天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第63期本因坊戦第4局/激戦制し羽根1勝

2008-06-29 23:22:31 | プロ棋戦

 三重県四日市市の茶室泗翠庵(しすいあん)で6月23日から行われた第63期本因坊決定戦七番勝負の第4局は挑戦者の羽根直樹九段が本因坊秀紳に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝3敗とした。第5局は7月1、2の両日、千葉県銚子市のぎょうけい館で行われる。
 本局は今シリーズで最も激しい戦いに。地元でカド番を迎えた羽根が、4連覇を目指す秀紳を破り、待望の1勝をあげた。

<羽根九段の話>
 右辺の戦いが一段落したところで、形勢がいいと思いました。ヨセで堅く打ちすぎて細かくなったものの、中の白地を減らして勝ちになりました。

<本因坊秀紳の話>
 1日目は右下の折衝で誤算がありました。右辺の戦いは、自分でもよくわからない難しさでした。一生懸命打った碁なので、結果は仕方ありません。

            (毎日新聞より抜粋)

       ◇   ◇   ◇

羽根九段が中盤まで堅実に打ち回し、本因坊の攻めにカウンター・パンチで反撃し優勢となったようです。

一方の敗れた高尾本因坊、1~3局までは羽根九段が仕掛け本因坊が受ける展開でしたが、本局は逆の流れから反撃され苦しくなったようです。

羽根九段が3連敗から1勝を返し、主催者・関係者もホッとしたことでしょう。高尾ファンを除けば1局でも多く打ってほしいもの、第5局の熱戦を期待しましょう。

       ◇   ◇   ◇

今回の対局地は三重県四日市市の茶室泗翠庵。
四日市へは15年ほど前でしょうか、姪の結婚式で訪れたことがあります。駅周辺を散策した程度でしたが、結構大きな街だったように記憶しています。
あと、入社した頃の同期生で四日市出身者がいたのですが、言葉使いが荒っぽいという印象でしたね。

---以下、Wikipediaより抜粋---

四日市市は、三重県下最大の人口を擁する中京工業地帯有数の工業地域である。近鉄名古屋線などが通ることから名古屋への通勤・通学者が多く、郊外の団地は名古屋のベッドタウン化している。
古くは、東海道の宿駅で、伊勢神宮への分岐点となる日永の追分もある。
市名は四のつく日に市がたったことに由来し、現在も各地で市が開かれている。
四日市ぜんそくの発生地として全国的にその悪名を轟かせてしまったが、郊外には田園や茶畑が広がる豊かな自然が望める。

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囲碁書籍/キミオのおもろい詰碁道場

2008-06-26 22:05:47 | 囲碁

Kimiotsumego ◆書籍紹介
 ・書籍名:キミオのおもろい詰碁道場
 ・発行所:日本棋院   ・著者:山田規三生
 ・発売日:2008年6月15日
■内容紹介
 ・実戦詰碁から難解詰碁まで87題

 ・山田九段のおもしろエッセイ50篇
 ・著名棋士の【ここだけの話】20篇、イニシャルトークでマニア度チェック!

先週、本書を探して見つからなかったのですが、駅に隣接した中規模の書店をのぞいたところありました。
囲碁コーナーのスペースは大型書店の2割程度なのになぜでしょう?不思議です。

   ◇   ◇

本書の詰碁問題はまだ1割ほどしか見てませんが、詰碁問題とは別に山田九段の「囲碁エッセイ」とクイズ形式の「イニシャルトーク」のコーナーあります。こちらの方はなぜかすぐに読み終わってしまいました。

20問のイニシャルトークは1問が分からず、19問正解。評価は「相当なツウとお見受けしました。関西の棋士や、若手棋士が、難問でしたか」ということでした。あまり自慢にもなりませんね。

