ブログ

 

「逢魔」 唯川恵

2017-06-30 | 読書

ポーランドで買ったサフラン使って、久しぶりにパエリア。

水は少なめ、中火の弱火で約20分。ちょっと焦げた。


最近、おとなしく家にいることが多く、さすがに退屈で昨日、近所の本屋ヘ。品揃え少なく、昼は迫ってくるし、(昼ごはん食べる人がいる)慌てて買った本。

以前、この人の本、読んだことがある。描写力がなかなかで、うまい人だと思う。

この本は誰もが知っている日本の古典を本歌取りした、怪談にして艶本という体裁。短編ばかりですぐ読め、なかなか面白かったです。

科学技術の未発達な時代、人は人知を超えた出来事を「物の怪」「幽霊の仕業」として恐れ、身を慎んだわけですが、その一線を越えてしまったところにある、恐ろしくも目くるめく世界。これはもう活字でしか表現できない。

最後の「白鷺は夜に狂う」は光源氏と六条御息所の濃厚で息苦しい恋の世界。嫉妬のあまり生霊となって、ほかの女性を呪い殺すその情の深さ。本編ではここまでえげつなく(わかりやすく)書いてないけど、いゃあ、これは源氏関係のお話の一つの達成ではなかろうか。

光源氏が六条御息所が最初の女性という設定だけど、それはどうかな。話の都合でそうしたのだろうけど、そしてそれは一層彼女の嫉妬心を掻き立てるのので、まあ必然性もあるからいいかな。

源氏を迎えるとき、袿や細長の普段着ではなく、フルセットの十二単着ていたというところが変。あれって宮中の儀式で女官が着るんじゃなかったかしら。身分の高い人はもっとラフな格好のはず。それにどうせ脱いでしまうのだから、十二単よりも脱ぎやすい服装がいいと思います。

とはいえ、なかなかに楽しい本でした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「夕映え天使」 浅田次郎

2017-06-27 | 読書

6つの作品からなる短編集。どこからでもさらりと読めます。

どれも読みやすくて、人生の機微に触れる作品。地味で目立たない市井の人、その人たちにもドラマがあるのでした。

誰でも、普段付き合う人は限られているし、人生はたった一度だけ。別の世界を覗き、別の人生を紙の上で辿ってみると、少し視界が開ける気がする。小説を読む楽しさはそれに尽きるわけで、丁寧に描写していれば、それでもう十分と私は思う。変な仕掛けなど必要ないのです。

彗星が地球とぶつかる最後の日々の静かな暮らし。SF仕立てで面白かったけど、それだからと言って、世界は平和にはならないと思う。やはり最後まで戦争したり、欲をむさぼったり、の方がありそう。

別な人生のだいご味は、また別の長い作品で期待しよう。この人の作品では「歩兵の本領」が印象に残っている。リアルな自衛隊内の様子。ずいぶん前の作品だけど、お勧めです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

尾道で汗をかく

2017-06-18 | 旅行

尾道へ行くことにしました。高速経由で、我が家から一時間ちょっとです。

市役所横の立体Pに車を入れ、あとは徒歩で観光です。

先ずは爽籟軒へ。江戸末期の豪商の別荘。茶室、明喜庵は、山崎にある利休監修、国宝待庵の写しだそうです。

待合から庭をうかがう。

続いて山陽本線上の浄土寺へ。

「東京物語」的風景。ときどき長い貨物列車が通り過ぎます。

境内。多宝塔は14世紀に再建。国宝。写真撮ってないけど、金堂も同時期の建物で国宝。

山門、尾道水道(海)、向島の日立造船。

ここで、一度街へ降りて昼ごはん。私フレンチ、夫和そば、お互い譲りたくないので別々に食事。

続いて西国寺へ。

尾道大橋。

続いて艮うしとら神社横から山へ登る。ロープウェーは乗らない。節約命。

猫の小道

こちら本物

ああ、眠い。千光寺下で。

ゲストハウス「みはらし亭」

建築は1921年。はじめ有力商家の「茶園」=別荘、1969年から旅館、2009年空き家バンクに登録。2016年ゲストハウスとして活用開始。

建物は文化財。

別棟は観光案内所。アプローチがおしゃれ。

二階と一階の一部がゲストハウス。

気持ちよさそうな部屋です。二人部屋、三人部屋のほかに、相部屋(ドミトリー)もあるそうです。

詳しくはお問い合わせください。0848-23-3864

http://miharashi.onomichisaisei.com/ 

泊まってみたいなあ。若ければ。

きょうはとりあえずお茶飲みます。

見晴らし抜群。

千光寺はパス。もう帰ります。帰りも徒歩で。

まだまだ若い者には負けんぞ!!と年寄りが頑張る。

このあと空港横の三景園でアジサイを見ましたが、それはまたいつか。

好天でいい汗かきました。尾道は若い人が新しくお店を出して、楽しい観光地へと生まれ変わっています。皆様もぜひどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「マチネの終わりに」 平野啓一郎

