天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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NHK囲碁講座「定石のソムリエ」終了

2012-03-30 21:36:52 | テレビ番組

半年間放送された「NHK囲碁講座/定石のソムリエ」が終了しました。
講師の溝上知親・八段、聞き手の新垣未希さん、お疲れさまでした。

この講座、ただ漫然と眺めていても棋力アップにはつながらないですね。
今思えば放送後に、月刊「NHK囲碁講座」で復習すれば感触も違ったのではと反省しています。

「知親定石日記」というコーナーでは、常識にとらわれない発想に感心しました。
溝上八段の師匠はアマの重鎮・菊池康郎さんですが、師匠の教えの中で「反発の精神」を強調していましたね。
確かに相手の言いなりでは勝てないし、面白くありません。自分なりに工夫が必要ということでしょうか。
ただザル碁党の場合「反発の精神」がゆき過ぎて、自滅のケースが少なくありません。要注意ですね。

定石選びで困ったときは・・・「Let's make a choice !」 

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第31期NECカップ決勝戦/高尾が初優勝!

2012-03-28 21:38:56 | プロ棋戦

第31期NECカップ囲碁トーナメント戦は3月17日に東京・日本棋院で決勝戦、25世本因坊治勲―高尾紳路九段戦が行われた。結果は高尾が黒番中押し勝ちをおさめて優勝を決めた。 高尾はNECカップ初優勝。通算タイトル獲得数を12とした。治勲の最多5回目の優勝はならなかった。
   (日本棋院HPより抜粋)

「高尾初優勝、剛腕発揮 治勲を破る」「治勲 攻め合いで後悔」
   (週刊碁見出しより)

    ◇   ◇

棋聖戦では悔しい思いをした高尾九段、本局ではウップンを晴らすような快勝でした。
敗れた治勲さん、攻め合いで意地を張ったのが命取りのようでした。熱くなってはいけませんね。

このNECカップは公開対局で、大盤解説と同時進行しています。
対局者は解説の内容など耳に入らないのでしょうか・・・。

この一戦は3月31日、13:00~BSジャパンで放送される予定です。
治勲さんのボヤき、苦しむ仕草が楽しみですね。

今週の「週刊碁」の記事配置を見ると、1面がこの「NECカップ決勝戦(3/17)」、終面が「十段戦第2局(3/19)」、真ん中の見開きが「NHK杯決勝(3/18)」となっていました。
棋戦の序列と誌面の序列、編集者も悩むところでしょうね。

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第59回NHK杯/結城聡九段が優勝!

2012-03-26 19:55:24 | テレビ番組

第59回NHK杯囲碁トーナメント決勝戦・羽根直樹碁聖―結城聡九段が3月18日にNHK教育テレビで放映された。結果は結城九段が白番5目半勝ちをおさめ優勝を決めた。結城はNHK杯3回目の優勝。
   (日本棋院HPより抜粋)

「結城2年ぶり3度目の優勝、華麗な捨て石作戦」「羽根2度目のVならず」
   (週刊碁見出しより)

    ◇   ◇

3度目の優勝を果たした結城・新NHK杯選手権者。後半からの乱戦で捨て石を機敏に利用し、優勢になったようです。この4年間で3回の優勝とはすごいことです。
準優勝に甘んじた羽根碁聖。本局では大模様の展開でしたが、自身のスタイルではなかった感じでした。

結城九段の対局している表情は、いつもイラついているように見えます。見ている側もあまりいい気分ではありませんね。
一方「忍の貴公子」と呼ばれる羽根碁聖、勝負の優劣にかかわらず不動の姿勢は爽やかです。

優勝、準優勝の両者は「テレビアジア選手権」に出場します。一昨年は結城九段が準優勝と善戦、今年も頑張ってほしいですね。

    ◇   ◇

この決勝戦では「捨て石」がポイントとなったようです。結城九段も「攻め合いに負けた瞬間は失敗した」という感想でした。
「捨てるべきか、捨てざるべきか」、これはザル碁党にとって最大級の難問です。

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第50期十段戦第2局/井山十段が2連勝!

