論文を読むことは私のような者にはある種の義務だろうが、なかなか読めないといらいらしてくる。これは誰のせいでもないが、自分の頭の悪さを嘆きたくもなる。
というのは私は「数学・物理通信」というある種の雑誌を発行しているから、そこに論文を投稿される方がおられるのだが、読まないでもある程度しっかりした論文を投稿される方だと思える方にははじめからある種の安心がある。
もちろん、どんな論文も全く読まないことはないのだが、それでも少し表現を変えてもらうくらいですむ人は問題がない。ところがそういう方々ばかりではない。論文の意義とかではなくて、論文の表現とか著者の感性とかを私がなかなか理解できない方がおられる。
これは私との単に相性の問題なのか、私の理解力の不足によるのかはわからない。雑誌の表紙に名前の出ているのは、3人の編集者であるが、一人の筆頭に出ている編集者のNさんは、長い間の病気で編集にはまったく物理的にかかわることができない。
そして実働で働けるもう一人の編集者のSさんは何でもこなせる優秀な方である。だが、最近は彼の優秀さに頼ることが多かったので、自分でも少し動かなければという気持ちから投稿された論文を読もうとしている。それで自分の非力を嘆いている。
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