縮景園で。2013年2月。
2012年発行の本書は大変よく売れたらしい。最初の100ページが無料で読めます。
http://www.sogensha.co.jp/pdf/preview_sengoshi_ust.pdf
高校生にでもわかる戦後史の謳い文句通り、言葉は平易、説明も分かりやすい。この本が問うのは日本には日本独自の歴史と社会があり、価値観がある。対米従属だけでいいのか、ということに尽きると思う。
米国に楯突いたこの国の指導者はいずれも米国の力で失脚の憂き目にあってきたと一刀両断。なるほどそうかもしれない。がしかし、すべてそれで説明してしまうのはどうだろうかと一方では思う私もいる。
民主党政権ができたとき、アメリカ軍の削減とアジア重視の外交を鳩山首相が謳い、この私も期待したのだけど、本書ではそれもアメリカの陰謀で潰されたとのこと。それが本当なら、なんか落ち込んでしまった。
がしかしアメリカの方針も時代によって変わるし、必ずしも一枚岩でもない。無条件にアメリカに追随するよりは、日本の将来を見据えて本当に国益になる立ち位置を探ってもらいたいと思う。
アメリカの世界戦略も最近では国連憲章を無視し、経済的なことでも無理難題を日本に言ってくる。TPPや最近急に言い出した農協改革、日本の産業をずたずたにしてアメリカの利益に従属させる。それが本当なら本当にまずいと思う。
気骨ある政治家、賢い国民、それこそがいま最も必要だと思った。