天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
画像をクリックすると拡大されます。

三谷七段、無念の敗退(王座戦、新人王戦)

2011-06-29 21:06:54 | プロ棋士

先週は三谷哲也七段にとって悔しい週のようでした。

6月20日(月)の王座戦準決勝、羽根直樹・九段 VS 三谷哲也・七段は羽根九段が白番中押し勝ち。四天王の壁は厚かったようです。

6月23日(木)の新人王戦準々決勝、村川大介・七段 VS 三谷哲也・七段は村川七段が白番中押し勝ち。王座戦での借りを返された格好となりました。

三谷七段、各棋戦で上位に進出するも、あと一歩のところで足踏みです。
ここが一流棋士への踏ん張りどころ、群馬・囲碁ファンの期待に応え、暑い壁を乗り越えてほしいものです。

   ◇   ◇

「週刊碁」今週の三谷七段・関連記事、棋戦は黒星でしたが、6月4日、5日と東日本大震災の避難所(宮城県石巻市)を訪問、小中学生への囲碁指導を行ったそうです。

棋士として棋戦での活躍は当然ですが、社会貢献も大切な任務だと思います。

コメント

第36期碁聖戦第1局/坂井碁聖が先勝

2011-06-27 21:24:15 | プロ棋戦

坂井秀至碁聖(38)に羽根直樹九段(34)が初挑戦する第36期碁聖戦5番勝負の第1局は6月23日、大阪市中央区の関西棋院で打たれ、坂井碁聖が白番中押し勝ちし、初防衛に向けて幸先よいスタートを切った。
 第2局は7月10日、新潟県長岡市の長岡グランドホテルで行われる。

<坂井碁聖の話>
 序盤で打ちにくくした。左辺への勝負手にも自然に対応され、苦戦を強いられた。運良く逆転できたが反省の多い碁だった。

<羽根九段の話>
 打ちやすくなり、安全に行こうと思っていたが、(自分の石が)危なくなっているという危機感が足りなかった。
      (共同通信より抜粋)

「坂井好発進、ホームで羽根に先勝!」、「羽根、攻勢一転 大石トン死」
      (週刊碁見出しより)

    ◇  ◇  ◇

先勝の坂井碁聖、中盤まで苦しい展開でしたが、勝負手からの反撃が功を奏して逆転の一局のようでした。

好局を落とした羽根九段は、本因坊戦七番勝負など他棋戦でもフル回転、その疲れもあるのでしょうか。

この両者、棋風はしっかりした足取りの本格派。小技の対決かと思っていましたが、本局は羽根九段の油断が勝負の決め手となりました。敗者としてはあまり残してほしくない棋譜でしょうね。

本シリーズは「関西」対「中部」の対戦。今までは東京中心でしたが、今後は東京・中部・関西とタイトル戦も分散の気運です。
互いに競い合って盛り上がれば囲碁ファンも納得ですね。

コメント

こども囲碁教室/夏休み囲碁合宿を計画

2011-06-25 20:47:39 | 囲碁

今日の午前中は、囲碁教室「伊勢崎こども囲碁アカデミー」の指導スタッフです。
この教室では新しい企画として「夏休み囲碁合宿」を計画しています。参加者は生徒、保護者、スタッフなど総勢30名ほどになりそうです。

今まで勤務先の囲碁合宿は何度も経験してきましたが、「こども囲碁教室」の合宿は初めてです。
勤務先の合宿では参加者の募集、プロ棋士の手配などがメインでしたが、対象が子供となると囲碁対局の他に生活指導、レクレーションなどに気を配る必要があります。

新しい行事で準備など大変な面もありますが、夏休みの思い出として心に残るようなイベントをプロデュースしたいと思っています。

コメント

囲碁用語/トーチカ

2011-06-23 20:40:24 | 囲碁

Tochika_2

週刊碁に「兆乾(初段)のなんでもコーナー」という欄があり、今週号では「トーチカ」の対策でした。
「トーチカ」は図のように、黒1、3、5と3手でシマる形です。

この「トーチカ」、最近ではほとんど見られませんが、私が碁を覚えた頃には結構耳にした用語です。
もとは軍事用語で敵部隊の攻撃を阻止するために作られた、コンクリート製の小さな防御陣地のようです。

なぜこの形を「トーチカ」というか定かではありませんが、
①鉄壁の守りである
②「1、3」と「3、5」の間が銃眼のように見える

この二つからイメージされたのではと推察されますが・・・どうでしょう。

囲碁用語も時代とともに「死語」になったり、「新語」が現れたりと変化していくのでしょうね。

コメント

第59回NHK杯/鈴木歩 六段、追い上げ及ばず

2011-06-21 21:51:19 | テレビ番組

「今村”手厚く”ゴール」、「鈴木 必死の追い上げ及ばず」
     (週刊碁見出しより)

