天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第34期棋聖戦第2局/張栩が2連勝

2010-01-31 20:36:47 | プロ棋士

 第34期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、張栩三冠の第2局は1月27日から名古屋市で行われ、張三冠が黒番6目半勝ちし、2連勝とした。
 コウ争いも絡み、互いに一歩も譲らない大勝負となったが、張三冠がコウを解消してフリカワリとし、主導権を握った。最後は左上で山下棋聖にミスが出て、張三冠が勝負を決めた。
 第3局は2月3、4日、大分県別府市のホテル白菊で行われる。

<張三冠の話>
 コウを解消し2目を抜いた時は形勢がいいかと思ったが、実は難しかった。また次も頑張りたい。

<山下棋聖の話>
 チャンスはあったと思うが、最後に(左上で)ひどい損をした。気持ちを切り替えてやるしかない。

   (読売新聞より抜粋)

「互いに譲らぬ熾烈な読み合い」、「張栩が連勝、山下 秒に読まれて大失着」

   (週刊碁より抜粋)

     ◇  ◇  ◇

張栩・挑戦者が難解な戦いを切り抜けて2連勝と弾みをつけました。精緻なヨミと巧みなコウ争いが光りました。

敗れた山下棋聖、独自の骨太な棋風で乱戦に持ち込みましたが、終盤の見損じが敗着となったようです。棋聖防衛に黄信号でしょうか。

本局はNHK・BS2で観戦していました。
解説は羽根本因坊、今まであまり解説シーンを見た記憶がないのですが、丁寧な説明と対戦者を気遣う実直な人柄が伝わりました。
司会・聞き手は下坂美織・新初段、やや硬さが見られましたが、ひたむきな姿勢に好感が持てました。

     ◇  ◇  ◇

今回の対局地は愛知県名古屋市の名古屋城茶席。「尾張名古屋は城で持つ」と云われた名城、その茶席での対局というのも趣きがあって雰囲気を感じます。

先日TVで地元の人は名古屋駅のことを「メーエキ」と呼ぶと云ってました。
「名古屋○○」は「めい○○」と略すことが多いようです。
・「名古屋鉄道」→「めいてつ」
・「名古屋大学」→「めいだい」
・「名古屋城」 →「めいじょう」

名古屋人は合理主義者との説がありますが、「メーエキ」などの略語も県民性かも知れませんね。

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囲碁書籍/わが天才棋士・井山裕太

2010-01-29 21:39:36 | プロ棋士

Iyama2 ◆書籍紹介
・書籍名:「わが天才棋士・井山裕太 」
・発行所:集英社インターナショナル
・著者:石井邦生
・発行年月:2009年10月

■内容紹介
史上最年少20歳名人!師匠・石井九段がみた天才の素顔と成長の記録。
6歳での出会いから12歳でプロデビューするまでの修業の日々と師弟関係、プロになってからの様々な活躍や昨年の名人戦七番勝負挑戦失敗……。
そして、再び名人戦の大舞台に躍り出たところまでの若武者の軌跡が語られている。

     ◇   ◇   ◇

今まで師匠が弟子を題材にした本は、ほとんどないと思います。
石井九段の控えめな記述が温厚な人柄を現しているようで、ホッとさせてくれます。

これまで囲碁界の師匠というと弟子に対してあまり口出し(特に技術面は)しないで、精神的な支柱のような存在が多かったように思います。
しかし、最近は本書の石井九段や謝・女流三冠の師匠である黄孟正・九段のように、専属コーチのような形態が結果を出しているようです。これも時代の流れでしょうか。

そして、謝さんとも共通することですが、棋士になるために親族の熱心さも増しているようです。
従来も親族の協力なしには考えられませんが、現在ほどヒートアップはしてないように思われます。

