天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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渋々と人間ドックに行く

2009-02-27 16:35:17 | 日記・エッセイ・コラム

Dock 先日、人間ドックに行ってきました。

年度末が近いということで勤務先から、「受診せよ」との連絡があり、渋々と行くことになりました。

病院では多くの人が、微妙な表情で検査を受けていました。

私の残り生存期間は日本の平均寿命で計算すると、あと(月齢)でしょうか。
「どう抗って(あらがって)みても生存期間は有限、自然にフェードアウトできれば・・・」。そんなことを考えながら神妙に検査を受けていました。
結果は後日になりますが、不安と同居はしたくないものですね。

   ◇   ◇

「おくりびと」という映画が米アカデミー賞の外国語映画賞、日本アカデミー賞の最優秀作品賞他に選ばれ、大変な話題になりました。
作品の評価は高いようですが、暗いイメージがありイマイチ見ようという気持ちが起きません。
それと、いずれは訪れる現実から目を背けたいという心理が働くのかもしれません。

しかし現実を避けてばかりでは進歩はありませんね。渋々でも映画館に行ってみようかと揺れています。

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第56回NHK杯/加藤充志八段、ベスト4へ

2009-02-25 14:44:13 | テレビ番組

先日(2/22)放送された「NHK杯囲碁トーナメント」は加藤充志 八段が小県真樹 九段を黒番・中押しで準決勝へ進出しました。

加藤八段、好調です。厚みを生かして攻める棋風は、ザル碁党にとっては気分のいいものです。
1年ほど前、週刊碁に「加藤充志八段の筋力ジム」という連載記事がありました。ユーモアがあって愛読していましたが、単行本にしてほしいですね。

一方の小県九段、本来は厚味派だと思いますが、本局では薄い打ち方で苦戦したようです。
解説・山城九段の形勢判断では加藤八段の優勢は動かないとのことで、投了のタイミングがどうでしたか。

    ◇   ◇

NHK杯では対局中の表情が写されます。今回の加藤八段はあまり表情を変えず「眠狂四郎」のイメージ。
一方の小県九段は形勢がイマイチなのか、顔を歪めるシーンが多く見栄えもイマイチでした。

Kenshi 棋士はタレントと違ってあまり外見を意識する必要はないでしょうが、番組を見ている人は「眠狂四郎」を贔屓(ひいき)するでしょうね。

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第10回農心辛ラーメン杯/韓国2年ぶりの優勝

2009-02-24 19:57:50 | プロ棋戦

【第10回農心辛ラーメン杯第13戦】2/19
日中韓3国の勝ち抜き戦で争われる、第10回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第13戦が、2月19日に中国・上海市で行われ、韓国4番手の李世ドル九段が中国5番手の古力九段を下し、2年ぶり8度目となる優勝を決めた。

【第12戦】2/18
韓国4番手の李世ドル九段が中国の常昊九段を下し、優勝まであと1勝と迫った。勝った李世ドル九段は19日に中国5番手の古力九段と対戦する。

【第11戦】2/17
日本の5番手として登場した高尾紳路九段が中国の常昊九段に敗れ、日本チームの敗退が決まった。

         (日本棋院HPより抜粋)

     ◇   ◇   ◇

最近では韓国を凌ぐ勢いの中国陣営でしたが、韓国ツートップの李世ドル九段が中国/常昊、古力を連覇、主将/李昌鎬を残しての優勝でした。
今シリーズの注目は初戦から4連勝の「中国/柁 嘉熹 三段」、その柁三段を破り5連勝した「韓国/姜 東潤 八段」の活躍でしょうか。
世界棋戦では、しばらく中韓対決の構図となりそうです。

