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「今日の空の色」 小川糸

2015-10-28 | 読書

昨年10月。香川県多度津付近で。


 

作者は40歳前後ったと思うけれど、割と読みやすい小説をたくさん書き、中にはベストセラーもある今人気の作家。以前「つるかめ助産院」を読んだことがある。さらっと読めて、まあまあ楽しめたかな。

新聞広告の惹句に魅かれて買ったエッセィ集。マンションがリフォーム中、夫と離れて古都鎌倉で家を借りて一人暮らし。その日々がつづられる。

いいなあ、古都での期間限定の一人暮らし。私はとっても憧れる。いつか実現できたらいいと思っている。

鎌倉は自然がたくさん残っていて、隣近所の付き合いもまだまだあり、暮らすような旅人、旅するような住人として生活をとても楽しんでいる、その楽しさがよかったと思う。

本題とは直接関係ないけど、ついに不妊治療をして、いい結果は出なかったけど、人生の見通しが立ったのでよかったとのこと。敷居は全然高くないそうで、歯医者さんのような軽いノリだったとか。

もしどうしようかと迷っている人がいたら、この本の内容は背中を押してくれると思う。

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「京都ぎらい」 井上章一

2015-10-28 | 読書

京都市内、呉服問屋杉本家。2010年11月。この時は修復中で、軽トラが狭い場所に上手に駐車していた。


アマゾン、地域研究カテゴリーでベストセラー一位だそうで。

キャッチーなタイトル、これでだいぶ読者を獲得していると思う。

嫌いは好きの裏返し…ではなく、洛中の人に出会うまで自分は京都人と考えていた著者が、洛中名家の当首に、嵯峨出身をあからさまに侮蔑され、それをきっかけに、京都の住む人のプライドを否応なく考えるようになるところからこの本は始まる。

やらしいなあ。持って回った言い方で、あんたの生まれた辺りはなまりがあるし、百姓が下肥を買いに来ていた場所と差別される。京都人のプライドは天よりも高く、周辺部でさえこうなんだから、ましてよその土地のものなど、いくらお金を落とす客でも心の底ではどう思われていることやら。恐ろしや。

悪口まではいかないにしても、誰もそこまでは言わなかったことを言い切る、それを読む心地よさ。この本の美点はそれに尽きると思う。

観光の魅力とは、歴史的な景観を大切にし、その土地らしさを前面に出し、旅人をして日常生活とは違った体験をしてもらうことだと思う。京都は充分にその魅力があるが、京都の人がもう少し腰が低かったらもっと感じがいい街かもしれない。高飛車に出られてもそれさえも「都ぶり」とありがたる人がいる間はそれも難しいかもしれないが。

というか、その土地で培われた気風はなかなか変化することはないのかも。それを周辺部の著者が丁寧に腑分けしてみせる。面白いです。

京都の街角、よく見られるお地蔵さん。お盆には地蔵盆があるそうな。まだ見たことないけど。

こちら西陣で。2003年11月

 

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