最強の棋士出現の陰には、最良の師と家族のサポートが必須だと再認識しましたね。

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第34期棋聖戦第1局/挑戦者・張三冠が先勝

2010-01-27 20:55:12 | プロ棋戦

山下敬吾棋聖に張栩十段が挑戦する、第34期棋聖戦七番勝負の第1局が、1月14、15日の両日に台湾・台北市で行われ、白番の張栩が中押し勝ちを収めて、タイトル奪取へ好スタートを切った。
張栩が連勝するのか、山下がタイに戻すのか、第2局は1月27、28日に愛知県名古屋市の「名古屋城茶席」で行われる。

   (日本棋院HPより抜粋)

「張栩、好発進、山下にまわし取らせず寄り切る」、「冬将軍(山下)、台湾でとろける」

<張三冠の話>
 序盤は打ちやすいと思っていた。勝つことができたのはうれしいが、まだ始まったばかり。次も良い碁を打ちたい。

<山下棋聖の話>
 元が悪すぎてどうにもならなかった。次は思い切り戦いたい。

   (週刊碁より抜粋)

    ◇   ◇

棋聖戦は今日から第2局が始まっていますが、遅ればせながら第1局の記事です。

挑戦者の張栩三冠がホーム(台湾)で快勝の一局。中盤で一瞬ドキリとする場面もあったようですが、最後まで事件なく押し切ったようです。

敗れた山下棋聖、序盤での劣勢をはね返せませんでした。先の天元戦では5局とも黒番勝ちでしたが、本局では黒番の棋聖が敗れて先番有利の流れも変わったようです。

本シリーズは山下棋聖の名誉棋聖と張三冠のグランドスラムをかけた大一番。第2局以降の熱い「山張対決」を注目しています。

    ◇   ◇

今回の対局地は台湾・台北市の「老爺大酒店(ホテルロイヤルタイペイ)」。
地元メディアが大挙押し寄せ異様な雰囲気だったそうですが、台湾での張栩三冠はスパースターなのでしょうね。
この対局には台湾出身の王立誠・九段(立会)、王名エン・九段、謝依旻・女流二冠も同行し、大歓迎のようでした。
日本の囲碁界もあやかりたいものです。

台湾は政治、国防、人種など複雑な問題を抱えているようですが、囲碁界は着実に発展しているようですね。

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群馬県女流アマ囲碁大会/2010

2010-01-25 19:40:00 | アマ棋戦

昨日(1/24)、県女流アマ囲碁大会が行われ、優勝は野村さん、準優勝は惣蔵さんという結果となりました。
両者は共に県女流界のベテランですが、そろそろ新鋭の登場が期待されるところです。
全国大会には優勝、準優勝の2名が出場します。他県の壁は厚く苦戦が予想されますが、善戦を期待しましょう。

準優勝の惣蔵さんは子供囲碁教室のスタッフをされています。今回の活躍で生徒たちにも面目を果たし、よい目標になると思います。

今回の参加者は17人とジリ貧状態です。高校の囲碁大会では女子生徒も結構参加しており、PRの枠を拡げることも必要でしょうね。

         ◇  ◇  ◇

女流の大会で思うのは雰囲気が「和やかな」ことでしょうか。
男性の大会ですとピリピリとしていて、会話もあまりありません。

先日、NHKの「ためしてガッテン」という番組で「女性の最強ダイエット」を放送していました。
その中で女性の脳の特徴として、「他者に反応することが好き(おしゃべりが大好き)」と解説していました。
「ナルホド」とガッテンしましたね。

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こども囲碁教室と町内定例碁会(2010/01/23)