2012-03-24 21:45:32 | プロ棋戦

第50期十段戦五番勝負第2局が3月19日に東京都千代田区の日本棋院で行われた。結果は井山十段が張栩棋聖に黒番中押し勝ちをおさめ、シリーズ成績を2勝0敗として初防衛まであと1勝に迫った。第3局は4月5日(木)に長野県大町市で行われる。
   (日本棋院HPより抜粋)

    ◇   ◇

一進一退の攻防を制した井山十段、2連勝で快調に飛ばしています。
棋聖戦の激闘が終わったばかりの張棋聖、中盤でのミスが敗因のようです。お疲れでしょうか。

棋聖戦最終局はコウ争いで勝利を引き寄せた張棋聖。この局もコウ争いが勝負のポイントでしたが、井山十段がうまく立ち回ったようです。

ザル碁党もコウの対処には手を焼きます。特に上手との対戦では悩まされますね。
個人的には「優勢な局面なら適当に譲歩し、劣勢なら一歩も引かない」という姿勢でしょうか。
ただ、熱くなると「意地でもコウには負けられない」という、悪いクセが出てきます。この辺りが「ザル碁党ならでは」というところでしょうか。

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フランスの小説「碁を打つ女」

2012-03-22 19:53:32 | 囲碁

Gowoman ◆書籍紹介
 ・書籍名:碁を打つ女
 ・発行所:早川書房
 ・著者:シャン・サ(山颯)
 ・訳者:平岡 敦
 ・発行年月:2004年8月
◆内容紹介
1937年、日本が帝国主義を強める満州。満州の娘と日本人士官が互いの素性も知らぬまま対局し、惹かれあう。だが、日本軍と抗日軍の対立は激化し、運命は思わぬ方向へ…。フランスの高校生が選ぶゴンクール賞受賞作。

    ◇   ◇

本書は2004年の作品ですが、しばらく忘れていました。
2週間ほど前、朝日新聞のオススメ記事を見て購入、読み終えたところです。

物語は悲劇なんでしょうが、日本風の感傷的な雰囲気ではなく、乾いた感じがします。これもフランス風なんでしょうか。
本書はフランスの高校生が選ぶゴンクール賞受賞作とのことですが、残虐な表現もあり青少年には??という印象です。

    ◇   ◇

「対局を重ねるうちに愛情が芽生える・・・」そういうこともあるのでしょうか。
残念ながら私達の世代では、そういう状況はほとんどなかったですね。
最近は「囲碁ガール」が注目される時代、囲碁カップルも珍しくないのかも知れません。

プロ棋士同士の結婚は、高梨・井沢プロが昨年暮れに話題になりましたが、結構多いようです。
ただ、愛情を感じるのは囲碁以外の要素だと思いますが・・・。

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第36期棋聖戦第7局/張栩棋聖が防衛で3連覇!

2012-03-20 20:49:33 | プロ棋戦

第36期棋聖戦七番勝負第7局が3月14日、15日に山梨県甲府市で行われた。結果は黒番の張栩棋聖が高尾九段に中押し勝ちをおさめ、シリーズ成績4勝3敗でタイトル防衛を決めた。張は棋聖3連覇。通算タイトル獲得数を37とした。高尾九段の初の棋聖獲得は成らなかった。
   (日本棋院HPより抜粋)

「張栩V3、死闘決着 紙一重の防衛劇」 「高尾 最後に伸びを欠く」
   (週刊碁見出しより)

    ◇   ◇

一日目終了時点では高尾有利の感想が多かったのですが、二日目封じ手のコウ争いからの張棋聖の逆襲が凄かったですね。
「コウの魔術師」の異名をもつ張棋聖、後半から気迫の着手で挑戦者を追い込み、三連覇を果たしました。

