こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

もっと先まで乗って行く人なのよ

2015年11月14日 | 妻の名言

都内との行き来は横須賀線を使っているのだが、その日は藤沢に用事があって、下りの湘南新宿ラインを使った。

簡単に主要駅を挙げると、普段の横須賀線だと都内ー(15分ぐらい)→武蔵小杉ー(10分ぐらい)→横浜ー(15分ぐらい)→大船ー(5分ぐらい)→鎌倉、なのだが、湘南新宿ラインでは都内ー(15分ぐらい)→武蔵小杉ー(10分ぐらい)→横浜—(15分ぐらい)→大船ー(5分ぐらい)→藤沢(大船の次)となる。たいして、変わらないようにみえるが、横須賀線は乗りなれている上、乗降の多い車両はわかっているので、比較的空席をみつけやすい。それに大船の手前でずいぶん空く。そもそも湘南新宿ラインとは元々の混雑具合が違う。

で、その日の湘南新宿ラインはやっぱり混んでいて、都内から横浜を過ぎるまでずっと立っていた。少し離れたあたりで空席があったりしたが鞄を網棚に上げているということもあり、大船まで40分近く立っていた。膝も痛くなって来たとところ、幸いなことに大船で前の人が立ったのでやれやれと思いながら座ることができた。

ところが、大船から80歳ぐらいの女性が乗って来て私の斜め前に立った。買い物帰りらしく、両手に荷物を提げている。

気づいているのかいないのか、気づこうとしないのか、都内からずーっと座っていた私の両隣、横浜から座った男性、誰も席を譲るような気配はない。しょうがないと思って、女性に席を譲った。礼儀正しい方で、一度は断られたが、「いいですよ、どうせ次(藤沢)で降りますから」と、わずか30秒ほど座っただけですぐに立ち上がった。降りるときにもう一度お礼を言われたので、「お気をつけて」と声をかけてから降りた。

というような話を妻にしたら、「(席を譲らなかった)その人たちはもっと先まで乗って行くのだったのよ。きっと、その人たちだって気恥ずかしい思いをしているでしょうから、自分が損したような気持ちをもってはだめよ」とたしなめられた。

なるほど、湘南新宿ラインは藤沢から先もずいぶん行く。仮にその女性が終点まで乗るとして、譲った人も終点まで行くとすれば、譲った人は終点まで30分以上、座ることはできないかもしれない。みんな疲れているのだ、そんなことになったら、あと一駅で降りる私からみても気の毒だ。

相手の身になって考えることは、結局自分に返ってくることだろう。たまたま電車に乗り合わせた人に対してもこんな風に相手を自分と同じように大切にできたらいいものだ。

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