一方、日本勢は高尾九段の1勝のみで山下、河野、山田、羽根は零敗。1勝5敗といいところがありませんでした。

今週の「週刊碁」で本棋戦の記事は4面下段のスペースに小さく載っている程度でした。
日本勢の不調は残念ですが、もう少し紙面を割いてもいいと思います。

その4面のタイトルで「鎧袖一触」という文字が躍っています。
漢字検定に出てくるような熟語ですが、「がいしゅういっしょく」と読むようです。
ずいぶん時代的な表現ですが、若い人には分からないような気がします。
囲碁は伝統文化ですので、漢文的な表現も納得できるところもありますが、世代を意識することも必要かと思います。

●鎧袖一触:鎧(よろい)の袖が一度触れたぐらいで、簡単に敵を打ち負かすこと。

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第33期棋聖戦第4局/依田九段が勝ちタイに

2009-02-23 15:19:00 | プロ棋戦

 第33期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、依田紀基九段の第4局が2月19日から岩手県花巻市で行われ、黒番の依田九段が中押し勝ちし、通算成績を2勝2敗とした。
 上辺の戦いを経て、依田九段が左下で機敏に生きて主導権を握った。山下は乱戦に持ち込もうとしたが、依田は冷静に対応し、地合いでリードして逃げ切った。
 第5局は25、26日、三重県志摩市の賢島宝生苑で行われる。

<依田九段の話>
 封じ手(黒55)の辺りでは少し打ちづらいと思った。シチョウ当たりを巡る白の打ち方は少し無理気味かな。

<山下棋聖の話>
 初日は打てそうな気がしたが、その後の打ち方がまずかった。白116で180を決めなかったのが敗因だ。

           (読売新聞より抜粋)

    ◇  ◇  ◇  ◇

今週の「週刊碁」トップページのタイトルは「依田追撃」、「山下に一瞬のスキ」。
依田九段のキメ細かい打ち回しが、山下棋聖の腕力を封じた一局のようでした。
これで2勝2敗のタイ。依田九段は2連敗のあと2連勝と、流れを引き寄せたようです。

BS-2の中継を録画して見ていたのですが、依田九段の扇子をパチパチと鳴らす音が頻繁に聞こえました。
山下棋聖の思考を妨げないかと気になりましたが、没頭しているときは影響ないのかも知れませんね。

    ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は岩手県花巻市の佳松園。女流本因坊戦などのタイトル戦でおなじみです。
花巻出身の著名人といえば作家・詩人の宮沢賢治(1896~1933)、画家の萬鉄五郎(1885~1927)でしょうか。
※萬鉄五郎:『ヨロズ・テツゴロウ』 → 『マンテツ・ゴロウ』と誤解していました。

宮沢賢治はその清廉な生き方に共感する人も多いようです。

「雨ニモマケズ」

宮澤賢治

雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテイル 一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ萱ブキ小屋ニイテ
東ニ病気ノ子供アレバ 行ツテ看病シテヤリ
西ニ疲レタ母アレバ 行ツテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニソウナ人アレバ 行ツテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクワヤソシヨウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ
クニモサレズ サウイウモノニ
ワタシハナリタイ

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月刊・碁ワールド/一目おかれたい!

2009-02-21 21:23:57 | 囲碁

Kitayama 先月の「月刊・碁ワールド2月号」より「北山陽一の『一目おかれたい!』」、副題『碁を知らない人にぜひ知ってもらいたい!』というコーナーが新連載されています。
これは囲碁初級者の架け橋になる記事をと、北山さん(ヴォーカル・グループ/ゴスペラーズ)に声がかかったようです。

芸能人で囲碁をする人はほんのわずかですが、有名人のPRということであれば興味を持つかもしれないですね。
私も囲碁団体の役員として普及活動の一端を担っているつもりですが、まったく知らない方々に興味を持ってもらうことは、本当に難しいことだと実感しています。

   ◇   ◇

3月号の第2回は「碁敵(ごがたき)がほしい!」というテーマ。
北山さんは高校生のとき数学が好きで、「数理の翼」という数学オリンピックの前哨戦のような大会の、代表を目差したそうです。
しかし隣のクラスに優秀なライバルがいて断念したとのこと、それでもそのライバルとはお互いによく行き来して数学の話をしたそうです。
囲碁でもそんな関係の碁敵が、早くできればなあ・・・、という内容でした。

