大宮前下水の谷頭付近の流路に関しては、詳細する地図、文献の類は皆無に近く、わずかに、「杉並郷土史会史報」(平成6年 第127号)中の「觀音川と松庵川」が、「西荻窪駅の西南(松庵三丁目四〇番)付近からはじまり」とし、同第131号(平成7年)の「仮称松庵川について」が、「はけ水路で、武蔵野市吉祥寺東町四丁目より流れ出て、区境で中央線の下を土管で流れ線路沿いに走り、曲折して流れ下りました。現在武蔵野市に於いては吉祥寺東町4-18-9にポンプ場を設けて処理しています」としているくらいです。なお、武蔵野市の排水に関しては、昭和31年(1956年)からポンプで神田川に圧送していましたが、その後女子大通りの下水道幹線の完成に伴い、自然流下で善福寺川に送られるようになりました。
- ・ 西荻窪駅前 西方向の谷筋を見通しています。前回最後の→ 写真は同じところから南方向なので、谷筋がどちらに向っているかが分かります。
- ・ 杉並区、武蔵野市境 上掲写真の通りの先はT字になっていて、その横棒に当たる道が杉並区と武蔵野市(旧吉祥寺村)の境界となっています。「区境で中央線の下を土管で流れ」とは、この右手のガード下付近のことと思われます。
- ・ 本多東公園 ポンプ場の跡地を地下は大雨の際の貯溜施設、地上は公園として整備しました。上掲写真とはJR中央線を挟んで向かい合い、手前の道路を隔てて武蔵野市に属しています。
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