棋聖位奪取が夢と消えた高尾九段。最終局に持ち込み意地を見せましたが、あと一歩及ばなかったようです。執念の差でしょうか。

この七番勝負、一進一退の激闘で囲碁ファンを釘づけにしました。対局者、主催者、関係者等、お疲れさまでした。

一日目の14日は女流名人戦で謝さんが五連覇。そして翌日、張さんが棋聖三連覇と台湾出身の棋士が席巻しました。
闘争心というか、覚悟というか、その辺りの差を感じますね。
応援する側としては、日本人棋士にもっと頑張ってほしいと思っている人も多いでしょうね・・・。

    ◇   ◇

今回の対局地は山梨県甲府市「常磐ホテル」。昨年、張棋聖が井山挑戦者を4-2で防衛した場所です。震災が起きた3月11日は対局二日目でしたね。

山梨の英雄といえば文句なく「武田信玄」でしょうね。
薩摩の西郷隆盛、土佐の坂本竜馬など、全国各地に英雄・偉人が存在しますが、地元での支持の高さは甲斐の武田信玄が最右翼だと思います。
地元では「武田信玄」と呼び捨てなどもってのほか、「信玄公」と云わないといけません。

山梨の愛唱歌といえば「武田節」、飲み会で山梨出身者が朗々と唄っていました。
特に「♪人は石垣~ 人は城~」というフレーズはいいですね。

    「武田節」
♪ 甲斐の山々~ 陽に映えて~
  われ出陣に~ うれいなし~

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第24期女流名人戦第2局/謝依旻が5連覇!

2012-03-18 20:52:53 | プロ棋戦

第24期女流名人戦三番勝負第2局が3月14日に京都市で行われた。結果は謝女流名人が向井千瑛五段に黒番1目半勝ちをおさめた。これでシリーズ2連勝で女流名人防衛、5連覇を達成し名誉女流名人の資格を得た。
   (日本棋院HPより抜粋)

「謝依旻V5、史上初の名誉女流名人の誕生」「向井6度目の正直ならず、ヨセで息切れ」
   (週刊碁見出しより)

    ◇   ◇

女流名人5連覇の謝さん。中盤までは苦しい展開のようでしたが、終盤力の強さが光りました。
女流本因坊戦に続く名誉タイトル獲得、謝さんの一強時代はどこまで続くのでしょう。
ただ国際棋戦となると、胸を張れる戦績は残していません。今後の課題ですね。

過去、謝さんに圧倒されている向井さん。中盤あたりまでは謝さんに負けないパンチを繰り出していましたが、後半からの失速は無念。奮起を期待しましょう。

    ◇   ◇

今回の対局地は京都市の平安女学院「有栖館」。有栖川宮の邸宅として建てられ、2008年に平安女学院が取得したそうです。
第1局の対局地は大阪商業大学でした。続けて学校施設が対局場に使われたのは珍しいことですね。

京都の「ご当地ソング」は色々ありますが、1966年にデューク・エイセスが唄った「女ひとり」はいい曲でしたね。
地名や寺院の名称が、京都のイメージをふくらませてくれました。

  「女ひとり」
 ・作詞:永六輔 ・作曲:いずみたく

  ♪ 京都~ 大原三千院~
   恋に疲れた 女が一人~
     ・
     ・
 ♪ 京都~ 栂尾(トガノオ)高山寺~
   恋に疲れた 女が一人~
     ・
     ・
 ♪  京都~ 嵐山(ランザン)大覚寺~
   恋に疲れた 女が一人~
     ・
     ・
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月刊誌「囲碁」4月で休刊へ

2012-03-16 21:09:30 | 囲碁

Monthly_igo  囲碁愛好家向けの月刊誌として60年以上の歴史を持つ誠文堂新光社の「囲碁」が4月5日発売の5月号(通巻737号)をもって休刊することになった。
    (朝日新聞囲碁Webより抜粋)

     ◇   ◇

月刊「囲碁」休刊ですか。残念なことです。
囲碁人口の減少、高齢化に耐えられなかったということでしょうか。
ここ5~6年ほど定期購読していたんですが・・・。

日本棋院の「碁ワールド」はトピックス、イベント、グラビアなどの記事が多いのですが、月刊「囲碁」は上達講座などが充実しており、棋力アップを望むユーザには評価されていたと思います。