6/12放送のNHK杯は女流棋士3番手として登場した鈴木歩・六段と、関西棋院の今村俊也・九段の対戦でした。
結果は今村九段が、攻めを基調とした巧みな打ち回しでリードし、着実に逃げ切った一番でした。
鈴木六段としては自己の持ち味が発揮できず、不完全燃焼の一局のようでした。

今期の女流参加棋士4名(謝、向井、鈴木、吉田)のうち、謝さんは1回戦で瀬戸七段を破りましたが、向井さん、鈴木さんが敗れて、残るは吉田美香八段(加藤充志八段と対戦)となりました。
男性陣の壁は厚いものがありますが、善戦を期待しましょう。

初出場は、鈴木伸二三段、三谷哲也七段、向井千瑛四段、林漢傑七段の4名が出場。
林七段が6/19の放送で柳九段を破りましたが、あとの3名は敗退となりました。
テレビ棋戦では、場慣れした棋士が優勢のようですね。

昨期はベテランの武闘派・宮沢吾郎九段がベスト4に進出し、話題になりました。
今期の「台風の目」は誰でしょう・・・。

コメント

第66期本因坊戦第4局/羽根、待望の1勝

2011-06-19 22:19:39 | プロ棋士

 石川県小松市で6月15日、16日に行われた第66期本因坊決定戦七番勝負の第4局は挑戦者の羽根直樹九段が山下本因坊に白番半目勝ちし、対戦成績を1勝3敗とした。第5局は6月29、30日、三重県鳥羽市の戸田家で行われる。
 1日目は序盤から激戦となった本局、羽根が道吾の攻めを巧みにかわし、羽根ペースとみられた。
 2日目に入り、道吾は手厚く力をためパンチを狙うが、羽根が終始、冷静な打ち回しをみせ、待望の1勝をあげた。

<羽根九段の話>
 2日目、白116(11五)と打って少しよくなったと感じた。一つ勝ってほっとしています。

<本因坊道吾の話>
 黒111(13九)から損をして負けにした。小ヨセは得をしましたが、チャンスはなかったと思う。
      (毎日新聞より抜粋)

「羽根初白星。山下に半目、反撃の狼煙」、「山下の猛攻、一歩届かず」
      (週刊碁見出しより)

       ◇   ◇   ◇

三連敗と後のない羽根九段。持ち前の粘り強いシノギで初勝利でした。
独特の攻める棋風の山下本因坊。猛攻が空振り、終盤の追い上げも届かなかったようです。
これで対戦成績は挑戦者の1勝3敗。初勝利で流れが変わるか。七番までいってほしいところですが、どうでしょうか・・・。

本局の立会、円田秀樹九段は大阪で「エストレラ」という「カフェバー&囲碁教室」の店を開いている異色のお棋士です。
囲碁の大会や対局後、このような店でくつろげたら楽しいでしょうね。

NHK-BSPでの解説は横田茂昭九段、聞き手は井沢秋乃四段。横田九段の解説はアマの目線で分かり易く、人柄も朴訥とした雰囲気がいい味を出しています。

       ◇   ◇   ◇

今回の対局地は石川県小松市・粟津温泉の旅館「法師」。
粟津(あわづ)温泉は石川県南部の加賀温泉郷(山中、片山津、粟津、山代)にあり、奈良時代から続く歴史ある温泉地のようです。

日本の旅行は、景勝地、温泉、食事などがセットになっているケースが多く、温泉は欠かせない存在ですね。
若い頃はそれほど温泉を意識していませんでしたが、最近は温泉が目的地選びの大きなポイントになっているような気がします。
これも「たそがれ世代」の特徴でしょうか・・・。

コメント

夢色ラプソディー

2011-06-17 21:04:58 | 日記・エッセイ・コラム

毎週・土曜日の朝、「こども囲碁教室」に車で出かけます。
運転中はラジオを聴いていますが、NHKの「ユアソング」という番組で「夢色ラプソディー」という曲を放送していました。
4月、5月の二ヶ月の放送でしたが、なぜか楽しい気分にさせてくれましたね。シンプルなメロディーと軽快なテンポが懐かしい感じです。

YouTube ↓
http://www.youtube.com/watch?v=KZfNP_Ab6lk

ラプソディーというと「大阪ラプソディー」、古くは「東京ラプソディー」というのがありましたが、「夢色ラプソディー」もそれに似た雰囲気です。

歌詞は八番まであり、それぞれ札幌、盛岡、埼玉、東京、名古屋、大阪、広島、福岡が出てきますので、「ご当地ソング」ともいえるでしょう。
複数の土地を唄った「ご当地ソング」としては「港町ブルース」、「中の島ブルース」などがありましたね。