2017-06-17 | 読書


 

先月、アウシュビッツの虐殺の本を何冊も読んで気分悪くなったので、リハビリのつもりで買って読んだ。

恋愛小説です。人の愛の深さに深く感動しました。ギタリストの槙野と、クロアチア人映画監督と日本人の間に生まれたジャーナリスト小峰洋子の、五年にわたる愛の顛末。

舞台は東京の、コンサートの夜の打ち上げ会場から始まり、パリ、ニューヨーク、イラクなどなどワールドワイド。

偶然出会って意気投合した二人が、一度は結婚するまでの決意をするが、様々な偶然が重なり、それぞれ別の人と結婚する。しかし、またまた運命の糸に導かれるようにして再会する。二人はこの後、今度こそ本当に人生を共にするのではないだろうか。よかったあーーと読者に思わせたところで小説は終わる。

それにしても槙野の女マネージャー早苗である。槙野が忘れた携帯をタクシー会社に取りに行き、槙野に成り代わって洋子に別れの偽メールを送ったり、その携帯を自分の不注意で水没させ、自分の携帯に残っていたアドレス宛に送るよう頼まれたメールは削除するし、これって犯罪?そして、槙野と結婚してしまう。

槙野とその周辺への献身的な態度は悪いことではないが、恋愛のためなら何してもいいわけではあるまい。愛し合っている者同士を策略を使って別れさせるのは最悪と思う。

それが悪いと自覚しているのなら、結婚して子供までできるようになってからわざわざ懺悔することもなかろう。悪人に徹するなら、墓場まで持って行ってほしいもの。

人の心はとどめがたし。好きになるのも嫌いになるのも仕方のないこと。人が人を思うこと以上に尊いものはこの世にはない。早苗の愛は結局報われず、それもまた残酷なことではあるけれど。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「山のぼりおり」 石田千

2017-06-13 | 読書


読み終わってアマゾンでレビュー見るまで、女性って知らなかった。68年生まれ、現在50歳前の人で、何度か芥川賞の候補にもなった作家。

今は大学の小説創作家で教授も務めているとのこと。

登山って、ハードでストイックで、登る時はアドレナリン出まくりのスポーツというイメージだけど、この本の中では散文詩のように優しい。

五感で感じた山の雰囲気を文字に定着しようという試み。フワフワして、好みがわかれるところ。私はこういう文章を読みなれないので、イメージがつかみにくかった。

10年以上前、山岳雑誌「山と渓谷」に連載されたもの。ということは実際に登ったのは、著が30代後半から40歳ころということになる。すべて単独行。いや、編集者がついて行ったのかも。

同じ山でも書く人によって、こんなにも優しくたおやかになるんだという好例。

短いのですぐ読めます。外出の時のバッグに入れ、電車の中でほとんどを読んだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

近江八幡・手漕ぎ和船のお堀めぐり

2017-06-10 | 旅行

京都から東海道本線の新快速で20分くらい、琵琶湖東岸の城下町、それが近江八幡市です。

今回は人に連れられて行ったので、どんなところかよく知らず、まだまだ見どころありそうで、また行ってみたいものです。

バスで和船乗り場まで。船頭さんの手漕ぎです。全国的にも珍しいのでは。

九州の柳川は竿を川底に刺して進みます。

船頭さんは定年退職後の第二の職場だそうで、最高齢者は85歳とのこと。素晴らしい。

水路を抜けて

ヨシやスゲの間を通ります。水が濁っているのは細かな土が溶けているからで、水質はとてもいいとのことでした。

水路は琵琶湖へと続きます。

広い遊水地まで来ました。

水辺の木はカワヤナギ

さらに進みます。ヨシは秋に刈り取り、春に芽吹いてだいぶ成長しています。

 

カワヤナギの枝は垂れ下らず、一見すると柳でないような。。。。

人生いろいろ、柳もいろいろ。ポプラも確か柳の仲間。

ここは映画やドラマの撮影によく使われるそうです。

手漕ぎ船は一日二回の定期航路のほかに、貸し切りでいつでも出発のコースもあるそうです。

広い遊水地をぐるりと回って引き返します。


バスで日牟禮八幡宮まで戻り、境内の店でお昼をいただきました。

食前、冷たいお茶にお菓子

食事。京都風。昔から京都の人が別荘を構える土地だたそうです。

お堀端を歩いて

あの橋が神社への参道。

キショウブにハナショウブ。水辺の光景。

橋の上から

なごみます。


大変に癒される水辺の町でした。また行きたいものです。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水郷・近江八幡

