王座戦五番勝負第4局は12月7日、名古屋市で打たれ白番の挑戦者、山下敬吾棋聖が張栩王座に中押し勝ちし、第2局からの3連勝で初の王座奪取に成功した。
山下は3年連続の挑戦で、ようやく張王座を破り、棋聖との二冠を達成。逆に張は名人に続いて王座も失い、タイトルは碁聖だけとなった。
<山下棋聖の話>
王座戦では2年連続で勝負にならずに負けていたので、(タイトル奪取は)信じられない。(今年の5番勝負は)第二局で逆転勝ちし、自分でもビックリしたが、3連勝できるとは思っていなかった。勝ててホッとしている。
<張王座の話>
コウ争いの時点でどちらか取られる形になり、かなり厳しくなってしまいました。
シリーズを通して出来がよくなかったのですが、一生懸命打った結果なので仕方がないです。
<羽根直樹九段の目>
張王座が明らかに調子を落としていたように感じました。名人位失冠のショックがあったのかは分かりませんが、対局過多で疲れがたまっていたように思います。終盤での粘りはさすがのものがあったのですが、逆転に結びつけるのは難しかったようですね。
新王座の山下棋聖の碁はさすがといえる内容でした。持ち前の力強さに冷静さが加わって、さらに強さを増したように感じます。
(日経 e-碁サロンより抜粋)
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山下棋聖の積極的な着手が張王座を粘りを上回ったようです。
これで山下新王座は棋聖と合わせて二冠。現在、河野天元に挑戦中の天元戦は1勝2敗とカド番に追い込まれていますが、本日(12/14)の第4局が注目されます。
一方の張前王座、名人位に続いての失冠は残念でしょうが、来年1月6日から行われる世界王座戦3番勝負(対戦相手は韓国・李世ドル九段)で無念を晴らしてほしいと思います。
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今回の対局地は名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテル。JR名古屋駅の真上にあるそうです。
それにしても「マリオットアソシアホテル」という横文字の名前は覚えられませんね。
最近の都市型ホテルはこの種の名称が多く、高齢者は苦労すると思います。
名古屋駅のある中村区は戦国時代でいえば「尾張・中村」。豊臣秀吉・加藤清正生誕の地として「秀吉・清正記念館」はじめ数々の史跡があり、道路の名称は今でも「太閤通」、「清正公通」として残っているそうです。