時代物で読む気にそそられるのが、道中もの
道中ものはやはり面白い、この道中は江戸から津軽三厩までの長い道中
万延元年、姦通の罪を犯した旗本青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。
だがこの男の答えは「痛いからいやだ」こまった奉行所は結局蝦夷松前藩
に流罪となり、押送人の見習い与力・石川乙次郎とともに奥州街道を北へと
進む、口も態度も悪く乙次郎を悩ませる玄蕃・・
しかし道中に行き会う事情を抱えた人を見捨てぬ心息があった。
行き会うのは、父の仇を探す侍、無実の罪を被る少年、病をへて故郷の水が
飲みたいと願う女・・・
最後は玄蕃の罪の真実は冤罪であったがなぜ罪を被つたか・・武士の鏡で
ある男がなぜ恥を晒してまで生き延びたかの答えが最後にまっている。
やはり道中で出会う人々とトラブルなど道中もの面白さが満載
さすがは浅田次郎、退屈はしない時代小説
面白かった・・・