神田川 「まる歩き」 しちゃいます!!

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戒行寺坂、観音坂

2014-09-12 07:03:01 | 城西の堀川2

 以下は「江戸名所図会」本文の引用です。「妙典山戒行寺 同所南に隣る、日蓮宗にして延山に属せり。寛永の頃迄は、麹町一丁目の御堀端にありて、常唱題目修行の庵室なりしが、・・・・明暦に至り此地に遷さる。・・・・此所の坂を戒行寺坂、又其下の谷を戒行寺谷と唱へたり。」 「潮干観世音菩薩 同所南寺町戒行寺の裏の坂口、真言宗錦敬山真成院にあり。・・・・本尊聖観音、作者詳ならず、一尺許の石の上に立せ給ふ。此台石潮の盈虚(みちひ)には必ず湿(ぬ)るゝとなり。」 汐干観音は汐踏観音ともいい、傍らの坂も観音坂のほか、汐干坂、汐踏坂などの別名があります。「江戸砂子」によると汐干の里、汐踏の里は一帯の古名でもあり、その名前にちなんで「台石潮の盈虚(みちひ)に云々」の伝承が発生したのかもしれません。

 

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    ・ 「江戸名所図会 / 日宗寺 戒行寺 汐干観音」

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    ・ 戒行寺坂下  通りは正面奥で左カーブしますが、そこが観音坂の上り口になっています。「図会」の右下にあたり、二つの坂の間はほんの7、80mです。

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    ・ 戒行寺門前  「絵図」にも描かれた門前の下水は、「巾弐尺五六寸程」でした。「戒行寺門前上の方より鮫河橋谷町え流行申候尤(もっとも)右は南寺町の悪水落しニ御座候」(「御府内備考」)

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    ・ 観音坂  左手が真成院ですが、右手中腹にある寺院の名から西念寺坂とも呼ばれます。なお、西念寺は伊賀者の棟梁、服部半蔵開基の寺で、境内には半蔵の墓があります。