間違った1問:「ナニワ名物は東大卒」
 ボクの周りにいる大阪のオモロイ棋士たちも、紹介したいと思います。
 ここで問題、東大卒の棋士は三人いますが、全員の名前を挙げられますか?
 東京本院の石倉昇九段と、光永淳造五段、もうひとりは関西総本部のK・Kさんです。
 東大を卒業後、九州大学の大学院を出た後に、棋士を志した異色のK・Kさん。数学科なので、四桁の掛算は、あっという間にできます。
 ところが、碁の計算は、まったくダメ。ヨセも形勢判断もおおざっぱです。高等な数学と、碁の計算は別物でした。
 でも詰碁には自信を持っています。図形には強いタイプなのでしょうか。

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アマ本因坊戦県大会/2008本選

2008-06-25 19:30:45 | アマ棋戦

Ishii  アマチュア本因坊戦の県大会は6月22日、決勝トーナメントが行われ、石井成幸さん(69)=太田市=が4年ぶり10度目の優勝を果たした。石井さんは、8月29日から日本棋院(東京・市ケ谷)で開かれる全国大会に出場する。
 決勝トーナメントは予選を勝ち抜いた8人が、3位決定戦を含め8局の熱戦を繰り広げた。
 決勝は石井さんと奈良昌利さん(56)=桐生市=の顔合わせ。序盤は奈良さんのミスが重なったが、中盤で盛り返して緊迫した雰囲気に。両者とも持ち時間70分をぎりぎりまで使う熱戦となり、最後は石井さんが寄せ切った。
 対局後、石井さんは「最近はなかなか勝てなかったのでうれしさもひとしお」と笑顔。全国大会で4位に輝いた経験もあり、「若い人との対戦が楽しみ」と意気込みを語った。

                 (毎日新聞地方版より抜粋)

      ◇   ◇   ◇

県代表となった石井さん、相変わらずの強さです。昭和41年の「朝日アマ十傑戦/全国大会」で優勝してから、もう40年以上も県下の第一人者として活躍してきました。
一流プロ棋士が「10代に必死で勉強して蓄えた財産が現在を支えている」というようなことを言っていました。
石井さんも若い頃にみっちりと勉強され、その力で長年上位を維持してきたのでしょうね。

そんな強豪連に比べ、未だ高段に手の届かない熟年のザル碁党はどうすれば力がつくのでしょうか。
答えは分かっているのです。問題は行動がついていかない・・・・ 

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映画/ザ・マジックアワー

2008-06-23 22:26:14 | 映画

先日、三谷幸喜(脚本・監督)の映画「ザ・マジックアワー」を見てきました。
絶妙なストーリーの展開は終始、観客を引き付けて笑いが絶えませんでした。
三谷監督の奇抜な発想、懐の深さ、引き出しの多さに感嘆の思いです。

スタイルはアメリカのコメディ-風で、スピーディな展開は前作の「THE有頂天ホテル」と共通しているようです。
ただこのスピード感、若い人には爽快に感じるかもしれませんが中高年には「ついてゆけない」と感じる人もいるような気がします。

同じコメディーで「フーテンの寅さん」の対極にあるように思います。
アメリカン・スタイルの三谷作品と日本的郷愁の「フーテンの寅さん」、世代によって好みも変化するようです。

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詰碁の本

2008-06-20 20:43:56 | 囲碁

先日、「キミオのおもろい詰碁道場」という本が発売になったということで、大型書店に行ってみました。
置いてありませんでした。しかたなく二店目で探したのですが、やっぱり無く徒労に終わりました。
そういえば「2008囲碁年鑑」もなかったようです。日本棋院の事情か、書店の事情か分かりませんが新刊書くらいは揃えておいてほしいものです。

    ◇  ◇

囲碁上達の三本柱といえば「実戦、棋譜並べ、詰碁」と相場は決まっているようです。
そしてこの三種をバランスよく組み合わせて学べば、上達は疑いなしといえるでしょう。

しかし加齢とともに苦手な種目が出てきます。それは「詰碁」、面倒で継続が難しいんですね。
そこで「おもろい詰碁道場」というタイトルに引かれたのですが、残念でした。

ところで「詰碁」とか「手筋」の本はほとんど「黒先」の問題形式になっています。解答をみて「ナルホド」と思うわけですが、黒と白の配石が逆になったら「ナルホド」ではなくなってしまうような気がします。
ザル碁党向けに「白先」の問題集があってもいいのではと思いますが、いかがなものでしょう。
・・・そんな、どうでもいい事を考えているから、上達しないんですね。 

