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本の貸し借り

2015-10-08 | 断想

昨年の今頃 香川県三豊市粟島で


先日、ある人に相談された。自費出版の本を人から借り、それを別な人に又貸ししたところ失くされたそうな。
「親の自叙伝、大切なものだから返して」と言われ、どうしたものかと。原稿があるはずだから、それを借りてワープロで打って製本して返したらどうですかとアドバイスしたけれど、呆れてしまった。

又貸しなんてもっての他と私は思っている。本を大切にしない人=知識に対して敬意を払わない人はわが同類に非ず。

今まで人を信頼して貸した本が帰ってこなかったことが何度か。その人も嫌いになった。借りた本は自分の身につかない。読みたければ、身銭を切って買いましょう。私はそうしている。本貸してと気安く言う人とは付き合いたくない。

来客にも本見られたくないので、二階の人を通さない部屋に置いてある。ケチでけっこう。絶対貸さないもんね。

という記事をさるSNSで上げたところ大いに同意された。その方は祖母に作ってもらった、まだ袖通してもない着物をつい貸してしまい、いまだに後悔しているとか。

着物も本も、大切な人には命の次位に大切、そうでない人に限って気安く人に借りたがるんですよね。何か自分でも、凄く意地悪で嫌な女だと思うけれど、嫌なものは嫌。

好きな本をインテリアにしたいけど、人に見られるのが嫌でできずにいる。本は生きてきたあかし、捨てたくありません。といいつつ、古い文庫本、だいぶ捨てたけど。

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「枯葉の中の青い炎」 辻原登

2015-10-08 | 読書

20年以上前、「村の名前」で芥川賞を受賞した作者の10年くらい前の短編集。谷崎賞受賞。6つの作品がある。

どれも不気味で面白い。

「ちょっとゆがんだ私のブローチ」

夫が浮気していた。女子大生と!!

相手は卒業したら実家に帰り、結婚することが決まっている。その前に一月一緒に暮らしたい。妻はいいわよと承諾する。妻は夫のあとをつけてその部屋を突き止め、向かいの上層階を借りて部屋を見下ろす。

最後の二日間、弟が上京してきて、夫は部屋を出ざるを得ないが、彼女が行方不明になったと憔悴している。別れの記念に30万円のラスビラズリをプレゼントするが、なぜかそのブローチが妻の胸にある。

・・・・・・怖いですねぇ。深読みしなくても怖い。

その他の作品もすべて、毎日の暮らしの下に隠れた人の情動、不思議な因縁、などをいかにもありそうに書いているので怖い。

色々な場面があるけれど、三菱銀行銃撃事件、改めて読んでみるとものすごく残忍でものすごく怖い。で、その一部始終を知っていた人間がいた・・・

今、夜中にこれ書いてるけど、世の中にはどんなことでも起きる。その不気味さと怖さにちょっとぞくっとしている。

いちばん身近なのはやはり「・・・ブローチ」かな。以前街頭インタビューで、同じ目に遭った人が話していたから、中にはこんなことする男もいるんだろう。笑って許さない。極限の復讐。私には到底度胸はないけれど。

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