2010-01-23 19:48:17 | 囲碁

今日の午前中は囲碁教室「伊勢崎こども囲碁アカデミー」の指導スタッフ。
今回は連碁(3人対4人)を行い、局後にスタッフによる解説を行いました。

まだ2桁級の生徒なので、解説もそのレベルに合わせたコメントが必要となります。解説したM谷さんも苦労のあとが感じられました。

指導スタッフとしても生徒が理解しやすい説明ができるよう、スキルアップが必要ですね。

    ◇   ◇

Tama5 午後は玉村町囲碁会の定例碁会、20人ほどのメンバーが集まっていました。
今月の大会で優勝したO原さんと対戦し、定先で2連敗。悔しいですね。

この会で当面のライバルはこのO原さん、今年中には互先で対等の成績を残したいと思っています。

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グリーン碁石/夏樹静子

2010-01-21 22:07:49 | 囲碁

月刊「碁ワールド/2月号」に「グリーン碁石・女流プロ交流会」の第1戦が載っていました。
これはグリーン碁石を発案した夏樹静子さんの主催。韓国棋院/ゼイ廼偉・九段と日本の女流プロ6人が対戦する企画で、対局で使用する碁石は当然ながらグリーン碁石です。
第1戦は鈴木歩四段が挑戦しましたが、力みすぎたかゼイ九段の前に討ち死にでした。

夏樹さんは眼精疲労の治療で医者から「緑を眺めて休みなさい」と云われ、それがヒントになりグリーン碁石を誕生させたそうです。
また、バングラディシュの人に碁を教えている青年から「碁は上手が白、下手が黒を持つ習慣があります。私たちの想像以上に肌の色を気にする人に、黒が下ということが云いにくかった。グリーン碁石でその問題が解決した」という手紙が届いたとのこと。いい話ですね。

このグリーン碁石、10年以上も前でしょうか、勤務先の囲碁部で1セット購入しました。
目に優しいという触込みですが、云われてみればそうかなという印象でした。
私は結構気に入って部員に効能などをPRしたのですが、対局に夢中で評判はイマイチのようでしたね。
勤務先の囲碁部も今はほとんど休眠状態ですが、あのグリーン碁石の行方が気になります。

    ◇   ◇

夏樹静子さんはミステリー作家として有名ですが、囲碁の棋力はアマ二段とのこと。
毎年「夏樹静子杯グリーン碁石囲碁大会」を開催しているそうですが、有難いことですね。

先日(1/11)TVで夏樹さん原作の「Wの悲劇」が放映されていました。
二時間半の長時間ドラマで持久力が続かずパスしてしまいましたが、薬師丸ひろ子主演の映画もありましたね。
機会があればレンタルDVDで見ようかと思っています。

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ネット囲碁サイトで感じたこと

2010-01-19 18:09:16 | 囲碁

現在利用しているネット囲碁対局サイト(U玄の間)を利用するようになって、3年半ほどになります。
タイトル戦の中継も観戦でき、満足度はまずまずといったところでしょうか。

ときどき気になるのは中国・韓国の人と当たることです。
本サイトは「日・中・韓」それぞれのサーバが用意されており、日本サーバには1割ほど外国の方が入室してきます。
中国・韓国の方が多いのですが、台湾、タイ、アメリカなどの方もいます。

ところが中国、韓国のサーバでは、自国以外の人はほとんど見当たりません。
理由はよく分かりませんが、良い方に解釈すれば日本サーバはマナーがよいということでしょうか。
悪い方の想像としては、必要以上の対抗心があるのかも知れません。

中・韓の人と組み合わせの場合、受けるか否か迷います。
不調なときはキャンセルしますが、待ち状態が長いような場合は消極的な気持で対戦します。
勝率は3割くらいでしょうか、気分的な影響もあるのかもしれません。

世の中、国際化が進んでいますが、異質な文化・歴史に融合するのは単純ではないようです。

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こども囲碁教室と町内定例碁会('10/01/16)

2010-01-17 21:11:51 | 囲碁

昨日(1/16)、午前中は囲碁教室「伊勢崎こども囲碁アカデミー」の指導スタッフ。
この日は13路盤メンバーの指導碁を行いました。
対局後に手順を並べ直して留意点を説明するのですが、適切であったかヒヤ汗ものです。