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第21回世界囲碁・富士通杯/依田敗れ日本勢消える

2008-06-18 21:03:21 | プロ棋戦

第21回世界選手権富士通杯の準々決勝は6月7日に中国・北京で行われ、 日本からただ一人勝ち残っていた依田紀基九段が李昌鎬九段(韓国)に敗れ、 ベスト4進出はならなかった。
11連覇を狙い、4人残っていた韓国勢は李昌鎬を除いて敗れ、ベスト4には中国3名、韓国1名が進出した。 
準決勝は7月5日(土)、決勝戦・3位決定戦は7月7日(月)に東京・市ヶ谷の日本棋院会館で行われる。

      (日本棋院HPより抜粋)

    ◇   ◇   ◇

国際棋戦における日本勢の低調は相変わらずです。7月上旬に東京で行われる準決勝・決勝戦は中国3(常昊、古力、劉星)、韓国1(李昌鎬)の4棋士で争われますが、日本主催の棋戦でありながら参加選手は他国ということで、盛り上がりはイマイチ心配です。

Tenis テニスの全英オープン(ウィンブルドン)は自国の選手が活躍しなくても熱狂的な盛り上がりを見せます。囲碁の国際棋戦もテニス同様、メジャーな競技に成長してほしいものです。

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アマ本因坊戦県大会/2008予選

2008-06-17 20:33:42 | アマ棋戦

 囲碁のアマチュア日本一を競う「第54回全日本アマチュア本因坊決定戦」の県大会が6月15日、前橋市文京町の県生涯学習センターで始まった。会場には県内各地から13~79歳までの腕自慢64人が集まり、熱戦を繰り広げた。
 この日は8ブロックに分かれて予選1~4回戦を行い、決勝トーナメント進出の8人を決めた。最年少の渋川市立子持中2年の小沢弘季君(13)は決勝トーナメント進出決定戦で敗れ「経験豊かな人と打ててうれしかった」と話した。

                 (毎日新聞地方版より抜粋)

      ◇   ◇   ◇

ベスト8の年齢構成は10代:1人、40~50代:4人、60代~:3人となっており、20~30代がゼロとなっています。
ビジネスやスポーツなどの分野では20~30代が最前線で活躍していますが、地方の囲碁界はイマイチの状況です。

シルバー世代の競技といえばゲートボールが代表格ですが、囲碁は青少年からシルバー世代までバランスよい構成で進展してほしいものです。

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第63期本因坊戦第3局/本因坊秀紳が3連勝

2008-06-16 20:51:50 | プロ棋戦

 北九州市門司区の門司港ホテルで6月11日から行われた第63期本因坊決定戦七番勝負の第3局は本因坊秀紳(31)が挑戦者の羽根直樹九段(31)に黒番中押し勝ちし、3連勝した。第4局は6月23、24の両日、三重県四日市市の茶室泗翠庵(しすいあん)で行われる。
 秀紳が華麗なしのぎを見せて羽根の強打をかわし、4連覇まであと1勝とした。

<本因坊秀紳の話>
 中央の黒が左上とつながって、よくなったと感じました。最後はやり過ぎて危なかったが、ヨセに入って少し残ったと思いました。

<羽根九段の話>
 布石で失敗しました。最後は闇試合になりましたが、逆転のチャンスはなかったと思いま
す。

            (毎日新聞より抜粋)

       ◇   ◇   ◇

高尾本因坊が羽根挑戦者の攻めを冷静に受けて優勢を築き、突き放した勝利のようでした。
自陣の弱点をきちんと整形し、後顧の憂いをなくして打ち回す本因坊の戦いぶりは「重厚戦車」の本領発揮というところでしょうか。

一方の羽根挑戦者、どうしたのでしょう。どちらかといえば「受け」に強い印象でしたが、このシリーズでは自ら積極的に局面を動かしている打ちぶりです。積極性はよいとしても「急ぎ過ぎ」のような気がしますが・・・。

