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「55歳からのハローライフ」 村上龍

2015-02-14 | 読書

NHKのドラマで昨年、一話だけ見た、その原作本。地方紙に連載した中編が五話、いずれも60歳前後に自分の人生と改めて向き合わなければならなくなった人の悩み、戸惑い、葛藤と再生へのかすかな希望の物語。読みごたえがあった。

あとがきで著者曰く

「定年後、老後に訪れる困難さは一様ではない。・・・・・(中略)・・・・それまでの人生で、誰と、どんな信頼関係を築いてきたかということだ」

それによって老後の幸福が左右されるということだと思う。お金はあるに越したことはないけれど、自分でcontrol出来ないほどの財産は必ずや不幸を引き起こす。それよりは信頼できる少しの人と心配ごとなく、ゆっくりと人生の下り坂を楽しめれば充分・・・ということに私は気が付いた。

そのためには人に親切に、身内の自慢話と受け取られることは控え、健康第一、いるだけで周りを楽しく明るい気持ちにできる人間を目指そう。なかなかそうはいきませんが。

自分の生き方を振り返り、これからの生き方の指針となる疑似体験ができる。そんな話。これぞ小説の王道。限りなく透明なブルーの村上龍氏も成熟してきたなと思った。

コメント (2)
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