棋力アップにはいろいろな大会やネット碁などで腕を試すのもよいですが、特定の碁敵の存在はまたとない刺激になりますね。

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第56回NHK杯/武宮九段、ベスト4へ

2009-02-19 15:30:18 | テレビ番組

先日(2/15)放送された「NHK杯囲碁トーナメント」は武宮正樹九段が三村智保九段を破り準決勝へ進出。
その前週(2/8)の放送でも彦坂直人九段を破り、2週連続の勝利と奮闘しています。
準決勝は小県真樹九段・加藤充志八段の勝者との対戦ですが、がんばってほしいですね。

武宮九段の棋風は宇宙流と呼ばれていますが、あまり策を弄さない本手が多いようです。
このNHK杯の解説者(2/15:淡路修三九段、2/8:小林光一九段)も「武宮さんだったら、こう打つでしょう」というのが結構当たっていました。
正々堂々の棋風、ザル碁党も参考にしたいところですね。

   ◇   ◇

Dance 武宮九段は最近、ダンスに熱中しているそうですが、好成績に影響しているのでしょうか。
以前はゴルフに凝っていてTV番組にも出ていました。またバックギャモンというゲームの世界でも一流のようで、ほんとに多才ですね。
碁以外の趣味にそれほどエネルギーを費やして、本業は大丈夫かと心配になりますが、関係ないようです。

勝負の強さは知識、読む力、体力、経験など総合的な能力で決まると思いますが、一流プロの間での差はほんの僅かでしょう。
趣味などに熱中できるということは、自己の生活パターンが充実しているということで、それが好成績に影響しているのかも知れませんんね。

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女流棋士と指導碁

2009-02-17 15:30:15 | 囲碁

昨日、「月刊・碁ワールド/3月号」が届いていました。
今年から「女流棋士の一局ご指南」というコーナーがあり、今月は謝依旻/女流本因坊・女流名人と三好徹さん(作家)の4子局で三好さんの自戦解説。
結果は和局(ジゴ)でめでたし、ということになっています。

本企画、2月号は万波佳奈四段と川淵三郎さん(サッカー/キャプテン)、1月号は中島美絵子初段と北山陽一さん(歌手/ゴスペラーズ)でした。
このような雑誌やイベントの指導碁となると、女流棋士の出番が多くなります。
普及活動やイベントでもそうですが、女流棋士の方が華があり、人当たりが優しいというイメージがあるのでしょうね。

    ◇   ◇

私が女流棋士に指導を受けたのは、青木喜久代・八段と中山薫・二段でしょうか。もう10年以上も前になります。
対局前後の一般的な会話では女性を意識しますが、いざ対局となると性別は関係ないですね。

指導碁について一言。指導するプロ棋士にとって私たち受ける側は顧客であり、やる気を無くさないように気を使っているでしょうが、アマは強くなりたい一心で指導を受けているわけですから、もっと厳しい態度で臨んでもよいと思います。
といってもそれで嫌気がさして囲碁から離れては困りますので、その辺の加減がムズなところですが・・・。

個人的には棋力向上に熱意のある人向けに、剣道や柔道のように師範が厳しく指導する「囲碁道場」があったらいいなと思っています。

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映画「誰も守ってくれない」

2009-02-14 20:47:10 | 映画

・作品名:誰も守ってくれない
・監督:君塚良一
・出演:佐藤浩市、志田未来、松田龍平、石田ゆり子、他

先日、映画「誰も守ってくれない」を見ました。
犯罪者の家族を守る刑事の物語ですが、重いテーマですね。

TVの犯罪ニュースなどを見ていると、ショーを見ているようで気分が悪くなります。
事実を伝えるのは必要ですが、必要以上に煽っているような気がします。
また「コメンテーター」とか「にわか評論家」などが増殖していますが、社会も企業も評論家ばかりでは、成長はできません。

