現行のシステムをWeb化してユビキタス時代に備えようというプロジェクトが、またまた大幅延期に追い込まれた。
原因は仕様が固まらないまま走ってしまったことにあるようだ。最近こういったいい加減な仕事ぶりをよく耳にする。
ITLeaders1月号で木内さんのコラム「是正勧告」にチリの落盤事故救出から学ぶという記事がある。なぜこの困難な救出劇が成功したか7つの要素を挙げて解説している。
その最初に、同じ目的を強く意識する2つのチームがある、とある。システム開発で言えば発注者側(地下チーム)と受注者側(救出チーム)だ。
この同じ目的というのが重要だ。
発注側も何ができれば成功かを明確にしないままに見積依頼をしたり、受注者側は、とにかく受注競争に勝って、納期どおりに利益を確保して納品することを目的としたりする。
これでは同床異夢。
チリの救出劇は、同じ目的で発注側も受注側も頑張れる体制があれば、かなり困難な問題に直面しても乗り越えられることを証明している。
原因は仕様が固まらないまま走ってしまったことにあるようだ。最近こういったいい加減な仕事ぶりをよく耳にする。
ITLeaders1月号で木内さんのコラム「是正勧告」にチリの落盤事故救出から学ぶという記事がある。なぜこの困難な救出劇が成功したか7つの要素を挙げて解説している。
その最初に、同じ目的を強く意識する2つのチームがある、とある。システム開発で言えば発注者側(地下チーム)と受注者側(救出チーム)だ。
この同じ目的というのが重要だ。
発注側も何ができれば成功かを明確にしないままに見積依頼をしたり、受注者側は、とにかく受注競争に勝って、納期どおりに利益を確保して納品することを目的としたりする。
これでは同床異夢。
チリの救出劇は、同じ目的で発注側も受注側も頑張れる体制があれば、かなり困難な問題に直面しても乗り越えられることを証明している。
>最近こういったいい加減な仕事ぶりをよく耳にする。
取り敢えずやってみよう、とか、始めなければ始まらないとか、耳障りの良い、機転の利く感じを受ける言葉が
ありますが、仕様を十分吟味せずに取りかかる際の常套句ではないかと思っています。走りながら考え、問題
が起きたら、その都度適切に対応しようという“もっともらしい”ことで取りかかり、失敗したプロジェクトは珍しく
ないのではないでしょうか。
大分前になりますが、私が意見を求められた超ビッグな自治体での自治体立医療機関でのシステム開発では、
・2004/9に検討開始
・2005/3に仕様決定
・2006/12稼働(施設運用開始)
というスケジュールの中で、電子カルテを含む総合的な電子化を図るという無謀な計画でした。
これを作ったのは著名シンクタンクでしたが、彼らは本当に中身を分って提案したのか?と思う内容でした。
これに対して、延期を進言。
(1)期限までに仕様を纏めきれるはずがない
(2)仕様ができなければ予算も見えないはず
(3)優先順位もつけられない
(4)やればデキルは無謀 (何倍もの費用と手間が発生する←ベンダは儲かるが・・・)
“開業を遅らせることはできない”なら、必須な
・医事会計システム
・人事給与システム
のみの導入にすべき。これなら決まり切ったものなので、期限厳守という当局側のメンツを立てつつ、見切り発車
によるトラブルを避けることができ、予定通り開業できる、というものでしたが・・・
失敗しても失敗にならない(しない)のが、自治体のシステムです。自分の財布が傷むわけではなく、税金を使って
いるという意識も特にはなく(お題目としてはありますが!)、とにかく走り出さないとマズイという姿勢が見え見えで
した。そして期限までにシステムが出来上がり、予算獲得の際に掲げた効果とは無関係に、止まらないで動けば
それで良く、よほどのことがない限り糾弾されない構造的な問題があります。
韓国の自治体システムの素晴らしさを賞賛する声が聞えますが、心ある者なら誰でも思いつくと思われる機能が
素晴らしいのではなく、前提とする自治体のあり方、そこで働く職員の意識の差ではないかと思います。
韓国では地方自治や地方分権が日本に比べ遅れたこと、全国を均衡に発展させることを重視したことにより、電子
行政については国が強力に推進してきた同国と日本との生い立ちの差、および、自治体の仕事は政府から委託され
た仕事と考える韓国とは同じ尺度では評価できないのではないかという識者の見解をうかがったことがありますが、
この差を理解しないまま単純に韓国礼賛はどうかと思うことがあります。
以上、
問いかけに無関係なことまで言ってしましましたが、2010年最後のコメントをさせていただきました。
今年はお世話になりました。来年も片貝さんのブログが良い影響を与えますよう、願っています。
日本人は、システムと言うと、ユーザは、自分には関係ないといった風潮があるような気がします。
自分の仕事をどうするかを決めているのに、誰か専門家が作ってくれるのだろうという考えです。
ユーザが自分のことをしっかり決められないからSIerが右往左往すると思うのです。
自治体もそうです。日本の自治体で自らシステム設計のできる自治体がどのくらいあるでしょうか。
片手くらいしなないのではないでしょうか。
韓国の凄さを語る前に、自らのふがいなさを反省すべきですね。
システムのイニシアチブはユーザが持たねばなりません。そのためには杉浦メソッドが大事だと思います。
来年またいろいろお願いしたいことがあります。その節はどうそよろしくお願い致します。