四国数学協議会が主催する冬の合宿研究会が内子であり、参加した。25日(土)午後と26日(日)の午前の約一日であった。
どうして参加する気になったかというと「水道方式とは何か」「その応用」についての市川良先生の講義が行われると案内に書いてあったからだ。
ところが市川さんの講義はなかなかくだけた(informal)ものであって、正面からがっちりと受け止めたという風ではなかった。彼が用意したプリントは「水道方式とは何か」「その応用」を簡潔に書いてあったが、講演はもっとくだけたもので、あちらにとびこちらにとび、脱線があり、きわめて面白いものであった。
水道方式について真正面から論じると思っていたので、ちょっと予想がはずれたが、それだからつまらないではなく、むしろ興味深々の講演であった。市川さんは東京書籍発行の数学教科書の編集委員の一人で、他の偉い先生方に伍しての編集会議への参加であったらしい。
そのためのいくつかの面白い裏話も聞くことができた。日本を代表する数学者で、東京図書の教科書の編集委員の小平邦彦、広中平祐さんの意見とか考えのごく一部だがうかがい知ることができた。
小学校の先生がこれらの偉い編集委員を全部ではないにしても相手に自説を曲げずに議論をしているさまを想像すると痛快でもある。
東京書籍というアカデミックな雰囲気の教科書の編修委員会の中に入った異質な編集委員である。これも、しかしながら、ある意味では数学教育協議会の実績を評価してのことであったろうとのことである。
ただ、彼の意見が通ることは少なかったということである。いろいろ原稿はたくさん書いたらしいが、それのごく一部しか採択をされていないという。
彼の話を聞いていろいろと感じるところがあったが、また徐々に披露していこう。