ネットの世界でも「弱い者イジメ」に似た、中傷気味の内容が少なくありません。
他人の痛みを共有できる「慈悲」という言葉はどこへいったのでしょう。

とは云うものの、自分の近辺で同じような立場になった場合、どこまで踏み込めるか自信がありません。
沈黙するだけかも知れませんが、傷つけることだけはしないと思います。

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ペア碁選手権2009/加藤・羽根ペアが優勝

2009-02-12 21:27:18 | プロ棋戦

新年を飾る華やかな祭典「リコー杯プロペア碁選手権2009」の決勝戦が、1月31日(土)、恵比寿ザ・ガーデンホールにて行われた。

注目の史上最年少ペア、「謝依旻女流本因坊・女流名人&井山裕太八段」と、絶好調ペア、「加藤啓子女流最強位&羽根直樹本因坊」の熾烈な戦いは、期待どおりの波乱万丈の展開をたどる大熱戦。最後はわずかに半目を残した加藤&羽根ペアが優勝を飾った。

     (週刊碁より抜粋)

      ◇   ◇   ◇

実力派の加藤&羽根ペアが、新鋭の謝&井山ペアを乱戦の末、半目勝負を制しました。
話題性で新鋭ペアの優勝を期待していたのですが、残念でしたね。

本棋戦は公開対局で1,200人を超える囲碁ファンが集まったそうです。
ただ地方からだとなかなか参加することが難しいですよね。

公開対局というと「NECカップ囲碁トーナメント戦」があります。
この棋戦は全国各地で開催され、私も2回ほど見に行ったことがあります。

囲碁に限らず文化的なイベントは都会中心に開催されているのが現状ですが、地方にも是非目を向けてほしいところです。

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第33期棋聖戦第3局/依田九段が半目勝ち

2009-02-10 20:20:29 | プロ棋戦

 第33期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、依田紀基九段の第3局が2月4日から広島県尾道市で行われ、白番の依田九段が半目勝ちし、通算成績を1勝2敗とした。
 白が上辺、黒が下辺に模様を広げた本局は、依田九段が下辺白を生還させて優位に立ったが、山下棋聖は厚みを生かし、中央黒の大石を猛攻。依田九段は際どくしのいだ後、寄せで追い上げを許したが、微差で逃げ切った。
 第4局は2月19、20日、岩手県花巻市の佳松園で行われる。

<依田九段の話>
 地では走っていたが、難しい碁だった。大石はもっといいシノギがあったと思う。

<山下棋聖の話>
 あまり地がなく、大変な碁だった。気持ちを切り替えて次の対局に臨みたい。

           (読売新聞より抜粋)

    ◇  ◇  ◇  ◇

今週の「週刊碁」トップページのタイトルは「依田の執念」、「山下に半目の逆襲」。

依田九段の明るい序盤構想は誰もが認めるところ、終盤でのもたつきはありましたが何とか逃げ切りました。
序盤の遅れをフルスィングで追い上げる山下棋聖、猛攻むなしく半目に泣きました。
第3局で1勝を返した依田挑戦者。次の4局目で流れが変わるか。注目のみちのく対局です。

    ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は広島県尾道市因島のナティーク城山。因島は「本因坊秀策」生誕の地、記念館や墓碑、顕彰碑などがあるようです。

依田九段は対局前日に秀策の墓碑を訪ね、終局の翌日も報告に訪れたそうです。よほど思い入れが強いのでしょうね。
本局では1手~6手まで「秀策流」の布石でしたが、7手目で山下棋聖が左上に一間カカリと変化しました。当時は無かったコミの影響でしょうか。

本シリーズ、第2局は「木谷道場」ゆかりの平塚、本局は「秀策」の因島と囲碁の歴史つながりの対局地です。
国際棋戦では中韓の後塵を拝している日本碁界ですが、400年近く営々と受け継がれてきた伝統は日本独自のものです。
過去の栄光を引きずっても仕方ありませんが、「温故知新」、古きよき伝統は大切にしたいものです。

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