今回の対局地、門司港が面する関門海峡に宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘で名高い巌流島があります。イメージとしては高尾本因坊が武蔵、羽根挑戦者が小次郎を思い起こさせます。

本因坊の三連勝と一方的な展開となっていますが、一局でも多く熱戦譜を見たいのがファンの気持ち。羽根挑戦者の巻き返しを期待しましょう。

       ◇   ◇   ◇

Minato 今回の対局地は北九州市門司区の門司港ホテル。都市型観光スポットとして異国情緒あふれる港町「門司港レトロ」が注目されています。

----以下、「門司港レトロ倶楽部」HPより抜粋----

「懐かしくて、新しい門司港」
門司港の開港は明治22年(1889年)。北九州の工業力と結びついて大陸貿易の基地となり、最盛期には、1ヶ月に200隻近い外港客船が入港し、国内航路を含めて年間600万人近い乗降客がいたといいます。街には商社やビルディングが建ち並び、盛り場には、洋行客相手の店も多く、門司港の街を華やかに盛り上げていました。それから100年、潮騒やカモメの声は昔のまま、昔ながらの建物とあたらしい建物が混ざり合い、新しくて懐かしい門司港に生まれ変わりました。粋でモダンな街、門司港。ここに来れば、忙しい毎日に忘れてきた大切なものが見つかるはずです。

この頃「レトロ」という言葉をよく聞きます。「懐古趣味」というのでしょうか。
いつの時代を「レトロ」と呼ぶかは年代によって異なるでしょうが、「門司港レトロ」は明治から戦前のようです。

個人的には思春期~青春期を過ごした頃が「レトロ」の時期ように思います。
では現在、青春時代の人にとって「レトロ」という感覚はないかというと、そうでもなさそうです。
人それぞれ「レトロ」という思いに濃淡があるのでしょうね。

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映画/築地魚河岸三代目

2008-06-14 22:01:24 | 映画

Uogashi 人気コミック誌の映画化「築地魚河岸三代目」を見てきました。
「フーテンの寅さん」シリーズに似た下町の人情物で、古きよき日本の義理人情にホロリとさせられます。
企業が社会の中心にある現代で、昔ながらの「人と人のつき合い方」にはホッとさせる懐かしさがあります。

   ◇  ◇  ◇

音楽は本多俊之、サックス奏者として映画やTVなど幅広く活躍しています。
本作品の中でジャズ風の音楽はどうかなと思うところもありましたが、ジャズの好きな人にとっては得した気分になります。

「フーテンの寅さん」の音楽は山本直純さんでした。物語が最高潮のシーンで流れる山本直純さんの哀愁のメロディーは絶品でしたね。

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韓国の河選手が優勝/世界アマ囲碁選手権2008

2008-06-11 20:50:02 | アマ棋戦

世界68の国と地域から選手が参加した、第29回世界アマチュア囲碁選手権が、 5月28日から31日までの4日間、東京・日本棋院会館で行われ、 韓国代表の河成奉選手が全勝で初優勝を果たした。
2位には中国の国宇征選手、3位にはアルゼンチンのフェルナンド・アギラール選手だった。 アギラール選手は南米勢として過去最高順位を達成した。
日本代表の土棟喜行選手は5位に入賞した。

       (日本棋院HPより抜粋)

    ◇  ◇  ◇

韓国:優勝、中国:準優勝はほぼ予想通りの結果と云えましょうか。
最近は「韓・中の二強」といわれ、残念ながら日本は地盤沈下の様相です。
ただ韓国・中国の選手はプロ予備軍としての色合いが濃く、アマチュア大会では別格のような気がします。

この大会はもう29回にもなるんですね。
日本選手の成績はイマイチですが、主催国として世界の囲碁ファンに貢献したことは誇らしいことだと思います。
囲碁に限らずこのような文化交流を通して、世界友好の和が拡がればがハッピーですね。

今回は北朝鮮が国名表記などの問題で不参加となりましたが、国の利害関係で出欠が決まるというのは嘆かわしいことです。

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