塾生に幼稚園児がいるのですが、機嫌が悪いとグズッてしまいます。
こうした場合お手上げ状態ですが、なんとか興味を持ってもらえるような工夫が必要ですね。

    ◇   ◇

Tama5 午後は玉村町囲碁会の定例碁会、毎回20人ほどのメンバーが集まってきます。
ほとんどが60歳以上のメンバーですが、昨日は小学生と中学生が1名ずつ来ていました。

中学生(級位レベル)が対戦相手を探している様子でしたので対戦し、対局後に気付いた点を説明、こちでも指導碁になりました。

ザル碁党が指導碁とはおこがましいのですが、指導ノウハウを吸収しながら普及に役立てればと思っています。

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第22期女流名人戦/挑戦者に向井三段

2010-01-15 21:53:15 | プロ棋士

第22期女流名人戦の本戦リーグ最終一斉対局が1月7日、日本棋院で行われ、向井千瑛(ちあき)三段が謝依旻(しぇい・いみん)女流名人への挑戦権を獲得した。

最終戦は鈴木歩四段-奥田あや二段、梅沢由香里女流棋聖-向井三段、知念かおり四段-吉田美香八段の3局が一斉に行われ(加藤啓子六段は手空き)、奥田二段、向井三段、知念四段が勝利を収めた。
この結果、同星で並んでいた鈴木四段が敗れ、向井三段が5勝目(1敗)を挙げて単独トップになり挑戦者に決まった。

     (産経囲碁Webより抜粋)

    ◇   ◇

向井三段、好調です。最終局は短手数で梅沢さんが投了となり、鈴木さんの結果待ちでした。
その鈴木さんは奥田さんに無念の半目負けを喫し、向井さんの挑戦者が決まりました。
謝さんとの三番勝負、女流特有の乱戦模様が楽しみですね。

向井さんは第8期正官庄杯/世界女流選手権(日中韓、5棋士の勝ち抜き戦)でも貴重な1勝をあげており、ここのところ好調を維持しています。
向井さんに敗れた梅沢さん、正官庄杯でも必勝の碁を落としており、イマイチ切れが悪いようですね。

向井千瑛三段は長女の三村芳織二段、次女の長島梢恵初段と三姉妹で女流プロになっています。
兄弟姉妹のプロというと小林四姉弟(小林千寿五段、小林健二七段、準棋士小林孝之、小林覚九段)、関西では山田三兄弟(山田至宝六段、山田和貴雄七段、山田規三生九段)などが有名ですが、いずれも一番下が活躍しています。
末っ子は兄や姉のよい部分を、うまく吸収しているのかもしれませんね。

    ◇   ◇

向井千瑛(ちあき)さんと読みが同じ名前で、日本人女性初の宇宙飛行士/向井千秋(むかいちあき)さんがいます。(群馬県館林市出身)

名前以外の共通点はありませんが、囲碁の向井さんも日本全国ニュースの一面を賑わすような活躍をしてほしいものです。

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院生序列表(1月分)/群馬県出身は

2010-01-13 21:44:11 | プロ棋士

日本棋院HPに院生序列表1月分が載っていました。
現在、群馬県出身の院生(東京本院)は3人います。

◎女流特別採用試験本戦
 2位:木部夏生さん(群馬/太田)
 4位:新井満涌さん(群馬/富岡)
◎一般枠
 14位(Bクラス4位):本木克弥さん(群馬/藤岡)

プロ入段に一番近い位置にいるには木部さん、1月~2月にかけて「女流特別採用試験本戦」の結果で決まるようです。
序列1位には藤沢里菜さんという天才少女が控えており、厳しい選抜戦になりますね。
県内の囲碁ファンにとって、三谷哲也五段に続くプロ棋士の誕生を心待ちにしています。

   ◇   ◇

子供たちの囲碁人口は野球やサッカーに比べて大幅に少なく、プロ志望者もほんの一握りの特殊な世界で、保護者は大変なエネルギーを費やすと思われます。

どんな世界も一流のプロになるためには本人の努力とともに、周囲の人たちの理解、熱意が必要ということでしょうね。

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