付録の「名局細解」はキメ細かい解説で、本気で読めば(並べれば)勉強になったでしょうね。
私は上っ面しか理解できませんでしたが・・・。

懸賞問題は応募したすべての人の氏名が載っており、これを励みに問題に取り組んだ人もいたことでしょう。
私も一時期、応募していましたが途中で挫折しました・・・。

大矢浩一九段のプロ・アマ置碁問答「なぜそう打つ、なぜそうなる」というコーナーは、下手の疑問手、着手の心理を丁寧に解説し、ザル碁党には参考になりました。

休刊ということですが、復刊は難しいでしょうね・・・。

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第54回女流アマ選手権/新井満涌さんが初優勝!

2012-03-14 21:25:37 | アマ棋戦

第54回全日本女流アマ囲碁選手権大会が3月3日、4日の二日に渡って日本棋院市ヶ谷本院で開かれた。決勝は新井満涌さん(関東)と呉理沙さん(京都)の対局となり、新井さんが黒番2目半勝ちをおさめ初優勝した。
   (日本棋院HPより抜粋)

「笑顔の新女王、新井満涌さん優勝」
   (週刊碁見出しより)

    ◇   ◇

17歳の新女王・新井さん、決勝戦では押され気味でしたが、終盤のヨセで逆転したようです。勝負強いですね。

新井さんは群馬県の少年少女大会や女流選手権で活躍。院生時代は本年度入段した群馬出身の本木克弥さん、木部夏生さん等とプロを目指して頑張ったようです。
プロ入段はお預けとなりましたが、本大会優勝を弾みにプロ棋士への夢を果たしてほしいですね。

群馬県代表の西本さん、野村さんは残念ながら1回戦で敗退、全国の壁は厚いようです。

    ◇   ◇

今日行われていた「女流名人戦」は謝さんが勝ち、シリーズ2連勝で女流名人防衛、5連覇を達成したようです。
謝さんの牙城を崩すは誰か、新勢力の台頭を期待しましょう。

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本因坊秀和、幻の黒番/風鈴会

2012-03-12 22:21:48 | 囲碁

Wind_1_3_2 昨日(3/11)は定例の「風鈴会」の日。
講座の内容は「本因坊秀和、幻の黒番」ということで、明治4年に打たれた本因坊秀和(黒)と村瀬秀甫(白)戦の解説でした。
秀和が弟子に対して黒を持ったのは秀甫との2局のみで、「黒の名局」と云われているそうです。

・黒番:本因坊秀和(黒中押し勝ち)
・白番:村瀬秀甫

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一見ヌルイと思われる手(図.黒1~19)が、勝着となる石運びで注目とのこと。
鈴木師範も、この本因坊秀和(黒番)の棋譜を並べて「感動した」と語っていました。
ザル碁党からみると俗っぽい着手の印象ですが、プロの視点は違うんですね。

   ◇   ◇

今回の実戦対局は〇〇の2連勝、下り坂の脳がいい汗をかきました。
〇1局目は5歳ほど先輩の「H鎌さん」との互先(黒番)。序盤で大石が取られたと思い必死で勝負手を繰り出していたのですが、後半になってよく確認すると大石はセキ。何とも恥ずかしい勝局でした。
〇2局目は30代くらいに見える「KM谷さん」と白番(コミなし)。相手の強引な切断にヒヤッとしましたが、有利なフリカワリで逃げ切りました。

   ◇   ◇

例会の後は、常連が集まっての懇親会。
例会では私と同世代のメンバーが5~6人いたのですが、懇親会で「たそがれ世代」は私一人でした。
囲碁の話題に世代間のズレはないのですが、同世代との談笑も楽しみたいところです。

   ◇   ◇

この日「3・11」は大震災から1周年、早いものです。
「3・11」は忘れてはいけないけど、忘れたいこともあるような気がします。

ザル碁党は勝った対局は覚えていますが、負けた対局は忘れてしまいます。都合のいいメモリーですが、それでOKでしょう・・・。

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