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「昭和時代回想」 関川夏央

2013-08-12 | 読書

2006年8月6日、三男を交えて山陰へ日帰りドライブ。修士一年目、学校では何も教えてくれないし何をしろとも言われないのでものすごーーーく閑だと、この年は珍しく長く帰省していた。「家族サービス」でドライブに付き合ってくれた。

すっかり忘れていたが、今思えばいい一日だった。いい一日って、何でもない顔つきで昨日と明日の間に挟まっているから油断できない。

夏、砂浜、海水浴、山陰本線、山、雲・・・昭和的光景。


1990年代にあちこちに書いたエッセイを、読みやすいようにまとめたもの。なかなか面白かったです。

著者は私と同世代で、この時には40代。10代、20代を振り返った短文が面白かった。新潟と四国と、ずいぶん離れているけれど、同じ時代の空気を吸っていたその語り口が、肌に合うという感じ。

ノスタルジアだけで語られてないのがいい。今より貧しく、人々はちょっと頑固で、どこへ行くのも時間がかかって、要するに今より不自由だった時代。無条件に懐かしがるのには、私も大いに違和感がある。

で、団塊の世代論である。私は団塊とひとくくりにされることは大変嫌いである。この中の特徴だって私に当てはまることもあればそうでないこともある。活字は好きだけど、お喋りは苦手である。今は歳の功で、変に思われない程度には人とも話ができるけれど、若い頃は本当に友達が少なかった。

団塊の世代がお喋りだなんて、誰が決めたんだい?じゃほかの世代の人は無口なんかい?統計でもあるんかい?

言葉が先に生まれ、共通の特徴をあとから探すような言説は、須く眉に唾付けることにしている。

とは言え、短い文章、いずれもそういう意味も含めて面白かったです。

昭和は遠く、1990年代も遠くなったけど、ものを考えるとっかかりにはなると思う。えらそげですみません。

 

コメント (2)
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