■■連載小説 経営コンサルタント竹根好助の先見思考経営 08
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【本書の読み方】
この小説は、これまで経営コンサルタントが主役になった小説がなく、脇役的な存在であることが多い、経営コンサルタントが主役です。「経営コンサルタント竹根好助シリーズ」の第4作目で、400字詰め原稿用紙120枚ほどの中編経営コンサルタント小説です。
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。
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■■ 1 親子のいさかい 4
【本書の読み方】
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。
【回想】
「活版印刷機を買ったらどうかな。でも、金がないか。」
いいアイディアだと思った育雄の顔が一瞬明るさを持ったがすぐにしぼんでしまった。
「いや、育雄、いや、常務、それは名案かもしれないな。」
「だって、親父、菊半裁の活版機でも相当するのじゃないかい?やっぱり無理だよ。」
「そりゃ、新品なら高いだろうけど、中古だったらどうだ?」
「ホウ、いいね。いくらくらいかね。」
「数百万円はするだろうけど、そのくらいなら銀行だって貸してくれるだろう。なにしろ終戦後すぐに銀行取引を初めて二十何年になるんだからナ。これまで、貯金はしても借りることなんか、一銭たりともなかったんだから。」
「だけどさ、親父、機械だけ買っても、うちで印刷機を使えるやつは誰もいないよ。活版機となると謄写輪転機っていうわけには行かないからな。」
「なあに、カナさんなら、何とかするさ。あの人の技術は天下一品だよ。機械が調子悪いときでも、なだめながら使い始めて、いつの間にか本調子にさせてしまうんだからな。」
工場長の金山は、育太郎が会社を起こして数年たった時に、手刷りの謄写版印刷をさせるために雇って以来、印刷機とつきあってきている。
育太郎は、後ろ向きなことをいう育雄をしかりつけながらも育雄の活版印刷に目をつけるなどの斬新な発想は自分にないよいモノを持っていると思った。
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