもよっぽど簡単に、黒い情報を手に入れることができると思うんですけど・・・