この「ご当地ソング」、そこに在住していたり旅行で訪れたりした人にとって、その曲を聴く度に色々な思いが浮かぶことでしょう。

私の住む群馬県では、県内の温泉地を唄った「いい湯だな」くらいでしょうか。
もっとメジャーな曲が出ないかと、秘かに願っているところです。

コメント

世界アマ囲碁選手権2011/84歳・平田さん5位

2011-06-15 21:16:50 | アマ棋戦

島根県松江市で5/29~6/1にかけて行われていた「第32回世界アマチュア選手権島根大会」は中国の白宝祥選手が8戦全勝で初優勝した。 中国選手の優勝は2年ぶり、18度目となり、最多優勝回数を更新した。 2位は韓国のWoo Soo CHOI選手、3位はアメリカのE.ルイ選手だった。
日本代表の平田博則選手は第3戦でノルウェーのM.オフスタッド選手、第8戦で中国の白宝祥選手に敗れ5位だった。
    (日本棋院HPより抜粋)

「中国 白宝祥さんV」、「84歳 平田さん5位」
    (週間碁 見出しより)

    ◇  ◇  ◇

本大会の優勝は中国、2位に韓国とこのツートップは当分変わらない様相です。
あと「欧米選手のレベルアップ」と「選手層の若返り」が昨今の動向のようですね。

今大会、優勝争いに匹敵する話題として、日本代表・84歳の平田さんの活躍があります。
優勝の中国・白選手が18歳、2位の韓国・崔選手が21歳ですので、その年齢差に驚くばかりです。
参加した各国の選手も、平田さんの敢闘精神に敬意を表したことでしょう。

シルバー世代の活躍は立派ですが、中堅、若手も頑張らないと・・・。

    ◇  ◇  ◇

Matsuejyou 本大会が行われた松江市は「松江開府400年祭」ということで、いろいろなイベントが行われているそうです。
開府400年というのは、1611年(慶長16年)に堀尾吉晴公が、松江城と城下町を完成した時点から、ということのようです。
歴史・文化・伝統など、「日本の心」を継承していくことは大切なことだと思いますね。

このところテレビの旅番組で山陰地方の出番が多いようです。東日本の惨状の影響もあるのでしょうね。

コメント

ちょっと頑張った打ち方/風鈴会

2011-06-13 20:58:13 | 囲碁

Wind_1_3_2

昨日(6/12)は定例の「風鈴会」の日。震災の影響もあり、2月以来の参加でした。
講座の内容は「ちょっと頑張った打ち方」。例題4問中、1つを取り上げます。

例題1

Fuurin110612_800_3

黒番、Aが本手ですが、黒1と「頑張った打ち方」もあるということです。
定石だからといって無意識に黒1とカカエるのではなく、自分なりに工夫するということでしょうか。
ただ失敗も考えられます。その場合、失敗の原因と対策を整理しておくことが肝要だと思います。

   ◇   ◇

今回の実戦対局は●○●の1勝2敗でした。
1局目は元お役人「H保さん」との黒番2子局。中盤までは順調でしたが後半、相手の誘いに乗って自滅。
「上手はスジで打ち、下手はイジで打つ」という格言がありましたが、その見本のようなまずい碁でした。

2局目はやや先輩らしき「H鎌さん」との常先。相手の無理気味な切断をなんとか受け切り辛勝でした。勝負を急ぎ過ぎてはいけませんね。

3局目は新妻パワーの「ノリチャン」と互先(黒番)。相手の強襲をイナシて終盤まで優勢でしたが3局目ともなると集中力が散漫に・・・逆転負けでした。

   ◇   ◇

例会の後は、常連が集まっての懇親会。
今回は「Y田さん」の昇段祝い。本人は悲願の昇段で喜色満面の様子でした。
たとえローカルなランクアップでも、素直に喜べる人は幸せですね・・・。

毎回、ヨタ話で盛り上がっていますが、大震災の話題もチラホラと。
あと、将棋と囲碁の比較談義、「将棋は正解を追及するが、囲碁には正解がない?」というご高説。なるほどと思うところもありますが、どうでしょう・・・。

コメント

第8回中野杯/予選1・2回戦

2011-06-10 21:54:19 | プロ棋戦

今週の「週刊碁」、18~20面は中野杯予選・前半(1・2回戦)が掲載されています。
注目は「美しき『台風』の来日」、台湾棋院の女流棋士・黒嘉嘉(ヘイ・ジャアジャア)五段の出場です。
黒さんの父はオーストラリア人、母は台湾人。昨年のアジア大会では台湾チームの一員として活躍しました。
本棋戦では2連敗の予選落ちと残念でしたが、才色兼備の17歳はこれからも世界の注目になることでしょう。

    ◇   ◇

ローカルな注目は群馬県出身の院生、本木克弥さんと木部夏生さんの参戦です。
2回戦が終わって両者ともに1勝1敗、なんとか本戦進出を果たしてもらいたいものです。
この二人は院生序列でもプロ入段に近い位置にあり、群馬県内の囲碁ファンも熱い期待を寄せています。

コメント