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物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

『力学講義ノート』

2025-01-02 12:27:46 | 物理学
畏敬する元京都大学の北野正雄先生の『力学講義ノート』(サイエンス社)を正月の1日に送っていただいた。

北野先生にお礼のメールを書く前にこのブログを書いている。私もあまり力学の講義をしたことがない。それでも1度か2度はしている。

力学については独自の意見はあまりないが、遠心力とか慣性力が見掛けの力だといういい方には以前から疑問に感じている。そこははっきりと北野先生のこの新しい本では書かれているらしい。

この本のレベルでは関係がないが、大学受験程度では力は遠隔力と接触力との二つに分かれるとの指摘も必要だろう。

この本では双対性という考えを大事にしているらしい。そのために独自の記号が導入されている。双対ペアリングという用語が使われている。

この記号がこの本の普及のために障害とならなければいいのだが。この本の成功を祈っている。

この本を出版されたことによって、北野先生は電磁気学、力学、量子力学の3つの分野のテクストを書かれたことになる。

日本の優れた研究者でかつ教育者の一人で北野先生はあるだろうと思う。

7 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
加速とマッハの原理 (コウジ)
2025-01-03 09:01:20
ご指摘で思う所が在り、追記します。
特に19世紀後半にE・マッハが
「慣性質量」と「重力質量」
を同等と仮定した訳ですが
加速に伴う重さの概念と
万有引力に起因する
各種の力のつり合いは
同等とみなせる場合と
区別して考える場合がありますね。

一般相対論の記述が示唆を与えますが、
考える余地が大きい分野だと思えます。

「見掛けの力」の重要性を
もっと初学者に伝えたいと感じます。
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慣性系と非慣性系とで (aoyama)
2025-01-03 11:02:24
慣性系と非慣性系とで取り扱いがちがってくると北野先生は考えておられるようです。

私自身は実際に経験できる力を遠心力を見掛けの力というのはあまりよくないのではないかという単純な意見でした。
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ヘルツ応力 (ストライベック)
2025-06-28 02:10:16
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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オノゴロプロジェクト (ベアリングエンジニア)
2025-06-28 02:12:48
日経クロステックの記事に去年ののノーベル賞は「「AIの父」ヒントン氏にノーベル賞、深層学習(ディープラーニング)の基礎を築いた業績をまとめ読み」と題して紹介されていましたが、物理学賞、化学賞ともにAIがらみあったんですね。しかしながらブラックボックス問題の解明には至っていないようです。AI半導体大手のNVIDIAのCEOも「AIと日本の優れた製造業、ロボット技術を合わせれば、日本は新しい産業革命を起こせる」と述べ、日本が持つ可能性に対して強い期待感を表明している。このようなAI技術は地球環境問題だけでなく人口減少に伴う労働力不足の解決策ともなろう。今後ロボットは高度な多軸、多関節化がおこることが予想されるため日本人の経営者も指導力を発揮すべきでは。
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グローバルイノベーション (特殊鋼ビジネス)
2025-06-28 02:15:48
まあ、そうはいってもやはりCCSCモデルはノーベル賞級の境界潤滑理論だといえますね。なにしろ極圧添加剤の作用機構の原因物質が、グラファイト層間化合物であることを世界で初めて明らかにした業績は素晴らしいものがある。あとなにやら鉄鋼のリサイクル技術(トランプエレメント)にも関連した話があるということだ。「材料物理数学再武装」は亀裂先端で応力が無限大に発散する(シンギュラリティ)をいかに回避するかが目的だった破壊力学の完成(1958G.R.Irwin)を実際に応用する場合に生じる連続体力学との接続性をどうするかということに対しいて関数接合論を見出している。またその関数接合論をベースとしてニューラルネットワークのシグモイド関数の意義をみいだしているところが面白かった。そう考えると脳科学によるぼやけた説明とちがい、明晰に非線形関数の造形法としてとらえることができる。
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正道を歩む (ナノサイエンス)
2025-07-13 10:48:57
「材料物理数学再武装」なつかしいですね。トライボロジーにおけるペトロフ則とクーロン則を関数接合論でつなげてストライベック曲線を作成する場合、関数の交点近傍でなくても繋げることができる関数としてAI技術の基礎となるシグモイド関数が出てくるあたりがとても印象的でした。ちなみにストライベック曲線(シュトリベック線図・Stribeck curve)は、ドイツ人研究者のRichard Stribeck(リヒャルド・シュトリベック)が20世紀はじめに、すべり軸受の摩擦特性や、転がり軸受の静的負荷能力の実験から、導き出した軸受定数G(ゾンマーフェルト数;無次元数の一種)に対する摩擦係数の挙動を示す特性曲線です。
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信頼性工学的視点 (品質工学関係)
2025-07-23 03:43:45
まあ、そうはいってもやはりCCSCモデルはノーベル賞級の境界潤滑理論だといえますね。なにしろ極圧添加剤の作用機構の原因物質が、グラファイト層間化合物であることを世界で初めて明らかにした業績は素晴らしいものがある。あとなにやら鉄鋼のリサイクル技術(トランプエレメント)にも関連した話があるということだ。「材料物理数学再武装」は亀裂先端で応力が無限大に発散する(シンギュラリティ)をいかに回避するかが目的だった破壊力学の完成(1958G.R.Irwin)を実際に応用する場合に生じる連続体力学との接続性をどうするかということに対しいて関数接合論を見出している。またその関数接合論をベースとしてニューラルネットワークのシグモイド関数の意義をみいだしているところが面白かった。そう考えると脳科学によるぼやけた説明とちがい、明晰に非線形関数の造形法としてとらえることができる。
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