2017-06-08 | 旅行

高校・大学が一緒の友達二人と三日間、旅行していました。

今日は近江八幡を巡りました。水路を巡る船に乗り、

八幡様境内で食事して、

三日間、いっぱいいっぱい話して、解散。

来年は私が幹事。さてどこへ行きましょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鞆の浦、路地裏散歩

2017-06-04 | 旅行

一緒に出掛けるのは4/30以来です。

鞆へは、私、三か月ぶり。夫は何年かぶり。

行き方。山陽道、福山東ICから南西に。約30分。

JR福山駅から路線バスでこちらも30分くらい。バスは20分~30分おきくらいにあるようです。

本日休業

猫二匹

酒屋

銭湯改め駐車場 

脱衣場

医王寺から

真言宗。17世紀建築の本堂。

経塚?と海

昔、瀬戸内の汐待ちの港として栄える。絶景。

山門から降りる。急傾斜地。漁村風の昔の集落に降りる。

すれ違う人が声をかけてくれる。

ペットボトルの給水器

多肉植物。

小魚定食食べて…こちらの店はここで撮影する映画、ドラマの指定食事処のような場所。

写真多数。最近では龍馬伝の福山雅治、広末涼子さんなど。見飽きません。皆様もぜひどうぞ。

「おてび」さんです。ちなみにおてびとはお手火で、松明のことです。地元神社の祭礼に使うらしい。

その竜馬。海を見て立っている。

暑いようないいお天気でした。あまり歩かず、早々に帰宅。夕方は息子宅へ行く。

最近にないようないい日曜日でした。ちょっとしたことで、人生は楽しくもつまらなくもなるようで。前向きに行きましょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「捨てる女」 内澤旬子

2017-06-03 | 読書

今年の四月に出た本。文章を書き、イラストを描き、デザインをする仕事の著者はたくさんの資料を買い集め、それがにっちもさっちもいかなくなる。

病気になったのをきっかけに考えが変わり、ものを捨て始める。買うのは簡単、捨てるのはどんな小さなものでも、自分の人生の歴史の一ページ、傷みが伴う。

でも捨てる。捨てて捨てて捨てまくる。考えてみれば生活に必要なものってそんなにないはず。それでも、たいていの人は家の中の空間に物をため込んでいる。

捨てるのが奨励されるようになったのはいつごろからだろうか。それもまた豊かな時代なればこそ。

捨てる前に買わない暮らし。人が何を着ていようが、何を持っていようが惑わされない生き方。できれば簡単なんだけど、できないので苦労する。この私も。

著者は捨てまくった結果、一抹の寂寥感にとらわれる。わかる。とってもよくわかる。

来週旅行に行く私。約30年前、もう二度とバッグ買わないつもりで思い切って買ったヴィトンのショルダーバッグ、あれ持って行きたくなった。

でも…もう手元にない。皮のところが茶色になったので昨年ヤフオクで5,000円で売った。なんかねぇ…あれもあってよかったかなと今になって後悔している。家の中でどれほどの場所を取るわけでもないのに。

ヴィトンのなめし皮、初めベージュ、やがて色が濃くなって古いのが丸わかり。戦略?

ものを持たずに平常心でいることも、捨てて平常心でいることもなかなかに難しい。世間は刺激に満ち満ちている。いくら年とっても、そこから自由な人は稀。

それがまあ、生きている証であったりして。


ポーランドのお土産各種。車の本、地図などは息子たちに。

種物は母に。器はお嫁ちゃんに。蓋つき木箱は従妹に。一部はまだ家にあります。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「身近なもので生き延びろ」 西村淳

2017-06-02 | 読書


先日外出した時、本通りの平和公園寄り、フタバ図書で購入。新刊本とリサイクル本を揃えた書店で、こちらリサイクルコーナーで。108円だったかな?

地震などでインフラが破壊されたときの、水、火の起こし方、灯り、排せつなど、昔の人間なら身に着けていた能力がない現代人向けにイラスト入りで面白おかしく書いている。

著者は南極越冬隊に調理人として参加していたそうで、ものが乏しく創意工夫で生活するのは災害の後より厳しいかも。

南極に行くことはないので(たぶん)、脱線気味なところはちょっとあれだけど、避難所での人とのコンタクトの取り方など、参考になった。にこっと挨拶して返さない人とは親しくしなくてもいいそうで。確かにそうだ。相手は交流を求めていないのだから、無理して近付くことはないわけで。

それは海外旅行のツアーでも同じ。無理しないことですね。自分の体験に引き付けて一つ賢くなれたかな。


5/12 ワルシャワで。踏むと音が出そうな歩道。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

手織り

にほんブログ村 ハンドメイドブログ 手織り・機織りへ
にほんブログ村

日本ブログ村・ランキング

PVアクセスランキング にほんブログ村