第34期囲碁名人戦七番勝負の第3局は9月24、25日、兵庫県宝塚市で行われ、挑戦者の井山裕太八段が張栩名人に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗とした。第3局は10月7、8の両日、仙台市である。
井山挑戦者が張名人の厳しい攻めをしのいで優勢を築き、終盤の名人の猛攻も振り切り、逃げ切った。
<井山挑戦者の話>
1日目の封じ手のあたりでは悲観していて、やるしかないと思った。最後はぎりぎりでしのげた。運が良かった。
<張名人の話>
白98とアテられる手を軽視していた。白98に黒164と取っていればよかった。その後はなかなかチャンスがなかった。
(朝日新聞より抜粋)
「井山ラッシュ、コウ合戦で張栩を撃破」
(週刊碁、見出しより)
◇ ◇ ◇ ◇
井山挑戦者の精緻なヨミと冷静な判断力には舌を巻くばかり、気合でも負けていませんね。
一方、「コウの張栩」はコウで仕損じたようです。1勝2敗と黒星先行となりましたが、ここからが真価の見せ所でしょう。
勢いは挑戦者に傾いていますが、最強・張5冠の巻き返しに注目です。
◇ ◇ ◇ ◇
今回の対局地は兵庫県宝塚市の宝塚ホテル。宝塚といえば宝塚歌劇団がまず頭に浮かびます。
男性にはあまり縁のない世界のようですが、劇団養成所となる宝塚音楽学校の受験は「大変な狭き門」で、それを称して「東の東大、西の宝塚」と言われているそうです。
大ヒット作「ベルサイユのバラ」は社会現象にもなりましたね。