『フード・インク』

映画に限らずこの手のドキュメンタリーってもれなくモンサント社が悪役にされているよね。別にモンサント社に肩入れするわけではないけど、会社側の言い分がどんなものか聞いてみたいよ。

ここまで人類の人口が増えてしまうと、食の工業化と言うのは避けられない問題だと思う。それを無視しして有機農業の推進を声高々にあげるのは理想論に過ぎない。
食の問題は理想と現実を行き交う非常に難しい問題だが、安全なものを食べたいという気持ちは私もよくわかる。しかし、この手の映画はどうも一方的過ぎて好きになれないな。結局大企業と政府の批判に終わるんだよね。

『ポラロイド』

予告ので出来が良かったので観に行ったが、なんてことのない映画で残念。宣伝文句の大袈裟さに騙された。

てっきり心理的に怖がらせてくるような映画かと思ったが、いつも通りモンスター（とはちがうけど）が襲ってくる映画だ。そんで時々大きい音出してビビらせてくるだけのなんのひねりもない映画。せめてストーリーの方だけでももう少し頑張ってほしかったな。

『天気の子』

この年になると青春物を観るのがきつくなってくる。それでもこの作品は楽しみに待っていた。

前作『君の名は。』を気に入った人ならおそらく気に入る作品だ。しかしながらこの2つの映画にはっきりとした違いはないように思える。もちろんストーリーは全くの別物で似通うところもないのだが、新海監督はこういう「作風」の人なのねと決定づけるには十分すぎる。

相変わらず作画は素晴らしい。東京の街の綺麗なところも路地裏の汚いところも上手に描けている。前々から思っていたが、この人にアニメでTOKYOのプロ―モーションビデオを作ってほしいな。

ストーリーの方は口では説明しにくいが、登場人物が良くも悪くも正直にまっすぐ進んでいくのがいい。しかし、若さゆえの考えなしの行動にイラッとする場面もあるが、それが青春映画の醍醐味なんだろうな。そもそも家出してきた理由がわからないのがなんかモヤモヤ。
しかしながら、あの拳銃の捨て方はあまりに適当すぎではないか。あの水没した東京に人が住み続けるのもどうなのかとも思った。あと、ヒロインがハンバーガー屋をクビになって次に行くところが性産業っていうのもしっくりこない。

前作もそうだが、現実世界に現れた非日常というありふれながらも、難しいテーマをとてもうまく良く描いていると思う。とってもエネルギーにあふれたいい作品であった。

しかしながら、前作のキャラを出すのはファンサービスとはいえちょっと戸惑った。あと、冒頭のバニラにも苦笑い。