王座戦五番勝負第3局は11月30日、山形県鶴岡市で打たれ黒番の山下棋聖が中押し勝ちした。これで対戦成績は山下棋聖の2勝1敗となり、初の王座獲得へあと1勝と迫った。第4局は12月7日、名古屋市で打たれる。
<立会人の王立誠九段の目>
山下棋聖が下を走った、地をかせぐ碁を打ったので、張王座は調子を崩したのでしょう。いつも相手をしている山下棋聖ではなかった。
今までは、すごく手厚く打っていた山下さんが、すごく薄く地を稼いでいたので張王座は驚いたでしょうね。
<山下棋聖の話>
序盤はいい気がしなかったが、右辺白の3子を取って、いけそうな感じがしました。もう1局勝たないと意味がないので、頑張りたいと思います
<張王座の話>
右下白の開きは、一路左へ高く開かないといけませんでした。右下の白の眼形が薄くてびっくりしました。そこからは苦しい流れで、終盤はチャンスがなかったと思います。
(日経 e-碁サロンより抜粋)
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山下棋聖は攻めを前提にした「厚い碁」が持ち味ですが、今回は地にこだわった戦法で快勝のようでした。
この「王座戦」と並行して行われている「天元戦」(河野天元に1勝2敗)、来年初頭からの「棋聖戦」(小林覚九段との防衛戦)とタイトル戦が続き、冬将軍といわれている山下棋聖ですが四天王から抜きんでるか、この冬が正念場のようです。
一方、今年前半戦では向うところ敵なしの張栩王座でしたが、名人位を失いこの王座もピンチで苦しい立場となっています。
今週の第4局は得意の黒番、必死の戦いが予想されます。
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今回の対局地は山形県鶴岡市のあつみ温泉「萬国屋」。2年前も同じ場所、同じ顔合わせで行われました。
鶴岡市へはもう30年ほど前、「奥羽地方一人旅」したときに訪れたことがあります。
その頃は観光ルートも整備されておらず、不便だったと記憶していますが今はどうでしょう。
あの頃はガイドブックに従い訪れたものの、歴史など予備知識もなかったためあまり印象に残っていません。
もう一度、ゆっくり散策してみたいものです。
鶴岡市は平成17年10月1日、鶴岡市、藤島町、羽黒町、櫛引町、朝日村、温海町が合併し、新たに「鶴岡市」がスタートしたそうです。
平成の市町村合併も一段落したようですが、住みやすい町になるかどうかはこれからですね。